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高岡高校の同窓生へ 暑中見舞い申し上げます

大好きな地元の高校から卒業して早15年。
(市役所と実家にお電話いただいて、なんとか見つけていただき)ひょんなことから、母校の同窓会報に寄稿する機会をいただきました。

同窓会報の寄稿テーマは「富山との関わり」×「高校の思い出」×「新しい働き方のトレンド」の3つをバランスよくミックスさせて。そして1600文字以内にまとめてというもの。

今の自分が、高校時代の経験からどうつくられているかを考える機会は、とっても面白かった。絶対思い出したくない記憶も含め、何者かになりたくて、いろいろと自分なりに一生懸命だった高校時代。

あのときの友は今どこで何をしているだろうと思いながら、暑中見舞いも含め、その寄稿文を転記します。

同窓だより: 幸せに働ける人と地域をつくる

のどかな田んぼ道を自転車でかっ飛ばし、1時間に1本の城端線に飛び乗る。そんな高校時代から数十年たち、私は今「幸せに働ける人と地域を作る」というテーマを掲げ、新しい働き方に挑戦しています。今回はこのテーマについて自身の経験をお話できればと思っています。

新しい働き方への挑戦

私は大学卒業後、広報代理店で様々な企業の広報を担当していました。仕事は楽しかったですが、友人や家族と会う時間もないほど忙しく、職場と自宅を往復する毎日に「大切な人との時間」と「やりたい仕事」の両立は無理なのか。そんな葛藤を抱えていました。

しかし、私が留学した米国では「両立する働き方」がありました。ホストファミリーのお父さんが、家族を大切にしながらも、田舎のコーン畑の中にある家から、ネット経由で数時間離れているNYなどの本社と仕事をする光景。

それをみて、通信技術は日本のほうが進んでいるのに、なぜ多様な働き方が広まっていないのだろう。広まっていないなら、日本に新しい働き方を広めるための仕事がしたいとIT企業のランサーズに参画。それから5年間、23の自治体と提携し、地域の仕事創出の事業を行ってきました。

しかし待てど暮らせど、ふるさと富山とのご縁がありません。後に気づくのですが富山は全国でも有数の正社員率を誇る地域。ITで仕事を東京から持ってくる必要性が少なかったのです(笑)。

『10% for HOME』というプロジェクト

そこで、私は『10% for HOME(ふるさと)』という個人プロジェクトを始めます。これは消費税を参考に、人生の10%(約36日/1年)を富山のために使うというものです。自己満足で始めていた個人プロジェクトですが、そんな事を続けていたら、富山の井波という町から「まちの人事戦略」を一緒に考えてほしいと相談をいただき、今では東京で週4勤めなら週1フリーランスとしてふるさとの仕事を行っています。

こんな話をすると、いつも「すごい努力家だね」と言われるのですが、私自身は努力しているという感覚がありません。「これが好き」という想いの向くままに、”かっ飛ばしている”感じです。

好きを突き進む

「好きを突き進む」という言葉が出ると、いつも思い出すシーンがあります。それは高校1年時の金沢バス旅行。いつもの学校とは違う環境にみんながワクワク。バスの中ではカラオケ大会が始まります。そこでトップバッターでマイクをとったKくん。なんと大声で「軍歌」らしきものを大熱唱します。青春真っ盛りの高校男子が、軍歌ですよ。軍歌。

ワイワイ盛り上がっていたバスも一瞬、静まり返ります。しかしその後すぐ「お前面白いな!」と賛辞の言葉が次々上がってくる。Kくんも誇らしげ。私の大好きな高岡高校には「好きを突き進む人」を受け入れてくれる土壌がありました。

働き方が多様になる時代。今後、前例や安定という言葉に頼ることが難しくなっていきます。しかし自分の中の「すき」を羅針盤にしていけば、不確実な未来でも自分らしい「新しい働き方」が見つかっていくと私は信じています。そして大好きな故郷を思いながら、そんな環境を一緒に広めていきたいと考えています。

(以上)


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