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風力発電、みんな何を思うのかな?

みんなの飯高、では(仮称)三重松阪蓮ウィンドファームで沢山の方から寄せられた意見をご紹介していくのですが、その前段階として、風力発電と聞いて、一般にどんなイメージがあるのかふりかえってみます。

世の中いろんな立場の人がいて、それぞれの情報源があり、暮らし方も大事にしているものも異なります。人は身近な5人からの影響でできているので、普段通り暮らしていると異なる立場の人の話を聞く機会もあってないようなものですが、シンプルな意見をざっとふりかえることで自分はどう思うのかのヒントになるかもしれません。

それでは沢山の方に登場(疑似です)していただきます。

①地元の人その1 なんや大きな風力発電所できるんやってなぁ。ええ話なんやろか。人増えてにぎやかになるんかなぁ、このさびれた地域に景気のいい話やったらええな。でもどんな話なんかよくわからんな。誰かよー知って人おったら教えてほしいわぁ。

②市街地の人その1 山奥に風力発電所できるん?今はやりのエコ電力ってやつやんな?太陽光パネルがどんどん増えていくのはなんかいい気持ちちゃうけど、山奥の風車やったらええかもな。普段は見えへんかったら気にもならへんし。まあせっかくやでできたら見に行ってみよ。

③元気な子供の親(地元) 風力発電かぁ。それ自体はいいとも悪いともよくわからないけど、大きな工事になって、交通量がすごく増えるんは心配かも。山に道つけてコンクリート埋め込んで大きな風車建てるって誰か言ってたな。そんな大きいもの積んだ車がうちの前も通るのかな。交通量少ないから子供が遊ぶ時も助かってるのに大きなトラックとかバンバン通ったら怖いな。そんなこと言ったらいかんのかな。地面ぐらぐらせんやろか。

➃地元の人その2 風力発電所やってなぁ。あれ、近くやと音するんやろ。眠れなくなったり頭痛くなったりするって新聞でみたことあるわ。もうただでさえばあちゃんに夜いつ起こされるかわからんでしんどいのに、余計眠られへんくなるのはかなわんな。遠かったらいいんやろけど、地図見たら、けっこう近くない?これ大丈夫なん?まあこんな険しい山に道つかんし大丈夫やろ。え?計画進んでるん?困ったことになりそうやねぇ。

⑤行政その1 風力発電所ができて、その事業者も市に事務所を置いてくれるとなると、税収アップ。雇用の機会も増えて市民にもメリットがある。過疎地域をいまのまま置いとくより余程経済効果がある。それにクリーンエネルギーでイメージアップ。工事で仕事も増えたらなおいいという見方ができる。書類も滞りなく整えられているかな。

⑥行政その2 自然を売りにして地域活性化を進めてきたのに、急に方向転換やなぁ。国策ってことやし仕方ないのかな。でも移住促進とかしてきたけど両立するんやろか。国立公園としての環境保全も言われてきたけど、電力の方が大事なんやろか。個人的にはなんか混乱する計画やけど、書類を見て必要な仕事を進めなければ。

⑦登山愛好家 あの美しい山を削って風車を建てる?! 絶対絶対やめてほしい。土地持ってるわけでもないし登りに来るだけとはいえ、ずっと癒しの場所としてたくさんの思い出があるこの辺りの山がボコボコになる?! あんな険しくて珍しい生き物が多くて深い山になんで発電所?原生林もあって壮大な眺めが台無しになる。これは大変な話。仲間に伝えないと!

⑧市街地の人その2 友達がいることもあってあの地域ときどき行くけど、ほんと街とは違って喧騒を離れて癒されるところなん。そこに開発なんて残念やし、なんとかできないかな。電力作るのって山奥でせないかんのかな。メンテナンスも大変そうやし、壊れた時のこと考えても、奥地でせんほうがいいと思うんやけど、どうなんかな。

⑨地元の子供 ここは自然ばっかりで何にもないところやけど、そこが好きで楽しく暮らしてるのに、どうしてここに風力発電所を建てなければいけないのか理由がわからない。山の獣が住処追われると降りてくるって。もう子供だけでは出歩けなくなるのかな。畑の野菜もいまよりもっと荒らされるのかな。地域の人みんな一所懸命育ててるのに。いつも遊んでる川の水も汚れるのかな。なんかあまりいいことない気がするけど、なんで作るんやろ。

⑩山の持ち主その1 山が金になる願ってもないチャンス。先行き考えても資産は返金しておきたいもの。誰に文句言われることでもない。

⑪山の持ち主その2 何十年、何百年先を見据えて手入れしてきた山。確かに昔ほど利のいい仕事ではないけれど、山を知りもしない街の業者に売るのは抵抗が大きい。風車の耐久年数は20年らしい。20年後生きているかはわからんが、20年後負の遺産になるものを山に残すのは避けたい。

⑫地元の人その3 山の持ち主さんの気持ちは痛いほどわかる。苦労してきたこともよー、知っとる。ええ話聞かされて、今までの話も聞いてもらって、自分がその立場なら賛成してもおかしくない。ただ、今は遠く離れてしまってるけれど、子供ら孫らのこと考えると、この地域は自然豊かなまま残しといてやりたいな。なんもないで街へ行っとるんやけど、帰ってきたらホッとした顔するんさな。自分らだけの自然とちゃうでな。

⑬故郷を持つ人 今は離れているけどとてもとても大切な場所。変わらぬ自然が出迎えてくれるものと思ってた。あの川があの山が崩れるなんて、そんな計画思いもよらなかった。同窓生らは知ってるのかな。

⑭遠くの町の人その1 風力発電って今利回りどのくらいだったかな。養生風力じゃなくて陸上風力?しかも工事費すごいかかる話よね、これ。日本の山の風って向きも安定しないし、欧州モデルそのまま持ってくるのだとビジネスとして弱いように見えるな。ここの投資はないかな。

⑮遠くの町の人その2 私の故郷も同じ話があって、子供の頃遠足で行った山が削られてしまった。計画が進んで気付いたときは遅くて止められなかった。友達のお母さんら頭痛で苦しんでてほんとに胸が痛む。同じ話をもっと大規模にやるってどうしてなのかな。確かに電力は頼って暮らしてるけど、消費が多いのは街なんだったら街で作ってほしい。

以上15の立場で声を挙げてもらいました。

他にも土砂崩れを心配する声、資本が外資であることを疑う声、稀少生物を心配して居ても立っても居られない声などいろいろあります。

同時に、いろいろ言う人はいるけれど、自分の声を挙げる必要はないと思っている人も多くいます。間違ったこと言うのは余計不安だし、誰かなにかしてくれるんでしょ、と待ち姿勢のまましかやりようのない人も。「だってよくわからないもん」が心の声なのかもしれません。

「みんなの飯高」にもいろいろな人がいます。山に道をつけた経験のある人も事業の進め方に興味のある人も、身近にオオタカを見たことのある人も、狩りをしたり漁をしたりする人も、いろんな人の話を聞くのが好きな人も、ただただ生き物が好きな人も。何が正解かはわからないけれど、たくさんの人が自分の想いをもってつながっていくことが、地域を見直し作り直す力になることだけは、なんとなく合っていそうな気はします。

腹を割って話をすることは、現代の大きな課題でもあります。大きな流れの中の小さな声。といってけっこうやかましいのが特徴的ですが、飯高が未来も輝く地域であるために、遠慮なく話をすることが「みんなの飯高」そろっての願いです。

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