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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第17問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
第117回の医師国家試験委員になった先生方の専門や論文等の情報を元に作問しています。ぜひチャレンジしてみてください。
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問題

50歳の男性。東南アジアに出張していた。出張中の生ものの摂取や、シックコンタクトはなかった。直近の性交渉歴もない。虫刺され予防はしていなかった。帰国1週間後から発熱と悪寒を自覚し、受診した。意識は清明。体温38.1℃。脈拍102/分、整。血圧124/62mmHg。SpO2 95%(room air)。血液所見:赤血球312万/μL、Hb 10g/dL、Ht 31%、白血球10,500/μL、血小板9万/μL。血液像で赤血球腫大と輪状体を認める。血液生化学所見:総蛋白8.0g/dL、アルブミン3.7g/dL、尿素窒素20.0mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、AST 40U/L、ALT 44U/L、Na 136mEq/L、K 3.5mEq/L。CRP 3.3mg/dL。胸部エックス線写真で特記すべき所見を認めない。腹部CTで脾腫を認める。
この疾患に対する治療薬として、最も適切なのはどれか。

a:クロロキン
b:セフトリアキソン
c:バンコマイシン
d:アトバコン+プログアニル


≪この下は正解・解説です≫







解答

d:アトバコン+プログアニル

解説

東南アジアへの出張歴があり、虫刺され予防はしておらず、昆虫やダニの媒介感染症が鑑別にあがる。帰国1週間後に発熱しており、貧血・脾腫を伴っており、血液像で輪状体を認め、マラリアを考える(有名な熱発作は発症初期の時点では当然だが分からない)。ちなみに、赤血球が腫大しやすいのは三日熱マラリアと言われる。三日熱・卵形・四日熱マラリアは緩徐な経過だが、熱帯熱マラリアは重症化しやすく注意が必要である。

a:誤り。クロロキン耐性マラリアが増加しており、用いられなくなってきている。
b:誤り。グラム陰性桿菌などに広くスペクトラムを持つが、マラリアでは使用しない。
c:誤り。耐性菌を含めたグラム陽性球菌にスペクトラムを持つが、マラリアでは使用しない。
d:正しい。アルテミシニンを基軸とする併用療法やメフロキンも検討される。

参考文献:
日本の旅行者におけるマラリア予防の現状.国立感染症研究所感染症情報センター HP
マラリア Malaria.厚生労働省検疫所 FORTH HP
マラリアについて (ファクトシート).厚生労働省検疫所 FORTH HP


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