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【ナナシス】波紋に感動した話

ナナシス4thライブのブルーレイ化、とても楽しみです!
ここでは、4thライブで確かあった演出についてお話したいと思います。
それは、一番最初に777が登場する時、画面に映し出された「波紋」です。一見、なんてことない演出でしたが、私は感動しました(尤も、気が付いたのは2日目の公演でしたが笑)。
なぜ感動したのか、について話していきたいと思います。
(もう波紋で考察書いている方とかいればごめんなさい!)


1.そもそも波紋とは、どのような時に生じるものなのだろうか

まずご覧いただきたいのが、Melody In The Pocketのイラストです。
空の上に立っているように見えますが、よくよく見ると波紋があります。
ここでも、波紋が使われているのです。なにか、意味深な感じがしてきました。

まず「そもそも波紋とはどのような時に生じるものなのか」について考えてみたいと思います。
波紋が生じるためには大きく二つ必要な要素があると思います。それが、①液体の存在と、②何かが液体に作用すること です。
①液体の存在
液体がなければ、そもそも波紋は作れません。尤も、銀閣等に使われているような砂利で表現する波紋などもありますので、一般的な捉え方で考えた、と思っていただければと思います。
②何かが液体に作用すること
液体があっても、何かが作用しなければ波紋もうまれませんし動きもしません。生き物、雨などが作りだすことができます。
芭蕉の『古池や 蛙飛び込む 水の音』で、音という聴覚情報だけではなく、「音が生じる→波紋が広がる様を想像できる」というように、視覚情報も想起させるような、素晴らしい一句だと感じます。波紋は生命を感じるのです

今回の場合、波紋を生じさせているのは、まぎれもなく777のみんなだと思います。
この液体は水たまりであると推測することができますが、
次の章で、水たまりについて深く考えていきたいと思います。


2.水たまりの意味するところ(本題)

3点ほど論点をあげたいと思います。

⑴水の発生源
「水たまり」なので水であることに変わりはありませんが、このイラストの水はどこから発生したのでしょうか。私は、2つ可能性があると思います。


一番に考えられるのが雨です。このイラストでは雨が降っていないようなので、「雨が止んだ後」ということになります。
ちなみに雨が止んだ後、青空になると虹がかかります。そこから、777のみんなは虹を見ているから上を向いているのではないか、とも考えられます。
まさに、STAY☆GOLDの歌詞「はにかむような虹」です。
(STAY☆GOLDの歌詞はとても重要なので、またすぐに取り上げます。)

涙(比喩)
ナナシスにおいて、キーワードの1つになっているだろうものです。
Melody In The Pocketの歌詞において、涙という歌詞が2回登場しており、1つには「数えきれない涙」とあります。
そこから、「数えきれない涙を踏みしめて、空を見上げる777のみんな」と解釈することができます。
私たちは数えきれない悔しい出来事などがあって、数えきれないほど涙を流していると思います。それで何度も挫けそうになり、また立ち上がることを繰り返して、懸命に生きてます。時には、ナナシスに救われた、と思っている方も多いでしょう。私もその一人です。

ハルカゼのポスターにおけるハルのセリフを覚えておりますでしょうか。
"この歌は 涙を隠しながら 誰かの背中を押すために"
です(ちなみに茂木監督は、公式同人誌にて、ナナシスのテーマについて同じことを話しています)。
ストーリーを読んでいる方ならわかると思いますが、彼女たちも、自分について、将来について、アイドルについて、しがらみについてなど、悩んだり泣いたりしています。777のみんなも、私たちと同じなのです
そして、そのたくさんの隠してきた涙の上に立って、背中を押しているのです

仮に涙だとすると、さらに先ほどのイラストが感慨深くなります。
先ほどのイラストに戻ってみてください。
小さな水玉や光っている玉が見えていると思います。
これも、私は涙だと思います。
理由は、STAY☆GOLDの歌詞にあります。
"夢を見る僕たちは
ひとりで隠れて泣くから
それぞれ流す涙が
いつの日か 空に舞い
乾きますように
"

以上のように、液体には2つの可能性が考えられます。
ここで一つ申し上げたいのは、私は「どちらが正しい・正しくない」を決めることはしません。
どちらかが間違っているのかもしれません。あるいは、どちらも正しいのかもしれませんし、どちらも間違っているのかもしれません。
でも、私はそれでいいんだって思います。
私はこれらを考えて、またナナシスに感動できました。好きだと思えました。それで充分です。
皆様も何か自分のように考えていることなどがあると思います。でも、正解不正解などを考えてしまい、なかなか言い出せなかったりすることもあると思います。そういう時は、私のように「こんな解釈してみて感動したんだぜ!」みたいな軽くも熱量のある感じで、話していただければと思います。
また解釈は、必ずしも製作者と同じ解釈である必要はないと思います。
皆様自身が解釈して感動できたことは、その人にとってはかけがえない経験だと思いますし、それで充分だと思うんです。

皆様の解釈、感動したことなど話したい事がある!という方は、遠慮なく私や皆様の周りの方々にお話くだされば幸いです。


⑵水たまりの上にいるということ
水たまりの上にいるということは、何を意味しているのでしょうか。
上述したように、「涙を踏みしめてその上に立っている」という解釈ができますが、そういうのではなく、もっと物理的な話です。

私は、「777のみんなが地面にいること」を表しているのだと思い、それがとても(私にとって一番)重要だと思いました。
なぜ(私にとって)重要だと思ったのか。それは少し時間軸をさかのぼらなければなりません。

こちらは武道館のメモリアルライブの時のイラストですね。
このライブは人生で一番泣いた自信あります笑。

さて、ここの解釈も話したいといえば話したいのですが(青空の意味、逆さ虹の意味など)、伝えたいこととズレてしまうため、今回はこのイラストの印象にのみ注目したいと思います。
これは、私が個人的にこのイラストを見て感じた印象です。皆様とはまた違っていると思います。

私は、このイラストを見て、777の成長を強く感じましたし、とても感動しました。しかし、それと同時に、どこか寂しさを感じたのです。どこか遠くにいってしまうのではないか、というそんな漠然とした寂しさでした

青空は、ずっと私たちを照らし続けている、青空のように支え続けてくれる、それが「僕らは青空になる」だと感じております。
そういうことであり、青空=高い=遠い を表しているのではないと考えてはおりました。
でも、なんだか遠くにいってしまうのではないかと感じてしまったのです。

水たまりの話に戻ります。そこで、「777のみんなが地面にいること」すなわち、「遠くに行っていないこと」が示されたのです。
まさしく、Melody In The Pocketですね。
私はこれに気付いた時、ボロボロきちゃいました笑。

※ちなみに、Star☆Glitterにより、昼(青空)と夜(夜空、星)が完成するんだって思ってます。
ボカロ曲ですが、アイロニという曲の歌詞に
”「星が僕ら見守って」って、夜しかいないじゃんねえ”
とあるように、片方では見守ることを完遂することはできません。
昼と夜すべてを見守る存在がナナシスなのですかね


⑶青空が映っていること
これは当然といえば当然の話ですが、水たまりによって二つの青空がうまれています。お空にある青空と、水たまりに映る青空です。
この意味するところは何なのでしょうか。
(今回、青空は「夢、目標」などポジティブな要素の比喩として考えます。)

遠くて近い存在
お空にある青空は、遠いです。とても。
しかし、水たまりに映る青空はとても近いものです。
遠くて、でも近い存在、そういうものを意味しているのではないかと思います。

涙が青空になること
上述した解釈で、仮に水たまりが涙の比喩であるとするのであれば、
それが青空になっていると考えることができます。
数えきれない涙、その涙が青空に繋がっている、そのようなメッセージがあるのかもしれません。

それでは、最後に、波紋の意味するところを見て終わりにしたいと思います。


3.波紋の意味するところ

2点考えてみました。

水たまりを示す
波紋がなければそもそも水たまりであることを考えることはありませんでしたので、この意味はかなり大きいと思います。

周囲に影響を与える
辞書によると、波紋とは、
”次々と周囲に動揺を伝えていくような影響。”
を意味します。
「波紋を呼んだ」とか、「波紋を起こす」とかでよく使われる表現です。

今回、私は「周囲」と表記しましたが、それは大きく2つの存在を意味します。
①777自身(他のアイドル)
ナナシスのストーリーを読めばわかるかと思いますが、アイドルがほかのアイドルに影響を与えることはよくあります(特に、サワラさん)。
4thライブでは、波紋がいくつか広がった覚えがあります(間違ってたらごめんなさい笑)。波紋同士が重なり合って、お互いに影響を与え合ってる、そんな感覚を覚えました。
②私たち(支配人)
支配人にも、たくさんの影響を与えていますね。
上部のメロポケのイラストには、一つの中心から波紋が生じています。その中心にいるのが、個人ではなく、777のみんなです。
一人ひとりが波紋を持ちながら、777でひとつの波紋を作り出す、それが素敵だなと感じます。


おわりに

ということで、どうでしたでしょうか。
波紋というものは、ナナシスにとって、かなり重要だと思います。
そして、それが4thライブの一番最初の演出として使われたのは、感慨深い想いでした
そのほかにも、ナナシスって色々語らえると思うので、是非支配人さんとは語り合いたいものです。語らってやんよ!って方はドンドン私にぶつけにきてもらえればうれしいです笑。
(語らってやんよ!で思い出しました。これ、エンジェルビーツの日向のセリフをもじってますが、同じkey作品にリトルバスターズ!という作品があります。2期の方ですが、あの中で波紋はとても重要な表現でしたね笑。)

最近、温泉むすめのブログも書きました。もし、ご興味ある方はみていただければと思います!
https://note.mu/minotsuba/n/n422600b58afb

最後に、私の大好きな道尾秀介の小説『ノエル』を引用して終わりにしたいと思います。この中での「物語」の解釈は、お任せいたします。
長い間、読んでいただきありがとうございました!

”まだ物語をつくったことのない人は、つくってみなさい。何でもいいからつくってみなさい。そうすれば強くなれるから。いつかつらいことがあっても、きっと平気でいられるから。お話の世界に逃げ込むという意味じゃないんだ。物語の中で、いろんなものを見て、優しさとか強さとか、いろんなものを知って、それからまた帰ってくるんだよ。誰かのつくった物語でも、もちろんいい。でも、自分でつくったほうが、知りたいものを知れる。もし知りたいものが何なのか、わからなかったとしても、きっと見つかってくれる。自分でつくる物語は、必ず自分の望む方向へ進んでくれるものだから。”


追記:このブログを読んでくれた友人から、新たな情報を得たので追記します!(許諾済)
みらいん(@inorinansu)
"「雨の日だって水溜りの虹は綺麗だってやっと気づけたね」
メロポケのジャケ写の波紋見て最初に思い浮かんだのが、STAY☆GOLDのPVのBメロ部分で、振り付けでもジャンプして波紋を起こしてるんだよね。だから波紋を起こしてるのは777というのはとても納得した〜"
"そもそも水溜りがなぜ生じるのか?という問題もあって、道が物理的に平坦なら水溜りなんて絶対できないんだよね。道が凹凸だからこそ、水溜りができる。雨が涙を意味するとして、水溜りがその足跡と捉えるならば、それはもうエモいわけで(ry"

→振り付けまで至っていなかったので、この着眼は驚きでした!確認しなければです!
また、確かに水たまりが足跡で・・・ってとらえるとめちゃくちゃエモい!
新たな解釈をくれて、ありがとう!!


追記2:また提供いただきました!感謝!!!!
たくみ(@Tmiraiori)
STAY☆GOLDの歌詞との照らし合わせです!
"「雨の日だって、水たまりの虹は綺麗だって、やっと気づけたね」
青空にかかった虹が足元の水面に映って足元を見ることができた"
「夢を追いかけたのは、誰かの足でじゃないから」
→虹がかかって、足元の水たまりを見たからこそやっと自分の歩いてきた(成長してきたこと)足元に気付ける "

→水たまりは鏡のような存在で、人は落ち込むとき、足元をみてしまう。人は心によって態勢が変化するし、態勢によって心も変化する。
へこんだ日とかに、足元見て、虹に気付いて・・・の流れ、エモい!!!
新たな解釈をくれて、ありがとう!


追記3:製作者サイドから考えてみる「なぜこの構図なのか」
今回のメロポケイラストを考えた製作者目線で、少し考えてみたいと思います。
イラストがゼロの状態の時は、テーマを決めて描き始めるかと思います。
そして、今回のテーマはアンサーソングなので、武道館が重要なものになっていると思います。
武道館の床には空が映し出されました、その上で声優さんがライブをしていたということで、その構図を使おうと考えたのではないかと思います。
しかし、「空の上に立つ」という構図はとても難しく、違和感を覚えてしまいます
なので、波紋を使い、水面に映る空ということで、空に立つ777を表現した可能性があります。

つまり、波紋は実は後付けで違和感回避のために用いられたのではないだろうか?とも考えられるわけです。

波紋を最初から想定していたのかもしれませんし、上述した通り、後から事後的に波紋をつけたのかもしれません。
波紋に意味を見出しているかもしれませんし、見出していないのかもしれません。
ただ答えが示されないからこそ、ある程度自由に想像することができると思います。楽しいですね!


参考文献
道尾秀介『ノエル』(新潮文庫)

#ナナシス #t7s #オタク

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