minimum

長野生まれ、岐阜育ち。つくば、愛知を経て東京在住の29歳。音楽、読書、旅行が好き。 文…

minimum

長野生まれ、岐阜育ち。つくば、愛知を経て東京在住の29歳。音楽、読書、旅行が好き。 文章に関する仕事をしたいと画策中。 連絡先:i.miho143@gmail.com アイコンはカーリィさん@kaarii7678

最近の記事

まちの味

夕方、古本屋に寄った帰りに「THE商店街のお肉屋さん」でクリームコロッケと串カツを買った。 今日は在宅勤務で1日中家から出なかったものだから外の気温もわからず半袖Tシャツとサンダルで外出したのだが、思いがけず冷たい風に震えながら暮れかけている道を早足で歩く。昨日古本屋に紙袋2袋分の漫画や本を売りに行き、その査定が終わったと連絡を受けたからだ。 最近は仕事がとても落ち着いていて(言ってしまえば暇で)夜は手持ち無沙汰になる。どうしても残業をしない日の時間の使い方が上手くない。半

    • ままならないものたち

      ナイロンという素材は色落ちしやすいですからね、特にカーキやグレーといった淡い色は。 近所のクリーニング屋さんが教えてくれた。 2020年の春に買った、お気に入りの薄手のコートをクリーニングに出した日のこと。 本当は初夏にクリーニングしようと思っていたのに、うだうだと面倒くさがっているうちに次の季節になっていた。涼しくなってきて慌てて持ち込んだのだった。 ほら、こことか、少し赤くやけちゃってるでしょう。 指さされた先は確かに、元の色とは違ってしまっていた。 たしか3万円く

      • 先は見えないけれど、やりたいことが見つけられるうちは大丈夫だと思った

        4連休が始まって、わかりやすく浮かれている。 いや、2日前くらいからずっと浮かれていた。なんでこんなにワクワクしているのだと不思議に思うくらいに。 どこに行くでもないが、からっと晴れた夏の日に風を通した部屋でのんびりできるのはとても嬉しい。今住んでいる部屋は窓が大きく、空がよく見える。晴れた日こそ家にいたくなるのだ。 そんな浮かれた気分で、朝寝坊をし、汗をかきながらひととおりの掃除を終え、シャワーを浴び、昨日ノリで買った瓶入りのビールとそうめん、唐揚げで少し遅い昼食をとる。

        • my new gear…

          iPad Air4を買いました!ということで嬉しさのあまり勢いに任せて書き始めた。 起承転結もまとまりもない文章になること受け合いである。 これまで文章を書くときはいちいちパソコンを立ち上げていたのだが、あまりの起動の遅さと動作のもっさり感により、しばらく離れていたのである(というのは言い訳だ)。 ともあれ、今後noteを書くときはiPadを活用していくつもりだ(そして次パソコンを買うことがあったら絶対にCore i5以上のものを買うと心に決めた)。 本当はiPadよりも

        まちの味

          謎の劣等感(あるいは焦燥感)

          2月7日。ついにSnow Manのファンクラブに入った。 昨年9月初旬にはまってからこの方、ずっと入るべきか否か悩んでいて(ライブないからメリットはあまりないのでは、とか一度入ったら抜けられなくなりそう、とか)ついぞデビュー1周年のタイミングでも入会を見送ったのだが、今日何の気なしに晴れた空を見上げながら(私の部屋からは空しか見えない)動画をあさっていたら「もういいか、入るなら今日だ」と不意に思えてきてそのまま申し込んだ次第である。 推しがいる生活は楽しい。 ジャニーズは露

          謎の劣等感(あるいは焦燥感)

          2020年最後の日の日記

          昨日は1日中家に引きこもって寝たり起きたり、ときどきYouTubeを観たり…を繰り返していた。そんな日の翌日は静かで、快晴で、空気がキリっと澄んでいて、混乱の年の最後には穏やかすぎるような気すらした。 今年は転職して2年目ということもあり、なんとなくのサイクルや業務内容はつかんだうえで残業時間を減らしつつ自分のしたいことをしよう、と思っていたのだが、4月の想定外の人事により仕事・仕事・仕事の1年となってしまった。別にそれが悪いことではないのだけれど、あまりにも自分のために使

          2020年最後の日の日記

          朝の日記

          朝。 キャミソールで眠った方が冷え、暖かい布団を求めだす。 窓の外からは微かに蝉の声が聞こえるが、いつの間にかその存在が薄れていることに気がつく。 休日、しかも祝日の月曜日、の朝だというのに、悲しいことを考えた。 何の価値もない人間なんだな、と虚しくなる。 自己肯定感が低いのは、自己評価が高いからだと誰かのツイートで読んだ。 その通りだと恥ずかしくなった。 私はまだ、自分が何者かになれるのだと信じたいのだ。

          朝の日記

          暑い日の日記

          久しぶりに自分のためのおしゃれをした。 おしゃれと言っても、華やかなドレスやアクセサリー、ハイブランドの服を身に纏ったわけではない。 着ていると「夏だね」と必ず言われる総柄のシャツに、気に入っているユニクロのジーンズ、この夏買ったフラットサンダルといういかにも庶民的な服装だ。 私にとっての自分のためのおしゃれというのは、身支度の先に恋人とのデートや友人との食事を待たない、誰にも見せることのない日に時間をかけて身繕いをすることである。 普段とは違うアイシャドーの重ね方をしてみ

          暑い日の日記

          【日記】ひとりで働く日々に

          寒い。 先週末ようやく衣替えをしたというのに、この寒さはなんだろう。家の中だというのに靴下をはき(春~秋は大抵裸足にスリッパ)、薄手の毛布を脚にかけ、パーカーのフードをかぶりながら仕事をしている。 昨今の疫病の影響により4月初旬から在宅ワークをしているが、なんとなくそれにも終わりが近づいてきている。集中力の続かない私は仕事の合間に洗濯や掃除をし、気を紛らわせながら日々過ごしているのだが、それは思いのほか生活が整った。ある程度残業していても、部屋がきれいで概ね家事は終わってい

          【日記】ひとりで働く日々に

          【日記】生活にみえるもの

          朝7時30分。換気のために窓を開け放す。上の階か、隣の部屋かはわからないが、どこからかテレビのニュースの音とトースターでパンを焼く音が聞こえてきた。 ああ、これは紛う事なき「生活」だ、としみじみ思う。自分では出さない音たち(ニュースは見ないし、トースターも持っていない)に、他者の生活を垣間見る。こんなに近くで、自分以外の人間が日常生活を送っている。 これは何か知っている風景に似ている。自分が出さない音が、同居している風景。 それは実家の朝の様子だったか、一時期恋人と暮ら

          【日記】生活にみえるもの

          【日記】4月11日に思うこと

          家を売る仕事をしていた頃、お客様と契約を交わす際に必ず契約約款を読み上げていた。何条もある約款の中に「天災、疫病等誰の責めに帰す事も出来ない事情が発生した場合は~」といったような条項があり(もちろん、詳細は覚えていない)、それを読み上げるとき「疫病ってなんでしょうね、インフルエンザとか?まあよっぽど無いとは思いますけど……ハハハ」なんて冗談のように言っていた。 今まさにその「疫病」によって生活が大きく変わってしまった。幸いなことに体調にも変化はなく、仕事は在宅勤務になり、直

          【日記】4月11日に思うこと

          【日記】都心の緑は心を洗う

          東京に住み始めて初めての秋、冬だ。 私はどうやらこの季節が好きなようである。 一時期は映画館や美術館によく行ったが、最近はもっぱら自然を求めている。 私が山生まれ田舎育ちだからかもしれないが、心がささくれ立つと自然に身を委ねたくなるのだ。 ここ一か月は、小石川植物、井の頭公園、代々木villageに足を運んだ。 あとは会社の屋上。手軽に緑と風を楽しめていい場所だ。 もちろん買い物をしたりお酒を飲んだりして解消できるストレスもあるが、一番手っ取り早く自分の機嫌を取るに

          【日記】都心の緑は心を洗う

          掌編 虫を産む女

          掌編 虫を産む女  目をカリカリと爪の先で掻いて、目頭に溜まる目やにをそっと取る。ぺたりとした小さなそれは、マスカラやアイシャドウが乳白色と混ざって小さな虫みたいだ。無表情のまま鞄の底でくしゃくしゃになっているポケットティッシュを取り出し、生み出したばかりの虫をこすりつける。ふと爪に目を落とすと先端のマニキュアが欠けていた。せっかく美しく装っていても、爪がこれでは台無しだ。もうこれからの予定を楽しめる気がしない。一秒ほど見つめ、諦めたように鏡に視線を戻す。虫を拭ったティッシ

          掌編 虫を産む女

          なかなかし夜をひとりかも寝む

          風邪が治らない。 かれこれ一週間以上風邪の症状に悩まされている。特に喉の調子が悪く、ここ数日まともに声がでなかった。あまりにも長引くものだから、昨日などは思い切って会社を休み、一日中ごろごろしていたほどだ。 風邪などというものは、はじめの症状さえうまく押さえてしまえば2~3日で治るものだとばかり思っていた。おおよそ私の風邪のパターンというのは、頭痛か喉の痛みだから、それを察知した段階ですぐに栄養ドリンクとビタミン剤、生姜などを摂取し極力たくさん眠る。そうすれば大抵翌日か翌

          なかなかし夜をひとりかも寝む

          水辺で遊ぶ鴨を眺めて

          日々、生活に追われている。 朝起きて、お腹を満たすだけのお弁当を作って、電車に揺られて、仕事をして、帰って家事をして、早々に眠る。 そんな毎日を繰り返していると、ついつい生活の中の楽しみを忘れ、鬱々とした気持ちを背後に忍び寄らせてしまう。 ただ時々はっとして、自分のご機嫌をとろうと焦り出す。 幸いなことに、私は比較的自分の機嫌をとることが得意な方だと思っている。 風を浴びること、自然の音を聞き何もしないこと、コーヒーを飲むこと、自然体で楽しんでいる人々をみること。 た

          水辺で遊ぶ鴨を眺めて

          ただの日記

          普段こよなく睡眠を愛している私だが、眠れない夜もある。 何か悩み事があるとか、床を共にする相手がいるとかそういうわけでは全くない。純粋に昼近くまで寝ていたから体内時計が少しずれているだけだ。 近頃は毎週土曜日が睡眠の日となっている。 ひたすら眠り、夜になってから外出する。 幸いなことに東京は夜も賑やかだから、取り残された気持ちにはならない。 でも、こんな生活を続けていると、日常のいろいろなことを忘れすぎてしまう気がしている。 蟲師という漫画のなかに、たしか記憶を食う蟲が出て

          ただの日記