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ナショジオ プロの撮り方

プロの撮り方シリーズ、皆さん好きですか? 僕は好きで何冊か購入しています。

その中の一冊『プロの撮り方 ストリートフォト』のことを何回かにわけてこのnoteに記していき、伝えるようなテイをとりつつ書くことで自分が知識を身内にする作業をしていきます。

章に入る前の『はじめに』のところで

ありがたいことに、ストリートフォトの撮影には、写真芸術の創造性を発揮する余地がまだ大いに残っている。

プロの撮り方 ストリートフォト

と書かれており、全体を通して創造性次第でどんな場所も物も、被写体足り得ることを訴えています。

そして第一章は光と影。

まず都市(規模は問わない)には自然の風景に比べて『シャドーポケット』とも呼ぶべき光の当たらない部分が多く、ドラマチックな写真が撮りやすいという説明から始まります。

しかし人間の眼は輝度差に対して抜群の性能を誇っています。暗いところと明るいところを同時に見ることが可能です。

なので写真においての『貴重な黒』を見逃しやすいです。

カメラとレンズはそれだけ人間と違う世界をみています。この本では『言語』が違うと例えていました。

なので本来であれば撮影者たちは光と影の測り方などを長い時間かけて学び『見る力』を深め『貴重な黒』を発見出来るようになるはずが、現代撮影者である僕のようなタイプは、Photoshopなどによって人のプライドを少しずつ蝕まれているようです……。

昨今のスマートフォン、そしてカメラはダイナミックレンジを広げること(明るいところと暗いところを同時に撮る性能)に心血を注ぐ開発をしていますが、それについても苦言を呈しています。『貴重な黒』が黒じゃなくなってしまうからですね。

それらを影を活かした作例とともに熱弁していて非常に分かりやすいです。

そして、話はストリートフォトといえばの鉄板、サニー16ルールに及びます。

サニー16ルールとは
晴れている日はf値を16、シャッタースピードは感度分の1秒で撮影すれば適正露出という法則です。

これは世界中どこでも一緒です。空が飛ばずに青く写せる露出ともいえますね。

ようは、この世の光源は昼間の場合基本太陽で、それは固定ですよね。なのにちょっとカメラ(露出計)の向きを変えると異なる露出になることがあると思いますが、んなこまけーこたぁいいんだよ! の精神で、光があたっているところを綺麗に写そうぜ! っていう露出の決め方です。

これは僕もこの本を読む前から色々なところでみて知っていたのでやってみましたが、とても面白いです。とくにLeica MPを使っているときなんかは28mmを使うことが多いので、露出はサニー16ルールで固定、ピントは2mちょいからパンフォーカスで撮影出来ます。なのでファインダーみてひたすらフレーミングとシャッタータイミングに集中した、なんというかピュアな撮影が出来ます。

そしてこのサニー16ルールは上述したように、明るいところを基準に露出をとっていますから『シャドーポケット』『貴重な黒』は際立ちます。

光と影を意識する訓練としてはうってつけの撮り方と言えますね。

それを裏付ける作例の数々と解説により本書は進みますが、一章の最後にいきなり

光がすべて、ではない

と、急に光と影否定論のようなことを言い始めます。

多くの撮影者は
「画像や映像の撮影においては、光が全てだ。光に最大の注意を向けなければ、撮影は絶対に成功しない」――有名無名を問わず多くの写真家たちが、このお馴染みの主張を念仏のように繰り返し唱え続けるのを、私はこれまで黙って最後まで聞いてきた。私自身はこの主張に「同意しない」と言ったら驚かれるかもしれない。そう、私は光がすべてだなどとは信じていない。

プロの撮り方 ストリートフォト

断言しています。そして結論は『構図』だ、と。

それを構築する、構成する要素としての光と影だということですね。

そんなわけで第二章は『構図』です。

なかなか骨の折れる記事作成なので次はいつやら。でもこうやって説明しようとすると自分にどんどん入ってくるのでまたやりまーす。

仮に頂いたら……フィルムを買うか写真の本を買うなどしてレビューします