温泉むすめが面白い理由

今回は今面白いコンテンツと思っている温泉むすめというコンテンツのお話です。

日本各地にある温泉をキャラクター化し、地域を盛り上げるためにアイドル活動をする という設定です。

この温泉むすめの何が面白いのかを少し整理してみました!個人の意見ですが、ご笑覧いただければ!

1. 目的が明確なコンテンツ
このコンテンツは「地域を盛り上げたい」がために作られました。
普通キャラクターコンテンツには明確な目的が提示されません。
可愛らしいキャラクターがたくさんいて、たくさんの曲や感動するストーリーがあるコンテンツは沢山あります。
ですが、このコンテンツはキャラクタービジネスが「地域を盛り上げる」ための手段として扱われています。
私はこういう姿勢とても好きです!

そして、「こういう姿勢が好き」という感情を私が芽生えてること自体も注目に値すると思います。
私がこう感じているということは、他の人もこういう感情になる可能性があり好意的な感情を持つことになるからです。
では、なぜ好意的になっているのでしょうか。
個人個人それぞれ違うかと思いますが、私の場合は「自分の趣味活動で地域活性化に貢献していると思えるから」かなぁと考えてます。
後述いたしますが、今人間の幸福は5つに分類できるとされています。その内の一つが「意味合い」です。
今の人間特に若者ははお金儲けしたい!という人よりも社会貢献したい!と思う人が増えています。それは自分の行動(もしくは自分の人生)にポジティブな意味付けをしたいからだそうです。
お金儲けは目的ではなく、手段という考えということですね。
(人生の目的の設定の仕方は時代ごとに違っているという論題でブログ書きたいなぁ笑)
ともかく、そういう心理的な側面でも社会貢献的目的の明確化のインパクトは大きいんじゃないかなぁと思います!


2.趣味仲間との旅行のハードルが低くなっている
地域にきてもらうためにはユーザーに「旅行」をしてもらわないといけません。
旅行のハードルが高ければ辛かったでしょう。

しかし、今のSNS時代は趣味仲間と繋がって平気で会ったりして仲良くなります。
そして趣味仲間と遊んだり、ライブ遠征するのが当たり前に行われるようになってきました。
ライブ遠征の場合、「地方でライブがあるからついでに旅行もする」というマインドです。
つまり、「キャラクターとコラボしてるから趣味仲間と旅行する」ことが行われる時代になっているということです。
有名な例がガルパンの大洗です。
コンテンツの展開するタイミングバッチリだと思いました。


3.地域活性化の脱一箇所化
地域活性化というと大抵の場合、その地域一箇所のみが対象になります。
しかし、このコンテンツは「温泉」があるところを聖地巡礼化することができます。
すなわち、全国各地に地域活性化の波を起こすことができるかもしれないということです。
地域活性化の定義を1つの地域に絞らない姿勢が素晴らしいと思います。
温泉間のコラボとかもあるとより強力になるかもしれませんね。


4.多様な広告宣伝手法
・多様な絵師さんを使うことで、絵師さん自身が広告媒体となり様々な対象に温泉むすめを知ってもらえるようにしていること。

・今現在ツイッターにてキャラクターを続々と紹介しているが、シルエットを最初出し一定期間経つと公開している。ここで面白いのがシルエットの段階でこのキャラクターの声優さんをヒント出して当ててもらうゲームを行なっていること。遊び心があります。

・多様な声優さんを起用していること。新人声優から割と名前が知られている声優や、いわゆる多種アイドルコンテンツの声優まで幅広く起用している。声優さん自身のツイッターからも宣伝になっている。

・野球の球団や温泉旅館とのコラボ


5.多様なマネタイズ
・クラウドファンディング
・note会員で情報有料配信
・ひと月に2回レベルで声優さんのトークイベントを開く
・キャラクターソングCD販売
・イラスト集などのグッズ展開
・ライブ
(・ゲーム収益?)


6.ライブ開催
やはり最近人気のライブの開催も外せません。
モノよりもコトが重視されている時代において、旅行経験だけではなくライブ経験もすることができます。
また、オタクの中ではもうライブに対する抵抗は少ないと思います。そのタイミングも大きいかもしれませんね。
12月にあったライブにも私は赴きました!楽しかったです!


7.温泉という設定
温泉が嫌いな人は極少数です。
さらに、温泉は年齢層問わず好きなはずです。
ターゲット(ペルソナ)を年齢であまり絞らない点も良いかもしれません。

また私は、二次元アイドルものは競争が激しすぎるレッドオーシャンだと思います。
その限られたマーケット(母数)で客の奪い合いの競争をするよりも、母数を増やす手段を模索する方が良いと思っております。
別に新しい考えではなく、ピーターティールなどたくさんの著名な方が同じようなことを述べています。
温泉をフックに本来二次元アイドルものに触れてこなかった層も獲得できるかもしれません。
ブルーオーシャン要素を探し、そこでファンを獲得できれば大きく広げることができるのではないでしょうか。
その要素が備わっていると思っています。


8.コンテンツの脱中央集権化
先月、キャラクターグッズ展開などについてツイッター内でアンケートが実施されておりました。賛否両論はあったかと思いますが、私は運営側から「一緒にコンテンツを良くしていこう!」という意思表示に感じました。
コンテンツが中央集権(運営のみで企画したりする展開方法)ではなく、非中央集権的な部分(ファン側にも権利があり企画などに間接的に携われる展開方法)を作っていきたいのかなぁと思いました。こうなると大切になる点は、中央集権運営とそうではない部分の線引きです。これがとても難しいところだと思いますので、その点でも注目していきたいですね!


ではでは、個人の感想を少し!

展開の仕方など、とても面白いですね。
驚きなのは、まだゲーム展開などもしていない段階だということです。
これから盛り上がっていく要素はたくさん備わっていると思います。
これからも面白く展開していって欲しいと思っています。
また、インバウンドを考慮しているそうなのでどのように外国人に知ってもらうのかの戦略などの動向も見ていきたいですね!

ちなみに、幸福の観点から温泉むすめを最後みてみます。

セリグマンは5種類の幸福を示しました。
達成、快楽、良好な人間関係、意味合い、没頭です。
細かくみていきましょう。
現代の若者は後者3つを意識すると言われています。
・快楽と没頭はライブとかイベントですかね。
・良好な人間関係はオタク仲間です、旅行行くの楽しいですね。
・意味合いは「地域活性化に貢献している」という感覚で旅行の動機付けになるかもしれません。
・達成はあまり思いつきませんが、もし特典付きのスタンプラリーのようなものを温泉旅館に設置してみると達成したいという気持ちが生まれ良いかもしれません。
強引感はありますが、おんむすだけで結構幸福要素があるんです笑

この幸福は遊びだけではなくて、仕事や学生生活などでも適用でき、自分を顧みる1つの指標にもすることができます。


最後の最後に推しは高山匠美ちゃん、有馬輪花ちゃん、道後泉海ちゃん、花巻吹歌ちゃんです!!!

読んでいただきありがとうございました!


参考
・ピーターティール「ゼロトゥワン 君はゼロから何を生み出すか」NHK出版(2014年)
・尾原和啓「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書(NewsPicks Book)」幻冬社(2017年)

#温泉むすめ #温むす

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