技術がブラックボックスを「開ける」可能性も存在

議論が単方向ではもったいない。技術により「暗黙知」を可視化し、コンプライアンスの枠組みに収めることも可能かつ喫緊ではないだろうか。のぞみの重大安全インシデントは、現場の「暗黙知」に基づく伝達や判断だけでは、大きな抜け穴があることを曝いた。また、従業員の高齢化や人手不足がリスクをより増大させる。

さらに、神戸製鋼所の偽造スキャンダルでは、(規制の合理性は別として)現場には基準を捻じ曲げる「暗黙知」が数代の社員間で「引き継がれていた」ことが伝えられている。

IoTとビックデータは、これらのブラックボックスに入っていたプロセスを可視化し、客観的な基準で判断することを可能にするのではないだろうか。例えば新幹線が異音・異臭を探知し、直接管制センターにアラートして運転停止の判断を仰いだり、部品や自動車の検査を全量センサーで行いことで定められた基準を厳守することなどが考えられる。

2011年福島原子力事故以来、日本では技術や統計に対する不信感が台頭している可能性がある。また、近来の「AI脅威論」が、さらに先端技術の好感度を下げている。しかし、だからこそより技術に関する議論を、多様な観点から必要があるのではないだろうか。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO25168070X21C17A2EA2000

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https://r.nikkei.com/article/DGXMZO23353850Q7A111C1EA6000

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO23353850Q7A111C1EA6000

https://comemo.io/entries/4277

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