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『ローカルキャリア』という働き方を、かっこよく日本に広めたいと思った3つの理由


みなさん、こんにちは、「幸せにはたらく人や地域づくり」について日々考えています、ミノです。今回は、先日参加したCAREER FOR主催のイベントで、感銘を受けた『ローカルキャリア』という単語をについての想いを綴りたいと思います。

地域に関わった自分はどのように表現すればいい?

私は、地域に関わり始めたものとして、自分自身を周りにどう伝えればいいのか考える機会が何度もありました。メディアや自治体で取り上げられる『関係人口』『応援市民』『デュアラー』という表現は、周りとの認識を合わせるために使うこともありますが、自分を表現する単語としては、違和感がありました。同時に、自治体や国から発信する概念って、あんまりかっこいいものではないなと。

だからこそ、この『ローカルキャリア』という単語が、実践者から作られ発信されていることに私は興味がわきました。同時に、イベントで頂いた『ローカルキャリア白書』を自宅でゆっくり読むみ、立ち上げの背景を理解したところで、改めて立ち上げ人たちの思いに共感し『ローカルキャリア』という働き方を、かっこよく日本に広めたいなと思うようになりました。

単語一つに、大げさな反応もしれませんが、地域に関わり始めた一個人としてそのように思った理由を言葉にしてみます

(写真:ローカルキャリア白書のページ@自宅)


1)地域主導ではなく、個人が主役の単語である


これまで、地域で働く人や関わる人のことは、『地域が主役となる単語』で表現されることが多くありました。

江戸時代から続く、殿様がいる江戸(東京)が上であり地域が下という意識。そして、2014年に消滅可能性都市という単語が出てきてからは『地方が大変、助けてあげなくては』という認識が世に広まっていると感じています。

しかし、地域には、近年、豊かさの象徴として取り上げられる顔が見える人間関係や、全ての国家予算を投下しても都心では取り戻すことができない大自然がたくさん残っています。

それにもかかわらず、地域と関わる人を『応援市民』という単語で表現してしまうと『個人としては、地域は、応援するもの』『地域は(周りから)応援してもらうもの』というGive&Takeの関係性ができてしまう。私はそのことにずっと違和感がありました。

その一方で、『ローカルキャリア』という言葉は、地域と関わりながら自身のキャリアを築きたいと思う個人を主役に置いた単語。自分が成長する環境として、地域を選択する、地域を主体的に利用するという、主体的な捉え方が出来る単語だという印象を持つことができます。

私も、週1フリーランスとなり、富山に関わるものとして、地域を応援するだけではなく個の成長の環境としてもこの機会を活かしたいとおもっているので、『ローカルキャリア・パーソン』という言葉が自身にフィットするなと感じています。

まずは個が成長すること、そうすることで地域への貢献度も上がり、課題解決に力を出せるようになる。そんな個人主体のイメージが湧く単語が、各地域の実践者から、出てきたことは本当に素晴らしい!


2)発展途上でもいい、誰でも目指せるローカルキャリア

2つ目は、地域に関わるモノが『発展途上でもいいことを含む点』です。繰り返しになりますが、地域に関わりを持つ方を表現する『応援市民』や『地域おこし協力隊』という言葉は、言葉が持つ響きとして自らが自立していることが前提で、地域を何とかしてくれる存在であるかのように捉えられます。

(自分のことを、思いっきり棚に上げて言わせていただくと)今、地域で働くに興味がある20代の若者は、仕事人としても、まだまだ発展途上です。そのため、『地域を応援しよう』『地域で起業しよう』と言われても難しい面も多いと思います。

しかし、『ローカルキャリア』『ローカルキャリア・パーソン』という単語は、『個人としてのキャリア形成』を、これからしてもいいよという表現にもとれます
・土日だけ関わるもよし
・アルバイトもよし
・(もちろん、やりたいことがあれば)起業するもよし

自分のできる範囲で、地域に緩やかに関わってみる。

そのうえで、出来ることが増えていきキャリアにつながっていくというイメージを持つことが出来ます。まだまだ発展途上の20代の若者も、広く受け入れられるという意味でも、意義があるとおもっています。


3)あなたの生き方に合わせカスタム自由であること!


最後に思うのは、ローカルキャリアという単語は必ずしも、ド田舎だけに限定しているわけではないこと。会社以外、地域という環境でキャリアを築けるんだよという事を伝える単語として、自身が住んでいる地域(ex.東京ローカル /横浜ローカル)なども含むことができます。

今いる企業や、遠い世界のために働き、キャリアアップを目指すことも、尊い。しかし働き方改革が進むなか、自身の空いた時間で、『幸せにしたい人の顔が思い浮かぶ身近なコミュニティに貢献したいという人も増えてきている中、この言葉はそんな彼らも使えると思うのです。

ローカルキャリア白書にある一説で

「右肩上がりの時代は、みんなが東京を目指し、一本の坂道を集団で上がっていった、人口減少社会では、それとは違う新しい価値観が求められている」

そんな価値観の中で、人生で大きな意味を持つものは「何を」「誰と」「どこで」行うかだ。

という言葉があり私は強く納得していました。『誰と』『どこで』『何を』するかを選べるのは、今の時代を生きる私たちの特権です。だからこそ、どこの地域コミュニティを選ぶのかは自分が選択できる。そしてその関わり方は自由であると捉えることができます。

私自身は、将来の夢が3拠点。今は富山ローカルでのキャリアをしっかり立ち上げたいなと思っていますが、今後は海外のある町でのキャリアも考え始めるかもしれません。

そんな風に、未来のキャリアを考えていく上で、自身のありたい姿フィットできる。自由に解釈できるという点は、従来の言葉では含めなかった要素だと思います。

(写真:岡山県西粟倉村でビジネスを立ち上げた大島さん/もはやローカルキャリアというか先駆者の中の先駆者)



「地域と関わること=かっこいい」はこれから

これまでは『都落ち』という言葉があるように、地域で働くことがかっこいいという概念はあまり一般的ではなかったように思います。しかし、Career Forのイベントでは、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授の横田先生がそんな従来の価値観をUpdateする必要があると言われています。

地域の課題は、日本の課題。
数十年後には、日本全体で少子高齢化に直面する。だからこそ今から地域に入り、その最前線で脳みそをフル回転している人はカッコいい。
今後アジアでも少子高齢化が進む中で、日本だけでなくアジアでの先駆者になっていく

また、宮崎県日南市で活動する田鹿さんも、以下のような表現で語っています

都落ちとは「東京でしか働けず東京に落ちて出られない人」をさすのかもしれないですね。一昔前は、東京の会社の正社員はブランドでしたが、今はその上に「好きな場所で自分の力で働ける人」が生まれてます

ランサーズが世に広めた『フリーランス』という言葉も、ほんの数年で、世の中の認識も変わりポジティブに受け入れられるようになったように、働き方のイメージは時代と共に変化させることができると私は、確信しています。

だからこそ、地域に関わる一個人として『ローカルキャリア』というこの単語を、次の世代が勇気を持てるように、かっこいいイメージとして、広めていけたらなとおもっています。

まずは、実践者から一緒に!

『ローカルキャリア』という単語の認知度は今どこにあるかと思いGoogle検索してみたらヒット件数は700万件。一方の『グローバルキャリア』という単語はその約10倍弱の6,700万件でした。

いや〜〜。もう、伸びしろしかないですね。

私の文章を、最後まで読んでくださっている皆さんは、地域にいる方、これから関わりたいなと考えている方かもしれません。

これから地域に関わりたいと思う全て方が、誇らしく自身のキャリアを歩めるよう、まずは実践者から『ローカルキャリアはかっこいい』との意識を持てるといいなと思っています。私には、数年前から地域に入っている実践者や、仲間が沢山にいます。そんな彼らが『時代の最先端に関わっている、自身のローカルキャリアはかっこいい』そんな自負を持って、束になるとすごいパワーが出ると思うのです。

次の世代が、地域で働くをかっこいい選択肢として選べるように。明日からより背筋を伸ばしていきたい。

そんな風に思う人が一人づつでも増えていくことで、次の時代の価値観は作られていくんだと思います。


ご案内

私が関わっている富山県南砺市に素敵なコンセプトのお宿があります。かっこいいです。ぜひ覗いてみてください(*^^*) 

※南砺市井波での取り組みは今年秋に公開予定です。


(写真:©️CORARE ARTISANS JAPAN / photo by Ken Ohki


Special Thanks to CAREER FOR / イベント登壇者
依田 真美氏(相模女子大学准教授)
横田 浩一氏(横田アソシエイツ代表取締役)
石川 貴志氏(Work Design Lab 代表理事)
戸塚 絵梨子氏(株式会社パソナ東北創生 代表取締役)
紫牟田 伸子氏(株式会社Future Research Institute 代表取締役)
大島 正幸氏(ようび 代表取締役)
角 めぐみ氏(NPO法人ハナラボ 代表理事)
宇野 由里絵氏(雲南ソーシャルチャレンジバレー 企業チャレンジ事務局)

そして、私をこのイベントに招待してくれた
森山明能氏 (株式会社御祓川 / 能登の人事部)
石井重成氏 (釜石市オープンシティ推進室長 / 内閣官房シェアリングエコノミー伝道師/ 総務省地域情報化アドバイザー) 

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