Don't Think , Feel!

河合隼雄『中空構造日本の心理』に使われた「中空構造」は、日常的に使える考え方だなぁと思っております。
中空とは、「外側だけあって中ががらんどうの構造」であり、本質がない(見えない)状態と言えます。
(今度、オタク論の中で使おうかなぁと思っている構造です笑)


今の時代は「この問題の本質はなんだろうか?」を考えるために、WHY型思考(なぜ?と問いかける方法)で考えていくことが多いですよね。(なぜ?と考えてから歴史を見たりするのは醍醐味です!今は『人体600万年史』という本を読んでますが、めっちゃ面白いです!)
ただ同時に、「考えすぎるな、感じろ」みたいなことも言われていてどうすればいいんだ!って思ったりすると思います。
その時に深く深く考えた方が良いのか、はたまた考えすぎず感じた方が良いのか、の基準の一つとして、「中空構造か否か」を考えることに私はしてます。


例えば、「風情」。
風情とは、ある程度「風情であるだろう物事」は分かっても風情の本質自体は分からないはずです。
「露天風呂」と「PC単体」では圧倒的に前者を風情だと思う人が多いはずです。
ただ、PC単体でも風情がないと言い切ることができるでしょうか。
言い切ることができる!という人と、言い切れないんじゃないかなぁ!という人に分かれていくと思います。
ある程度「風情であるだろうと考えられる条件」は思いついても、画一的な本質が見えていないので、その本質から考えていくことができません。だから意見も分かれていきます。


中空構造には、大枠みたいなものがあります。その中が空っぽなんです。
例えば「物単体ではなく空間全体が考慮されている」のが風情の条件だろうとあたりをつけている人にとっての大枠がその条件になります。
あとはその最低条件(基本的には複数)という大枠の中で、大枠に入るかどうかをその人は無意識レベルで選定しているというわけです。
「露天風呂は大枠の中で〜、PC単体は大枠の外で〜、」などを考えているわけです。

もちろん、その大枠の位置や形が人によって微妙に異なってきます。これを私は、「揺らぎ」と表現してます。
その揺らぎのもたらす大枠のズレですが、「露天風呂」は大枠が揺らいでもみんなが考える大枠の中に入っている確率が高いから、本質が見えなくてもみんなが風情だと言っているのだと思います。
(ただ、露天風呂の例の場合、日本人は皆露天風呂=風情というインプットが子どもの頃からなされているため、条件から考えられていない可能性もあります。)


こういう揺らぎ構造、中空構造があるものに対しては人と意見が違って当然!と割り切り、考えすぎずもっと感じよう!って思うようにしてます。

私の場合、幸せとかもそうですね。
嬉しいとか楽しいとの違いがよくわかってないので、あまり深く考えずに幸せだなぁとすぐ思ってしまいます笑(自分なりの幸せの最低条件はありますが)


本質が見えるものについては知性を働かせて、本質が人によって違かったり見えないものだったりする時は感性を働かせて、感性と知性両方ともバランスよく用いていきたいです!


また、中空構造について私の解釈違いの可能性もあります笑。ですが、河合隼雄さんの考え方はとても参考になる部分が多いと思います!
オススメです!


#社会人 #哲学 #心理 #人生


参考
河合隼雄『中空構造日本の心理』(中公文庫)
サイモン・シネック『WHYから始めよう!ーインスパイア型リーダーはここが違う』

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