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カジュアルEDHの本質~カジュアルEDH勢のお気持ち表明~

0.はじめに

皆さんEDHは好きですか?私は定期的に大会出たりするくらいには好きです。現在はジャイルーダ、パルン、軽脚、ハクバルあとオースブレイカーでエルミンスターを持っています。

大会は吉祥寺中心で他に渋谷、有志の大会ですとステゴロEDHや種族王、ぷろすた会というところでもプレイしたことがあります。
いわゆるcEDHというものには参加せずカジュアルEDHや良くて7,8くらいのところでやっています。

さてそんな自分ですがふと仕事で白目向いて脳みそが沸騰している最中ふとX(旧twitter)を見ていたらこんなポストが出てきました。

記事を読む前は、「あー自分もこのレベル帯でやってるから時々悩みとかあるよね」ってなりましたし、この記事の反響がそれなりにあり色んなフォロワーさんやEDHやってる人が様々な意見を出していたので、自分もカジュアル統率者中心勢としてこれは見なきゃいかんな、と思い、読ませていただきました。自分がこのレベル帯でやる楽しさとか悩みとかを共有できたら・・
(読了後)


課長バカ一代を知るきっかけになったアレ

元記事は同じような悩みを持っている人からの共感意見も結構あり、このレベル帯でやっている人にはすごく響く記事であったようです。こういうモヤモヤ感を言語化して伝える、というのは難しいので読み物としてすごく良いと感じます。

しかし、私はこのレベル帯でやっていて違和感というか共感できない部分も多々あったので、自分の意見を述べるとともに感想を付け加えてこの表題とさせていただきました。

1.皆で盛り上がって楽しむことは本質なのか

※ボイロの統率者動画楽しくて一生見てられそう


EDHは4人対戦であり、ボードゲームやpartyゲームとしての性質を持っています。カードは1枚しか入れられず、様々な統率者がいることで同じようなゲーム展開が起きにくく、同卓するメンツによっても変わり、ソルリングなどのEDHならではのパワーカードなどによるブン周りもあったり、知らないカードによって盤面が急展開するーーなどなどMTGの中でもかなり特殊なフォーマットだと言えるでしょう。これを界隈では「非再現性」と呼んでおり、勝つためにガチガチに組んでプレイングを鍛えても、ランダムな展開が発生し思うようにいかないこともあります。
また統率者は1対1ではないので、時には隣のプレイヤーと協力したり、また一人が分回っていたら3人で結託して「今だけは協力してやるよ!」みたいなある意味熱い展開が発生したりします。
さらには「そのカードなんですか!?」「これはですねぇ(ニチャァアアアアアア)」みたいなオタク特有のなんたらを披露する機会があったりもします。

これらのことからEDHは他のフォーマットに比べて盛り上がり「やすい」性質があり、「皆で体験を共有する」ような部分があることは確かです。

cEDHとかは勝利を第一に考えているため、入るカードは最適化され、ミスは許されず、tier1の統率者はある程度決まっているため、統率者ならではのメタゲームなどなど構築戦のような思考も多々発生します。そのためpartyゲーム的な要素は薄まり人によっては窮屈だと感じるかもしれません。

ですが、皆で盛り上がって楽しむことはカジュアルEDH特有のものか、と言われるとNoです。構築戦であってもすごいドマイナーなデッキと遭遇して「なんだそれ知らんぞ???」みたいな驚きを皆で共有する機会はあります。そうまでいかなくても対戦していく中でギリギリの戦いをしてそれをギャラリーが見ていて展開次第で「おおおおー!!」ってなったり「そうなるんかーい」みたいなギャグ展開が発生してみんなで笑ったりとなんだか見ていて楽しそうだなってなるような場面はいくらでも発生します。
このように皆が盛り上がって楽しむ、ということ自体はカジュアルEDHの本質ではない、というか一部でしかないと私は思います。
有志の会ですと「ぷろすた会」というものに参加したのですがみんな楽しそうで盛り上がっているのはEDHが多くプレイされているから、ではないんですね。色んなフォーマットを持ち寄り、主催者の雰囲気作りやお店の好意など様々なものがあってあの会になっているなと感じました。

さらに言うならこういうパーティゲーム的なフォーマットはEDHだけではなく、アーチエネミーや双頭巨人戦、ブレインチェイスなど様々なものがあるので、EDHの専売特許ではない、と考えることもできますね。

そして皆が楽しんでもらう、ということを目的にするなら、「全員に見せ場を作る」「皆で一つの体験を共有する」ということ「だけ」を目的にしない方が良いと思います。それを目的に新たなルールを作ると却って窮屈になりますし、私が感じているカジュアルEDHの楽しさのいくつかは発揮できないので楽しくなくなっちゃうのではってなります。最もそういう考えのコミュニティには行かなければ良いだけなのですが。

ちなみに私がプレイヤーとしても創作者としてもそしてサウナ好きとしても尊敬している方のnoteです。以下引用になるのですが、
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『楽しいゲーム』は同卓プレイヤーのデッキやプレイ態度、ゲーム展開、そしてその場のコミュニティによって偶発的に、あるいはプレイヤーの努力によって生まれるものであって、構築とかデッキのレベルとかそういう話とは違うレイヤーのものだからだ。
(中略)
カジュアルEDHなる理想のゲームを追い求めるならば、その内容や心構えを規定するよりも、たくさんプレイしたり良いコミュニティで遊ぶなどしてその回に巡り合うのを目指すべきで、最高にカジュアルで楽しかったEDHは、その果てに半ば偶然発生するからたまらないのだ。そこにデッキレベルとかは関係ないし、事前のルールや規定で求めていくものではない。
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というところに深く共感を感じました。盛り上がりを意図的に作るのは想像以上に難しいです。というかカジュアルだとパワーカードが少ない分だれることも多々あり、そういうグダグダ展開が続いて楽しいと言えるかは疑問です。
ルール作りに関して言えば上記記事で触れられているように曖昧なものはすぐに破綻します。以上のことからカジュアルEDHのカジュアルな楽しさなるものを追求しすぎると運営者側の負担がとんでもないことになります。

もし冒頭の記事中の「楽しさ」を皆に求めてそれを最高と定義するのは、それはカジュアルEDHではない「別の何か」ではないでしょうか。「演劇」または「集合演習」それともTRPG的なですかね・・・?

2.本質その1、好きな統率者で勝って楽しむこと

種族王も軽脚で出ました!

前項で長々と記事に対する感想や意見を述べてしまいましたが、ここから私が考えるカジュアルEDHの楽しさというものを伝えたいと思います。

私がカジュアルEDHをやる理由、それは好きな統率者を活躍させて勝利に導くことが楽しいからです。なんだ結局勝つことが目的じゃないか、と思うかもしれませんが、負けても楽しい云々も勝利に近づいた何かがあってこそではないでしょうか。ちょっと脱線しますが手札キープしたら盛大に事故ってなにもできないまま(統率者を出すこともなく)負けた、というのは最高につまらないと思うので、何とか自分の好きな統率者を勝たせたい、というのは自然ではないでしょうか。

私は軽脚という統率者を長く使っています。この統率者はオーラをテーマにしているもので、メタゲームや環境に合わせて入れるオーラを調整したりすることができます。レベル感はレベル6くらいでぐだった7,8をワンパンで沈めることも可能というくらいの強さです。cEDHとか高レベル帯は厳しいですが、カジュアル帯の中だと結構な強さを誇ります。

にじまあるく先生のイラストがこれまたいいんだ

このように高レベル帯で活躍しにくい統率者を活躍させて勝つことができる、これはカジュアルEDHというものの魅力の一つではないでしょうか。
性能にほれ込む、問題児だけどそれを頑張って使う、イラストアドで選ぶ、誰も使わないであろうものを使うことで注目を集めるーーーーこのように統率者というのは統率者を通じて自己の欲求を満たす、そういうものでもあるはずです。統率者はいわば自身の分身、相棒、パートナー、スタンドーー解釈は様々ですがそれを十二分に活用して勝利を目指す、その過程で様々な展開が発生し、前述した盛り上がりが偶発的に発生するーこれが楽しいのではないでしょうか。

冒頭の記事ではパワーカードを入れることで今までの努力が無意味に感じられてしまう、ということを話しています。全くわからないわけではないですが統率者を活躍させるために必要なカードはできる限り採用したい、と考える派です。
軽脚ですが、様々なエンチャントや高コストのオーラをキャストするため、あるいは出し直しにマナがいるため、魔力の墓所や墳墓、モックスアンバーは採用しています。白単の統率者なのでランパンも一時的なマナ加速能力も乏しいため、きっちり戦うためにはここは妥協しません。
そしてオーラを大量に持ってくるのでブン周りのためニクソスだけでなくセラの聖域も入れています。また防衛能力についてテフェリーの防御みたいなカードだと心元ないため一つの指輪も入れています。
ただし、統率者の早出しは立ち上がりを狙われやすくヘイトを早々に集めてしまうため、宝石の睡蓮は採用していません。このようにパワーカードであっても統率者によっては入れ得ではない、そういう状況はカジュアルEDHという環境で往々に発生します。こういうパワーカードの取捨選択も醍醐味の一つと考えます。この辺の調整をミスると安定して3-4キルをたたき出すとかそういうことにもなりますが、その辺も含めて調整していく過程が楽しいですね。どなたかおしゃられてましたがパワーカードを入れてからの調整も奥が深くて楽しめるのです。

3.本質その2、カジュアル統率者ならではのカードを採用する

※晴れる屋のEDHオタクカード紹介で毎回爆笑してる

2と関係するのですが、超有名カードではないけど、限定的なシチュエーションで活躍する、この統率者ならではの唯一無二のカード、というのがあります。

どこからどうみてもバニラだがーー?

例えばこんなカード。EDHは多人数戦ということもあってタルモゴイフとかちょっとマナレシオが良いカードというのはあんまり採用されません。ましてや上記のようなバニラカードは採用されないのが普通です。
が、この「ドルイド」というところに着目してこれが最大限に活かせる統率者があります。それがこのシートン。

当時はドルイドが少なかった、だが今は違う!

これが出た当時はドルイドの種類がそこまでいなかったためこういうバニラであっても積極的に採用しています。今でも1マナのドルイドってだけで結構採用価値は高いです。このようにその統率者ならでは、っていうカードは数多くあります。

ヒサツ・ワザ、イヤーッ!!!

軽脚だとこんなカードがあります。直接貼ることもありますが大抵は4マナオーラからサーチしてきて急激にムキムキになります。これはオーラをいっぱい持ってきて張り付ける軽脚先生だからできる技ですね。


オーラなのに除去を?できらぁ!

必ず採用されるわけではないのですがこんなのもあります。効果は
「エンチャントされているクリーチャーが攻撃してブロックされないたび、それのコントローラーは他のクリーチャー1体を対象とする。そのプレイヤーは「このクリーチャーはそれのパワーに2を足した点数のダメージを与える」ことを選んでもよい。そうした場合、その攻撃しているクリーチャーはこのターン、戦闘ダメージを割り振らない。」というもの。構築や他の統率者ではほぼ見かけないですが、相手のシステムクリーチャーなどを恒常的に除去するために採用されることがあります。今までのは一例ですが、こういうこの統率者ならでは、のカードを採用するのは統率者の醍醐味ではないでしょうか。cEDHだと最適化するためにこういうカードの採用は抑え気味になりがちですが(部族カードは除く)、カジュアルだとこの辺の幅が広くて色々なカードに巡り合うことができます。

あとはこの環境ならでは、というカードも当然あります。カジュアルはクリーチャーが並びやすいので全除去を多めに取ったり、踏み倒し系が勝ちやすいのでそういったメタカードを入れてみたり、「カジュアル環境の中で勝つ」ための採用カードの取捨選択もこれは楽しいものです。

生贄、というところで破壊不能にも対応

4.モヤるカードの採用はこんなのでは?


スリヴァーでっきです!(統率者のみ)ってマジ?

むしろ私はパワーカードで今までの努力が・・・とかよりも例えば次のようなところにモヤりポイントがあると考えています。

例えば今あげた初祖スリヴァーというカード。これは部族ロードであり統率者としての人気もかなり高いのですが、いわゆる強いデッキはスリヴァーをほぼ採用していないものも多いです。

多分スリヴァーという種族が好きでスリヴァーで盤面を蹂躙したりコントールしたい、って人は、スリヴァーがほとんど入っていないでも強さを求めるとこうなるみたいなデッキはあんまり好きではないのでしょうか。


場に出なくても強い

あとここまで極端ではないですが始祖ドラゴンという統率者がいます。ドラゴンを採用するのですが、勝つためにコンボに寄せるとドラゴンの数は少なくなり、またお気に入りのドラゴンが採用できなくなる可能性も高くなる傾向にあります。この辺は人によってはcEDHよりもカジュアル帯の方が色んなドラゴンでわちゃわちゃできて楽しい!ってなるかもしれませんね。

共闘!(ただし赤白はカラーマーカー)

あとは統率者をカラーパイとして活用して様々な色のパワーカードを詰め込んでいるケースですね。まあブルース・タールはそこそこ出すことも多そうですが、あの高速環境で出せる暇があるのか・・・ってなるのは内緒。
まあ統率者がからまない即死コンボが多く、各色にパワーカードがあるならそれをできるだけ採用したいから共闘というメカニズムはやり得なのはわかります。デモコンタッサとかブリーチダイアモンドとか本当にいいかげんにしろよ・・・っていう気持ちは置いておいて、せっかく統率者をやるからには何とか統率者を出して活用して勝てたら最高って気持ちになりませんか?

こいつをカラーマーカーって呼ぶのやめろ出れば強いだろ、なお

5.まとめ

※パルンはこの人の動画のを参考にしてます。本当にわかりやすくてすげーんだ

長々とお気持ちを表明しましたが、統率者を楽しむには色んな卓、色んなイベント、店舗、大会で何度もチャレンジするのが最適解です。cEDHもやりたければ色々教えますよ的な催しがあるなら是非行ってみたいですね。

まあ2-4では大分私見が入ってますけどカジュアル統率者好きな人でも色んな考えがあるんだよっていうのを知っていただけたら嬉しいです。

結局EDHっていうのはカジュアルフォーマットなので気心のしれた友人とやるのが楽しむための最適解であるのは変わりません。でもコミュニティは永遠ではないしでも遊べるかは不確定なので、自分のレベル感にあった大会やコミュニティを探す必要があるのも事実です。

知らない人とのEDHはみんなバックグラウンドが異なるのでミスマッチが起きるのは当たり前です。そこでそれを埋め合わせるために卓を変えてみる、色んなレベルのデッキを用意する何度も参加してみて自分の資産や力の入れ方で戦える場を見つける、このようにしてみるのが一番です。
楽しませてもらう、という思考だけでなく自分が楽しむための努力も必要、そういう双方向的な流れがEDHというゲームをより楽しくするでしょう。

ここからは愚痴ですが、最近は統率者セットなるものがポンポン出るのでそこに採用されているカードをチェックするのが大変です。統率者専用セットはせめて再録中心にしてくれーたのむーってなります。最近だとつるむ面倒とかは軽脚に採用するかなってなりそうなので悩みます。こういうカードは在庫が限られるからすぐ品切れになったり値段の上り幅がえぐいんだわ。
あと指輪とか弓使いとかは買わないでいたらあんなことになってるので、環境を変えるパワーカードが新弾出るたびに異常なスピードで追加されるのは勘弁してくれ、ってなってますね。モダンホライゾン3はぶっ壊れの雰囲気しかしないし、モダンやパイオニア並みの頻度で環境変化がそこそこ起きるのはちょっと辛いなってなりませんかね?
まあ、軽脚はオーラカードや軽脚をソープロや告別から守るカードの採用を検討するくらいなので統率者としては安めです。これもカジュアル統率者ならではの良さではありますね。
そうなると本質その3は「限られた資産と熱の入れ方で勝利をつかめる」ということになるでしょうか・・・

今回のnoteは以上です。まあ色んなこと書いてみましたが今年も色んな大会に出てみて知見を深めたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。





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