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Web編集者の仕事まとめ

「編集者の仕事について教えてほしい」

先日、友人からこう頼まれたとき、僕は少し困った。というのは、編集者の仕事は多岐にわたり、いくつか種類があるからだ。

ひょっとすると、ライターから上がってきた原稿を直したり、締め切りを管理したりすることが、編集者の仕事だと思っている人もいるかもしれない。もちろん、それも大事な仕事であるが、氷山の一角でしかない。

どう答えるか悩みあぐねた挙げ句、ひとまず編プロに所属するWeb編集者の仕事について答えることにした。本記事では、その内容を少し加筆して紹介していこう。

情報収集

面白い企画を生み出すためには、常日頃からアンテナを強く張っておく必要がある。いろんな人に会って話を聞いたり、何か熱心に勉強したり、流行っているものやニュースを研究したり。とにかく、引き出しを増しておかなければならない。

企画、予算確保

集めた情報をもとに、メディアのターゲットやニーズに合わせた企画を練っていく。編プロの場合、最終的に企画にGOサインを出すのは、クライアントだ。その企画がいかに有益なものかを伝えなければ、せっかく考えた企画も無駄になってしまう可能性もある。

また、お金を出してくれるのもクライアントなので、案件ごとに予算交渉を行うのも重要な仕事だ。

アサイン

企画が通れば、その企画に適したライターやカメラマンなどを手配する。ちなみに、動画や漫画コンテンツが適していると判断される場合、ライターやカメラマンを手配せず、デザイナーやイラストレーターなどを手配することもある。

そのため、さまざまな分野の人脈を持つことがかなり重要になってくる。情報収集にしろ、人脈形成にしろ、編集者は「常日頃から」ということが多い。

アポ、下調べ

取材相手の情報を集め、アポを取る。ここで変な対応をしたり、相手へのメリットがわからない伝え方をしたりすると、アポが取り付けられない。

取材、調査

コンテンツに必要な情報を集めるため、取材や調査をする。基本的にこの仕事はライターが行うものだが、編集者自身もすることもある。

撮影、現場補助

予算が少ない場合などは取材時に撮影も担当する。ほかにも、ライターが聞き忘れたことや、企画の流れ上必要だと思う情報を聞き出す補助の役割も。

執筆

これも主にライターの仕事ではあるが、編集者が執筆を手がけることもある。最近では「書ける編集者」が多いので、語彙力や構成力、リズム感なども磨いておくことも大切だ。

編集

ここに来てようやく「編集」。ライターから上がってきた原稿をチェックし、情報の誤りや読みにくい箇所を朱入れ(添削)していく。

この朱入れはライターに対する最大の教育だ。懇切丁寧にやりすぎても、丸投げしすぎてもライターは育たないので、程よい塩梅が必要である。

進捗管理、フィードバック

ライターの初稿提出や添削後のリライトの期限を決め、締め切りを守れるように声がけしていく。

事実確認、取材先確認

原稿のリライト、編集が終われば事実確認する。専門家や取材先に確認して、内容に誤りがないか、表現の変更がないかなどを伺い、調整・修正して公開原稿を作っていく。

原稿入力

CMS(WordPressなどの入力ツール)に写真や文章をセットしたり、デザインを整えたりするのも編集者が行うことが多い。

公開、拡散

さて、ここまで来てようやく公開だ。ただ、ここで終わりではなく、公開した記事を読んでもらうための施策を考えなくてはならない。

SNSのフォロワー数が多ければ、ある程度バズらせるのも簡単だ。最近では、編集者は普段から発信に気を遣い、アクティブなフォロワーを増やしていくことも大切な仕事になってきた。

もちろん、バズらせるだけがコンテンツを広める方法ではないので、必ずしもフォロワー数を増やす必要はない。が、読まれるためには、やはりフォロワーは多いに越したことはない。

以上、1コンテンツができるまでの流れを簡単に紹介してきた。実際編プロのWeb編集者は、いくつもの案件を並行して毎日複数のコンテンツを生み出している。

営業兼、マーケター兼、ライター兼、カメラマン兼、ディレクターみたいなことをやっている仕事だと捉えてもらうとわかりやすいかもしれない。とにかく大変な仕事である。それに業界全体としての給料もそこまで高くはない。

それでも編集者をやろうと思うのは、世の中にまだ広まっていない情報を届けられたり、取材を通していろんな人と出会えたり、人に影響を与え文化を作ることができたりするなど、魅力がたくさんあるからだ。興味のある方はぜひ挑戦してみてほしい。

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