創造的会議の科学__4_

「ブレストは効率が悪い」を回避する方法

■要約
・対面・6人以上でのブレインストーミングは効率が下がる
・参加人数が多い場合は、下記の方法で効率の低下を防止する
  - 個人作業の時間を設ける
  - 6人未満のチームに分ける
  - オンラインツールを用いる

■本文
こんにちは。minmeeting伊勢川です。

Syracuse大学の800チーム以上を対象とした実験によると、対面によるブレインストーミングは、6人以上のグループになると、個人でバラバラにアイデア出しをした場合よりも、質・量ともに劣る傾向だったそうです。

この結果を受けて、ブレインストーミングは効率が悪い、意味がない、やるべきでないと結論づけるのは早計で、みんなでアイデアを出すことでできる一体感やノリは捨てがたいものがあります。そのため、効率が悪いことが実証されてからも、多くの企業でブレインストーミングが実施されているのでしょう。

では、効率を下げずにブレインストーミングをやることはできないのでしょうか?

大人数のブレインストーミングで効率が下がる原因としては、人数が多いと一人ぐらいサボっていてもわからない、大人数の前で意見を述べるには心理的な不安が高まる、人数が多いと意見が平均に回帰する、他の人が発言している間に喋れず結果として数が限られるなどが挙げられています。

つまり、6人以上でブレインストーミングをやるときには、これらの原因を取り除くような工夫が必要です。例えば、下記のような工夫があります。

1. 個人作業の時間を設ける
個人作業の時間を設けることで、サボりづらい状況をつくります。また、いきなり議論し始めるよりも、個人で頭の中を整理することによって、より質の高いアイデアが出るようになります。

2. 6人未満のチームに分ける
6人未満のチームに分けることで、いきなり大人数の前で意見を言わなくてよい状況を作り、心理的な不安を軽減します。

3. オンラインツールを用いる
チャットなどオンラインツールを用いたブレインストーミングであれば、他の人が発言している間にアイデア出しが止まる必要がなく、人数が増えてもパフォーマンスの劣化は少なくなるとの報告もあります。

このような工夫をすれば、ノリや一体感を持ったブレインストーミングを効率よく実践できるでしょう。

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■参考文献
Why Group Brainstorming Is a Waste of Time (Harvard Business Review)
https://hbr.org/2015/03/why-group-brainstorming-is-a-waste-of-time

Why Brainstorming Works Better Online (Harvard Business Review)
https://hbr.org/2015/04/why-brainstorming-works-better-online

Productivity Loss in Brainstorming Groups: A Meta-Analytic Integration (This research has been conducted by a number of researchers at Syracuse University for more than 800 teams)
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1207/s15324834basp1201_1?journalCode=hbas20


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