【改訂版】女性はなぜ下着を見られることの方がより恥ずかしいのか

さて、

自己紹介代わりにと思いハードディスクをさらってもとりあえずこれしか出せるものが見つかりませんでした。よりによってまた個性全開のものを......今見ても恥ずかしいですが、すごく私らしいと思うので一部再編集して再掲します。2014年6月にアップしたものの再掲です。お付き合いください。

当時は、確かどなたかとnoteのコメント欄で会話をしていて、「裸と下着、見られるならどちらが恥ずかしいか」という話題になったと思います。(深夜でした)この日私はデパートにいまして、「絶対服の中から見える下着が見える方が恥ずかしいですよ!」と息巻いていました.....。飲んでたかも。ということで、親しくとも下着だけの姿の方が見られるのは、どうして恥ずかしいのだろうと思って書きはじめたら、話題がすごく大きな方に行きます。

私がどうして「下着を見られると恥ずかしい」と思うのか。

「普段隠しているものを見られるのが恥ずかしい」これもなくはない。でもこれだけでは説明しきれないものがある。きっと、それはランジェリーには女性の美意識や理想形、価値観、果てには自分の持つフェティシズムまで映し出さられているかもしれないと思うからかな、と思った。

女性ランジェリーメーカーで代表的なワコールのフラッグシップモデルは「Trefle(トレフル)」である。

Spling & Summer2014
ランジェリーの表現もまた、文化や芸術のひとつ。ものづくりの原点に立ち返り、次なる革新へ。素材・品質・デザイン・機能の全てにこだわり抜き、時代を超える美しさを求める本物志向のブランド「Trefle」。
’14春夏シーズンはKALEIDOSCOPE(万華鏡)をテーマに、万華鏡に見せられたような美の悦楽、そして緻密さと別格の希少価値を追求して行きます。

これが、日本を代表するランジェリーブランドの「本気」だった。もうすでに下着としての機能を超えて、文化や芸術の担い手として「美の悦楽」を提供しようというのだ。「胸が上がる」「楽チン」とかいうレベルじゃないのだ。手に取ると緻密さとフェティッシュさに震えがくる。他人に見せて褒められたいという理由を超え、「私は、このレースと刺繍を自分で選んで身につける。この下着をつけることによって、私は誰とも違う私になるのだ」という究極の自己表現の世界を追求しているのだろうかと感じる。

究極の自己表現、と聞くととっさに告白やプロポーズ、それとも大声で泣いたり笑ったりすることかなと思う。それらには清々しさとどこか恥ずかしさがつきまとう。だから、人に見られると同じように「恥ずかしい」のかもしれない。消耗品のランジェリーに収入のかなりの割合をつぎ込んで、服はプチプラで無難に装っておく、そのギャップが恥ずかしいというのもあるかも。

話は変わるが、この記事を書くきっかけになったその日、ワコールのwebサイトが大規模なクラッキングにあい、約1ヶ月間全サイトを閉じたという事件があった。偶然この日に私はワコールのショップにいて、公式サイトにアクセスしたらこの事実を知った。しかし、グループの全50サイトが5日間に渡って全て閉鎖してアクセスができなくなったという当時でも大きなニュースだったが、当時の対応が鮮やかだったからか、ほとんど報道されなかった。改ざん被害に気づいたワコールは、全てのサーバーを捨て即座に新しいサーバーを立て直し、リカバリー予定のプレスリリースを出し、その通りのスケジュール(またはやや早く)復活させていったようだ。

このスピードと緻密さに、目が吸い寄せられた。
同じようなことを感じたエピソードをもうひとつお話ししたい。

「ダイバーシティへの、一歩。」

(一部編集の上引用します)ワコールグループは、長崎、熊本、福岡、新潟、福井と、国内に5社の自社工場を所有しています。そのうちの1社、新潟ワコール縫製株式会社が、『平成23年度 障がい者雇用 優良事業所 厚生労働大臣賞』を受賞しました。企業が障がいのある方を受け入れるとき、最も大きな壁となるのは"職場への定着"だと言われています。健常者と相互理解を深めながら、採算性・効率化を求める企業で働き続けることは、障がいのある方にとって、まだまだ難しいのが現状だと言わざるを得ません。支援機関やジョブコーチなどの協力を得ながらこの難関に取り組む企業が多い中で、新潟ワコールは、長年さまざまな方々と独自に向き合ってきました。お一人お一人異なる障がいの特性に試行錯誤を重ねながら、時に右往左往しながら、自分たちで知恵を出し合い、協力し、新しい仲間を受け入れる努力を続けてきました。今では、勤続30年の大ベテランを筆頭に、9名の障がい者が目標に向って共に汗を流しています。プログラム式電子ミシン「縫製に携わりたい」という発達障がい者の希望を受け入れ購入した、彼女専用のプログラム式電子ミシン。現在のミシンは全て手動で、同時にいくつかの動作をしなければなりませんが、導入したミシンはどんなに複雑な縫製形状でも、縫い目、針数、スピードなどの条件を入力しておくことで、作業者の負荷が激減します。

なんと一人の障がいを持った女性のために、一からプログラムした専用のミシンを作り、彼女はそのミシンを使ってフラッグシップモデルの「Trefle(トレフル)」の下着を縫製し、それは市場で売られているというのだ。

当時も家中を探し回ってトレフルの下着を一着だけ見つけた、と書いた。この4年の間色々なことがあったが、一着だけ増やすことができた。

現在の「Trefle」のテーマと見比べてみた。


Theme

やがて水面を弾くオレンジの光が地平線に吸い込まれ、夜が訪れる。

冴えざえと輝く月の明かりに、秘めやかな願いをかけて。
希望の光を探して見上げた夜空に、きらめく星がひとすじの弧を描く。

幸せを運ぶハッピージンクスを、いつも胸に。

日常の小さなぬくもりが心を豊かに満たし続け、
幸福にあふれた女性は、星よりも遥か美しく輝く。

「覗く」万華鏡から「仰ぎ見る」星空に変わっている。
特別なミシンで楽になった彼女たちの作るランジェリーが、私たちの心を豊かに満たし続け、星よりも遥かに美しく輝けるのだろうか。

星よりも美しく輝けるとしたら、何になりたいですか?