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10年前に捨てた夢を叶えに行った

10年前に捨てた夢を叶えるチャンスが思いがけず巡ってきたから、行ってきたよ。
地球の裏側まで行ってきた。
国際協力ってやつ。

わたしが高校生だった頃、アメリカがイラクに攻撃を始めた。
世界中が注目した。
ニュースはそればかり報道した。
ちょうどロシアがウクライナを攻撃したときみたいに。
でも戦争で起きているのはそこだけではなかった。
世界中で戦争が起こり、人が死んでいた。
なんで戦争が終わらないんだろう。
わたしは本気で怒っていた。
大学に進学した頃は国連で働きたいと思ってた。

国連とか、国際協力とか
なんかちげーなと思い始めたのはいつだったか、もう覚えてないよ。
わたしは20代後半でその夢を捨てた。
諦めたわけじゃない。
諦めたというよりも、「なんかちげーな」と思った。
そこで働く自分を想像できなかった。
そこでわたしは、どんな能力を発揮して任務を達成するのか、想像できなかった。
だから応募すらしなかった。

でも去年の10月、「専門家として現地でセミナーの講師をお願いできませんか」って連絡が来た。
夢を捨ててから10年経ってた。
今の仕事はほら、この通り、国際協力とも途上国支援とも関係がない。
今回行ってもこの経験が、わたしの人生で何の意味を持つのかすらわからない。
単純に海外に行きたかったから引き受けただけだよ。
話のネタになるしね。
ワクチンを両腕に12種類打たれて、熱出して寝込んだとかね。
わたしは普通じゃないことをしたいんだろうな、きっと。

わたしの仕事は君たちに勉強を教えることだからね
こじつければ
勉強すればこうやって海外に行くことだってできるんだよ
世界へ羽ばたこう
みたいな話もできるよ。
でも、そんな話、聞きたい?

英語が嫌い
海外に行ったこともない
飛行機に乗ったこともない
そういう君たちにどんな話をすればいいのかな。

わたしの夢は国際協力だったのになぜか超理系特進クラスに在籍し、
理系の大学院で博士号を取得し、
就職の道があったのにそれを捨て、
常識で考えられる「普通」の選択肢を全て捨ててきた。

わたしは自分の人生が終わる日に後悔しないように生きたい。

そういう人間に言わせればね、
理系か文系かっていう選択で迷う子が多いけど
そんなことで悩む必要はないよ。

人生の枝分かれはそんなに単純じゃないから。

わたしはこの夏、片道2日かけて地球の裏側まで行ってきた。

日本にいた時のわたしは感傷的で考えすぎで頭でっかちだった。
でもね、日本にいた時に好きだった音楽を地球の裏側で聴いたらね、日本にいた時の自分を他人みたいに感じたんだよ。
太陽はこんなに明るいのに、わたしはどうしてあんなに思い悩んでいたんだろうって思った。
この明るい太陽の下で遠くから自分を眺めた経験が、きっと日本に戻った後もわたしを助けてくれると思う。

人生に正解なんてないよ。
あの選択をして良かったと思えるように生きていくだけだよ。

#あの選択をしたから

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