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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第15問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
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問題

78歳女性。腰痛、嘔吐を主訴に救急車で搬送された。
現病歴:昨日の夜から間欠的な右腰痛を自覚していた。今朝起床時に痛みが強くなり、嘔吐も出現し、動けなくなったため救急車を要請した。
現症:意識レベルはJCSⅠ-1。身長158cm。体重55kg。体温36.9℃。脈拍90/分、整。血圧100/74mmHg。呼吸数16/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。右腰部に叩打痛を認める。腸雑音はやや減弱している。四肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:黄褐色でやや混濁, 比重1.020. pH5.5, 蛋白+, 糖(-), 潜血3+, 白血球-

1. 血液検査の結果が出る前に追加検査を行うこととした。まず行うべき検査はどれか。

a:腹部造影C T
b:腹部単純C T
c:心電図
d:胸部エックス線検査

2. 全身状態を安定させるために生理食塩水を輸液した。追加して投与すべきなのはどれか。

a:カルシウム拮抗薬
b:アドレナリン静注
c:β遮断薬内服
d:NSAID座薬

≪この下は正解・解説です≫






解答

1. b:腹部単純C T
2. d:NSAID座薬

解説

1. 現病歴、現症から尿管結石を疑う症例であり、腹部単純C Tを行う。造影CTに関しては、腎機能がわからない上に高齢者でまず行うものではない。エックス線検査は行ってよいが、行うとすれば胸部ではなく腹部から腰部にかけての撮影である。腎臓・尿管・膀胱を含む単純撮影をKUB(Kidney, Ureter and Bladderの略)と呼ぶ。また、心音やリズムにも異常がない状態で心電図をまず行う必要性はない。実臨床でも妊娠の可能性のある女性以外にはエックス線検査や単純C Tは比較的ハードルの低い検査である。

2. 尿管結石の痛みに対しては、即効性があるNSAID座薬(ボルタレン®️)を投与する。アドレナリン静注は心肺停止時に考慮する。β遮断薬は高血圧や頻脈などに対して使用するため本問では不適。同様にカルシウム拮抗薬も血圧を下げる効果や、狭心症の予防などにも用いられる。なお尿管結石の痛みは尿管の圧が高まる早朝に起きやすいことは知っておいて損はない。ここ数年の国試で座薬が問題のテーマになった臨床問題はないため、予想として出題させていただいた。

116C63 参考

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