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名古屋港水族館


2022年11月中旬

名古屋港水族館はこれで2回目の来館となる。前回はなんと2017年8月。もう5年も経っている事を写真を遡った今になって知り、時の流れに恐怖を隠せない。
流石にもう細かい記憶はないのだが、しっかりと覚えているのは以下の2点。

  • ペンギン担当の飼育員さんたちがイケメン揃い。

  • イルカ達にちょっかいをかけられたシャチ、大プールに出れず。

特に述べたいのは2点目。シャチの公開トレーニングを見るべく、ショーなどを行う『メインプール』に行くも、このようなことをアナウンスされたのである。結果、奥のシャチプールから出ないままモニター越しの鑑賞となった。
シャチがそこまで繊細だったのかという事と、イルカってそんな事するのか、という衝撃が二重に襲い来る。海の王者たるシャチがイルカごときに尻込みするのか。イルカは喜楽しか持ち合わせないようなハッピー野郎のイメージなのだが、シャチ相手に何をしたのだろうか。

そんな思い出の残る名古屋港水族館だが、東山動植物園の時と同様に連れから聞かされたのは『面積日本一の水族館』。前回訪れた際の所要時間などからそんな印象はなかったのだが、巨大水槽がどーん!という感じの作りなので体感としてそう思ったのかもしれない。
なおWikipedia曰く"延床面積"のランキングとしては、続く2位が海遊館、3位は鳥羽水族館との事。知らぬ内に上位3位を制覇していた事を今知る(笑)。

※訪問から記事の完成までかなりの期間が空いてしまい、細かい事をもう覚えていません😣

イルカとシャチ

名古屋港水族館でいいなぁと思うのが、目玉であろうイルカとシャチが真っ先にどんと待ち構えている点である。”最初からクライマックス”という言葉がまさに当てはまるだろう。その見応えある大水槽、イルカやシャチの性質上こちらを意識したかのような動きに人が集まるのも無理はなく、初っ端から人集りが出来てしまうのは賛否あるかもしれないが。
当方、関西出身であるためシャチと言えばアドベンチャーワールドという印象で、「お~るうぇ~いとぅーぎゃざ~♪」が同時に再生されてしまうのだが、今はもうシャチが見れるのはこの名古屋港の他には鴨川シーワールドのみとなった。

公開トレーニングの様子。

さて、ここにはシロイルカも居るのだが、当水族館では何故か頑なに『ベルーガ』と表記されている。その拘りようが何故なのか気になるのだが、どなたかご存知だろうか。
愛嬌のある顔つきや、一時期は何だったかのCMに起用されていた事もあり人気を博するベルーガだが、個人的にはあまりにもぬるっとしていて好きなれなかったりする。何故かはわからないが、イルカには背びれがあって欲しい(なおベルーガをイルカとするかクジラとするかはわからない)。

鯨偶蹄目

イルカやシャチの大水槽の奥には、きっと流し見される事が多いであろう学術的なコーナーが広がる。陸棲哺乳類だった祖先から水棲になっていく様を化石や再現イラストを交えて解説されていたり、分類系統の話がされていたりする。
クジラやイルカという生き物が哺乳類だと知った時の衝撃は、皆に一度は訪れるのではないだろうか。それだけに飽き足らず、なんと偶蹄目…すなわちウシの仲間に含まれるというではないか。どんな研究したらそんな事がわかるんや…。
気軽にずっと偶蹄目という呼称を用いて来たのだが、いつの間にやら鯨偶蹄目というのが正確であるとされていたようだ。

ツバメウオ

ここから、連絡通路を渡って南館エリアとなる。イルカ・シャチ・ベルーガで北館全てを使う贅沢ぶり。北館は1階不在の2階と3階という作りで、2階で南北が繋がっている。順路が2階から始まる仕様だ。
黒潮大水槽と称する、イワシの魚群が楽しめる水槽を皮切りに、日本の海で見られる生物の展示が始まる。皆大好きトンネル水槽があるのもこのエリアだ。
好きな魚の一つにホウボウというものがおり、胸鰭を開いて立つようなポージングで底に佇んでいるのだが、その開かれた胸鰭が地味な体色に反して輝くメタリックブルーという、なかなか情報過多な魚だ。そもそも胸鰭で立っている段階で”変な魚”であるのは間違いない。そんなホウボウがファンサービスと言わんばかりにメタリックブルーの胸鰭を開いて魅せるものだから、連写するのは必然である。
そうしていつも通りマイペースに歩みを進めて出会ったのが、ツバメウオという魚だ。なんだお前その邪魔でしかない鰭は…!!

生き方として不器用が過ぎる…。

残念ながらこの写真しかなく、これがどのツバメウオなのかの情報は持ち得ていない。前回よろしく飼育動物検索で見る限り、名古屋港にはツバメウオもミカヅキツバメウオも存在するようだ。
なんとか種の同定をすべく調べる内に、私のとんだ勘違いが発覚した。これはあくまで幼魚の姿だと言う。成長と共に伸びるんちゃうんかい……!
この奇妙な魚との出会いはきっとここが初めましてではない筈だが、この日をきっかけに私はツバメウオという存在をしっかり認識する事となる大事な出会いだった。

深海コーナー

名古屋港水族館において特筆すべきは、深海コーナーを大きく採ってある事だろう。雰囲気作りから成され、テーマパークじみている。昨今の洒落たアーティスティックな水族館ではあまり見なくなった、とにかく知識を与えてくれる平成初期っぽさの溢れ出るパネルが、最早愛おしい。(訪問当時、30周年記念の真っ只中であったため、当館の開業はまさに平成初期である。)
ラインナップとしては特にコレという風に挙げるものは……と思ったが、これは恐らくあちこちの水族館に行き過ぎているが故の感想なのだろう。言い換えれば、あちこちで数種ずつしか見られない深海生物がこの一軒で見れると言う事だ。
待った、カイロウドウケツなんかは他で見ていないような気がする…!
(なお筆者は博物館にも好んで出入りするため、記憶にあるそれが生きたものか剥製なのかの記憶はあやふやになりつつある。)
生き物の展示だけでなくジオラマと3Dホログラムを利用した解説ムービー?もあり、より知識を深めながら2階から1階へと降りる順路だ。

シノノメサカタザメ

南館の3フロアを貫いた大水槽は、1階であれば半トンネル状となっており、頭上を泳ぐエイなんかも楽しめる。
ここにはシノノメサカタザメという、口が縺れそうな名前のサメと見せかけたエイがいる。そもそもサメとエイは近縁であるが、上半身はちゃんとエイなのに対し下半身がサメっぽい。そもそもシノノメサカタザメが属するノコギリエイ目が、サメのような背鰭と尾鰭を有する。ちなみにサメとエイの相違点は、エラの位置が身体の側面か腹側かという大変わかりやすいものである。
さてそんなシノノメサカタザメだが、1階に彼女の新聞記事が張り出されている。水槽内にいた有毒フグを餌と一緒に飲み込んでしまったらしく、九死に一生を得るというドジっ子エピソードだ。飼育員からしたら大変にヒヤヒヤした事件だとは思うが、その頑張りによって今もなお悠々と泳いでいる姿は感慨深い。

生きたサンゴ水槽

水族館といえば、熱帯の色鮮やかな海底を模した、目にも楽しい水槽というイメージではないだろうか。某アニメーション映画で一気に知名度を上げたカクレクマノミやナンヨウハギなどを始めとする、黄色だ青だと派手な色が飛び交う。
実はその水槽に広がるサンゴなのだが、多くは作り物だったりする。それ程までにサンゴの飼育は難しいのだ。筆者は哺乳類と鳥類の飼育には慣れているが、水槽の類は専門学校でのカリキュラムとして触った程度だ。冷静に考えて”水槽の水”という同一環境において様々な生物を一緒くたに飼おうというのが、如何に高レベルかと想像する。考えすぎだろうか。
やや話がズレたが、その飼育が難しいサンゴを生きたまま使用した水槽が当館には存在する。圧倒的色彩に、来館した人々の目が輝くのがよくわかる。
スマートフォンで撮影した写真では限界があるため、是非とも実際に見に行っていただきたい。

ウミガメ

当館はウミガメも沢山いる。円形の水槽をグルグルしているのだが、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの見分けに随分と苦労した。ちなみに今はもう見分けられない(笑)。カメ好きの友人に訊いた時は、顔(の模様)を見ればわかると即答され、興味の違いか…と思い知らされた。
このウミガメ達も居る南館の2階にレストランがあり、我々もこちらで昼食を摂る。

シワヒモムシ

2階から3階へ貫くウミガメコーナーを抜けると、オーストラリアにまつわる展示が始まる。ノーザンバラムンディというアロワナの近縁種、ハイギョ、スッポンモドキといった大型生物が並ぶ。残念ながら私には見慣れた連中であったためサラリと流され、続く南極エリアへ。
さぁ南極と言えばペンギン!と言いたい所だが、まずは来館当時の30周年記念企画で『名古屋港水族館のスタメンたち』というPOPが至る所にあった事を紹介しておきたい。このスタメン達の凄い所は、スタートメンバー…つまり飼育開始日であって生年月日ではない点だ。30歳を超えているという事である。
そんな栄光あるスタメン達の中にとんでもないものがいた。ヒモムシだ。本人を撮影したとて後から見ても「何だこれ?」としかならないと思い、実物は撮っていない。

飼育員も認める気持ち悪さ(笑)。

当館が抱えるシワヒモムシ以外にどんなのが存在するのかな、と軽率に検索した私だが、正直あまりお勧めはしない。こんな生き物が地球には居るんだな…wonderful…という気持ちになれる人だけ検索してほしい。

コウテイペンギン

さて、気を取り直してペンギンコーナーへ。
正直ペンギンというと水族館でも動物園でもよく見られるため、可愛いとは思うものの随分と興味が薄れてしまった。活発に動いていると、その鈍くさい動きや同居生体とのコミュニケーションなどは見ていて楽しい。
ただ一口にペンギンと言っても、多様な種を内包している。そもそも生息地が違えばその生態はかなりの違いが出るのだ。先ほど「よく見る」とは言ったもののそれはフンボルトやケープといった低緯度に生息するグループであり、高緯度となると話は変わる。
そう、そこで引き合いに出したいのがコウテイペンギン。その名と灰色の幼鳥時代が大変有名であるが、実はその生きた実物が見られるのはこの名古屋港水族館とアドベンチャーワールドの2軒のみである。私もさっき調べて知った(ドヤ)。
南極といえばペンギン、みたいなイメージがあるのは私だけではないと思うのだが、実際に南極で繁殖を行うのはこのコウテイとアデリーだけらしい。知らんかった。近海の各島々を含めると、当館でコウテイと共に同居しているジェンツーやヒゲの他、オウサマやイワトビといった種が入ってくるそうだ。
ちなみにペンギンにおける体の大きさは、1位から順にコウテイ、オウサマ、ジェンツーである。名古屋港水族館について語る記事でこのような事を言うのは憚られるが、こちらにはオウサマペンギンは居ないため、その3種を一気見できるのはアドベンチャーワールドのみである。

ヒゲ、アデリー、コウテイの3種。ジェンツーは写り込まず。

ナンキョクオキアミ

正直に言おう。こやつの存在は一ミリも覚えていない。ただ名古屋港水族館を調べながらこの記事を書いているのだが、入ってきたこの情報は避けて通れない。
世界で唯一このオキアミを常設展示し、世界初の繁殖にまで至っているという。
オキアミと言えば、色んな生物の餌になっているエビっぽいプランクトンな、という感覚でつまり個体数だけで言えばかなり多いという事なのだが、人工環境下で管理維持となると話が違うようだ。
次回また当館へ訪れる際はこちらの情報を得るよう、自身への宿題としてこの記事に残しておく。

クラゲ

皆大好きクラゲコーナー。クラゲが漂っているだけで一気に幻想的な雰囲気にさせる。私も好きは好きなのだが、ペンギン同様に見られる施設が多いため、ミズクラゲくらいだと「おk」という具合に流し見してしまう。勿論そ
の展示に工夫をこらしたものは多いが、色彩豊かなライトアップがされたミズクラゲよりは、自分で勝手に輝いているクシクラゲ類に目を奪われがちだ。
さて、そんなクラゲコーナーにおいて私の写真フォルダに残るのは、まさに色彩豊かなライトアップがされたミズクラゲと、自分で勝手に輝いているカブトクラゲ、そしてめちゃくちゃ小さくて可愛いサカサクラゲ達の3種のみと来たもんだ。そしてその手持ちの写真以上の記憶は私自身にはもうない。
…次回の課題だ!(逃)

水槽の大規模っぷりはさすが名古屋港。

最後に

実際の訪問から記事の完成まで随分と空いてしまった兼ね合いで、写真から呼び起せる記憶と完全に消えた記憶があり、面積日本一を誇る水族館のレビューとしては些か情報不足が否めない結果となってしまった。
また、文中でも何度か言ったように、オーソドックスな動物については興味が薄い傾向があるため、余計に記憶から削げ落ちやすいようだ。レジャーの参考になるような、万遍ないレビューをお求めの方には向かないと改めて実感する。
幸いにも名古屋は日帰り可能な距離なので、また訪れる事があるだろう。その時にまた。

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