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ライター・編集者に興味がある人にやってほしいこと

「ライター・編集者になりたいです」

前職でライター・編集者の採用をしていた頃、こういう人は多かった。ネットが発達して、誰もが簡単に情報を受信できるようになったいま、自在に情報を発信する(よう見える)「ライター・編集者」は憧れの職業として注目を集めている。

しかし、ライター・編集者として働いている身からすると、彼・彼女らの言う「ライター・編集者」は正直困る。あまりに漠然としていて、実情とのギャップが大きすぎるからだ。

書きたいこと書くことがライターだと勘違いしている人もいれば、上がってきた記事を直すだけの仕事を編集者と思っている人もいる。現に一昔前には編集者不在のメディアで記事を出し、「ライター」を名乗る人も大勢いた。

上記のような認識が誤りだということは、ライター界隈ではもやは言うまでもないことだ。しかし、僕ら業界人と一般の人々の間には、依然として大きな認識の違いあるのも事実。

前回の記事でWeb編集者の仕事については解説したので、今回はライター・編集者に興味がある人に、やってほしいことを書いていこう。

そもそもあなたは「ライター・編集者」になりたいのか?

一口にライター・編集者と言っても、その種類は多様だ。紙媒体なのか、Web媒体なのかによっても大きく異なる。

ひょっとするとあなたがなりたいのは、ライターではなく、コラムニストなのかもしれないし、ジャーナリストなのかもしれないし、ブロガーなのかもしれない。

あなたはどんな物書きになりたいのか、何を伝えたいのか、誰に受け取ってほしいのか。そこを明らかにしないと、何か提案しようにもできないし、採用も難しい。

お気に入りのメディアを見つける

お気に入りのメディアが1つあるだけで、話の進め方は全く変わってくる。

例えば、「soar」がお気に入りだと言われたら、温かみのある文章や社会的意義のある活動に興味があるんだなと推測できる。業界にある程度の知識や理解はあるだろうから、少し専門的な話もしやすい。

そのメディアのどういうところが好きなのか、どんな人が働いているのか。しっかり分析できていると、どのくらいの倫理観を持っているのかもわかるので、いろんなメディアを見ておくといい。

ブログでもなんでもいいから、とにかく書く習慣を

これは本当におすすめしたい。人に何かを伝える喜びや、書き続ける難しさを知ることこそが、ライター・編集者としてのスタートラインである。

実際、「一ヶ月休まずに記事を書いてください。内容はなんでもいいです」と言われて、書き続けられる人はそう多くない。身体的にも精神的にもしんどいからだ。

また書いたものは立派な成果物になるので、営業にも使える。僕自身、ブログで書いた記事をきっかけにいくつか仕事をいただけたこともあった。

ライター界隈のイベントに顔を出してみる

ある程度知見がたまってきた人は、ライター界隈のイベントに顔を出してみるのも良い。業界の実情をある程度知ることができるだろう。

ただし、成果物もなにもない状態で「ライター・編集者になりたいです」というのは基本的にタブー(「まず書いてください」と追い返される)なので、伝え方は工夫しておいた方が良いだろう。

以上、ライター・編集者に興味がある人にやってほしいことを挙げてみた。業界外の人からすれば、なんて不親切なんだ、なんて面倒なんだと思うこともあるかもしれない。

ただ、業界全体として教育する文化がそもそもないのだ。基本的にはぶっつけ本番で、取材や執筆をしなければならない。実際に動いてみてからじゃないと、感じられないことも多い。

ハードルが高く感じられるかもしれないが、自分でしっかり動いて、やりたいことかどうかを確かめてみてもらうのが良いだろう。少し値は張るが、ある程度知識を身につけたい方には、ライティング講座もおすすめだ。

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