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「成功なんてしなくてもいいじゃない」という母の言葉が気付かせてくれたこと

子どもが少し大きくなってくると、この子に将来どんな人間になって欲しいか、そのためにどんな教育が必要かということを考えるようになる。

子どもを出産する前は「元気な子どもが生まれてきてくれさえすれば」と思っていたはずなのに、生まれた我が子をみたときには「元気に大きくなってくれさえすれば」と思っていたはずなのに、不思議なものだ。

将来は大学には行って欲しい。
できれば海外に飛び立って、グローバルな人間になって欲しい。
好きな人と結婚して幸せな家庭を築いて欲しい。
エトセトラ、エトセトラ…


先日、母が我が家に遊びに来たときに、子どもたちについつい多くを望んでしまうという話をした。
「本人が幸せであればいいと思いつつ、つい成功して欲しいって思っちゃうんだよね」
そのときの母の言葉は「あら、成功なんてしなくてもいいじゃない」というものだった。

ハッとさせられた。
わたしが「我が子に成功した人生を歩んで欲しい」という気持ちを持っているのは、成功者への憧れによる自分のエゴなのではないか。
自分の考える「成功」をただ子どもに押し付けているのではないか。

口では「本人が幸せであれば、それでいいじゃない」「自活して生きていければ、それで問題なし」などと言っているのに、我ながら身勝手なものだ。


親ができることは、子どもが幸せに生きていける基盤づくりのお手伝いだ。
そして、母はわたしが「幸せでいること」を望んでいるけれど、別に「成功すること」を望んでいるわけではない。
これが、どれだけ幸せなことか。

成功するかどうかは、本人の努力次第。
そして成功することが本当に良いこととも限らない。
もしも我が子が成功を望むのであれば、親としてサポートをしてあげたいと思う。
けれど、成功を押し付けることは親の仕事ではないのだな、と。

母の何気ないひと言は、わたしの子育ての指針のひとつとなった。
本当に、母には親としてまだまだかなわないなと思う。



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