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私が”素顔”を見せない理由。

皆様こんにちは。白塗りアーティストminoriです。

今回は私の様な活動をしていると必ずといって良いほど言われるあの言葉についてです。

「メイクをしていないところを見てみたい。素顔はどんな顔なんですか?」「どうして素顔を見せないの?」

この質問、言葉は今でも言われます。特にテレビ局(メディア)の方々によく言われます。

この言葉についていつも思う事は二つです。

ひとつは”minoriには素顔がない”。

minoriは私自身がエネルギー体を目指した結果(最終形態)の存在です。もともとは顔と服のエネルギーが合わない為にメイクを服に合わせた所から始まっており、完成した状態で初めてminoriが誕生するわけです。ですから、minoriにとって素顔はさほど重要なものではないのです。作者に素顔はあれど作品に素顔はない。という感覚でしょうか?

もうひとつは、私は普通の日本人の顔をしています。なので、特に公に出した所で多分”へぇ〜……””ふ〜ん”で終わると思います(笑)

今までネットで「白塗りとすっぴんを比べた写真とか動画を作ったらきっとバズりますよ!」と言われた事もありますし、「minoriの画像からすっぴんを導き出しました!」とPhotoshopで加工した写真を送ってきた職人もいました。(謎の煽り...笑、残念ながらあまり似てませんでした。)

結論、私は今のところ、素顔をミステリーのままにしておこうと思います。ミステリーがあった方が、minoriという存在に深みが出るからです。

ただ、問題があります。

それは海外のイベントなどで、現地スタッフが空港まで迎えにきた際にminoriの”痕跡”がまったくない私を見て、「えっ! あなたがminori ?」という気まずさ(笑)そしてディナーパーティーなどで誰?となった時になんとなく秘密にしたりして、minoriさん来なかったね〜となって申し訳なくなったり…。(あまりにも受ける印象が違うので、気がつかれる事はほぼないです。)

それほど服とメイクによって作られるエネルギーはとても強く、違って見えるものなんだなと思います。特に今まで私が作ってきた作品の中でその凄さを感じたのは”minori meets the world ”シリーズの”Thailand"です。

タイ、バンコクでの撮影でした。

ラムタイとよばれる神様の前でお礼の意味を込めて踊る際に着る衣装を参考に作りました。日本ではこの衣装に使えそうな布が売っておらず、模様を描いたりパーツを縫い付けたりして自分で理想の生地を作りました。今までの衣装の中でも、最もこだわったと思います。そのおかげか?minoriが完成した時に私の中に”何かが満ちる”感覚がいつもよりとても濃く感じられました。

思うに”満ちる”感覚の正体は”服やメイクのエネルギーと私の融合”で、これが最高に気持ちがよいのです。一度味わったら抜け出せないくらいに。
この"満ち"を感じる事が嬉しくて、この活動を続けているのだなと思います。また私と同じく、オルタナティブファッションを着ている人々は、特にこの”満ちる”という感覚を深く感じられるのかもしれません。それだけ服自体のエネルギーが強いですから。


少し前に変身写真館Metalilyさんでメイクオーバーのイベントをした時にも、その”満ちる”感覚が好きな(私の推測ですが)方々が来てくださって、白塗り体験をして頂きました。

メイクアップをしながらお話をしていると私、普段は普通なんです!でもこの変身がとっても楽しくって✨という方や、こういう世界観でこういうストーリーで!と物語を書いて来てくださる方。中には片道12時間くらいかけて来てくださった方もいました!(本当にありがとうございます😭)

それぞれのメイクと衣装が完成していざ撮影が始まると、動きや顔つきまでもが全く変わってしまう。その現場を目の当たりにし、やはりこの感覚は私たちを別のエネルギー体にしてくれるんだな~。と改めて感じました。皆さんの”満ちる”楽しさに少しでもお手伝いをさせていただけて本当に嬉しかったです。

これからも私は、このなんとも魅力的な”満ちる”感覚をもっと味わうべく、今日も針と糸に期待を込めながらminoriを作り続けていくのだと思います。

読んでくださりありがとうございます。

minori

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