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女芸人No.1決定戦 THE W 2022のネタを今さら全組レビューしてみた


今どき、「女芸人No.1決定戦」とかいう時代錯誤も甚だしい、性別を逆にして「男芸人No.1決定戦」といった賞レースを開催したら色んなフェミニスト達が大発狂してクレームを付けてくるようなトンデモ企画で、今まで僕はこの番組を一度も観たことが無かったけど、なんか気が向いたので今さら全組忖度一切無しのガチレビューをしていきます。

現在、huluで全編視聴出来ます。





TEAM BANANA

海原やすよ・ともこみたいな漫才。
彼女たちも吉本所属らしいから、こういうスタイルを続けて将来はNGKの看板枠を狙っているのだろう。
でも、単にそれだけで全国ネットのテレビ賞レースに相応しいネタではない。公務員漫才師枠。

「普段から、私事ですが~と使っておけば、結婚する時に急に使い出したとか思われずに済む」

という導入で、

「私事ですが、本日カレーライス頂きます」
「私事ですが、笑顔で真っ直ぐ楽しい事がしたい」
「私事ですが、今日も晴れてる。いっぱい笑おう!」
「私事ですが、まだまだ進みます。私!」

というのが続いて、これらは実は剛力彩芽の実際に投稿したツイートだった…というオチ。

で、そこから更に

「私事ですが、もうそろそろ夏が終わる。寂しい!」
「私事ですが、もうすっかり衣装は秋服です」
「私事ですが、何とこの紫陽花色が変わるらしい。楽しみ!」

といったツイートをかぶせで紹介して、これらはオール巨人の投稿だったという大オチの展開。

ね、海原やすよ・ともこっぽいでしょ?
毎日こんな漫才やってたら、そりゃ感性も鈍くなっていくよね…。


改善案を出すなら、
「私事ですが、先祖の土地を取り返そうと思います」
「私事ですが、農協から離脱しました」
「私事ですが、今まで切ってきた自分の爪を全て保管してます」
「私事ですが、電車内で偶然隣に座ってた人のTwitterアカウントを数年間監視し続けています」
「私事ですが、自分の結婚が他人事としか思えません。離人病でしょうか?」
とか、いくらでもパンチのあるワードを出せる余地があるのに、そこを剛力彩芽とかオール巨人のツイートに紐付けようとするあたり、いかにも女芸人漫才師だなあと。だから、彼女たちはあくまでも自分と同年代±5歳差までの同性に向けたネタをやっているのだろう。
20~30代くらいの男性で、こんなネタで笑う人ってほとんどいないのでは?

で、こういうのを男性が審査しなきゃいけないというのは酷だなと思う。出場資格が女芸人のみなら、審査員も女芸人だけでやるべきでしょ。



ヨネダ2000

音響も小道具も使いまくりで、舞台向きのネタではない。
展開も別に何の意外性も無いし、こんなの単独ライブの幕間映像でやれよと思った。その程度のネタでしょ。
このコントに意外性を持たせるなら、家出したウンコが経験を積んでどんどん進化や変態をして別の形態に変わっていく…とか。
まあ、これは僕がポケモンとかDQMとか遊戯王の世代だから、進化とか配合とか融合という類が好きなだけかもだけど。。

で、ウンコが出てくる演出が、一回目も二回目も全く同じで「やる気あるのか?」と思った。なぜ何の工夫もなく全く同じままにしたのか意味不明。


視聴者投票と審査員投票の結果、3:4の僅差でヨネダ2000が勝ち上がり。



さとなかほがらか

理不尽なコールセンターのネタ。

陣内智則やサンドウィッチマンやラバーガールのネタに対してもいつも思うけど、なぜ店員やカスタマーサービス側の無茶苦茶な接客に客が長々と付き合っているのか意味不明すぎて、そこをきちんと消化してくれないと気持ち悪くて仕方ない。
演者も客も審査員も、こういう設定の不備が気にならないのだろうか?客が何の事情もなくボケに付き合い続けるという前提なら、いくらでも制限時間いっぱいまでボケを放り込めるからね。個人的には放送禁止用語並みにタブーにして欲しい。それくらい受け付けないスタイル。


投票の結果、7:0のストレートでヨネダ2000の勝ち。



Aマッソ

設定は良いと思うけど、二人の掛け合いにまるで惹かれなかったので、残念ながら結果的に「早く箱の中身を見せろ」としか思えなかった。

作話の基本的な大原則として、
「大きな嘘は一つまで」
という鉄則があるけど、まず「志願者が大きな箱に入ったまま面接する」という設定が大嘘なので、後はそこから派生した流れで、この一つの大きなあり得ない嘘を広げる展開にするべきで、面接官とのやり取りとかは双方敬語のままの態度は最後まで崩してはいけないと思う。笑いの軸がブレる。


投票の結果、4:3でAブロックはヨネダ2000が勝ち上がり。



続いてBブロック。


天才ピアニスト

彼女たちは、上沼恵美子みたいな大阪のおばはんのネタしか無いのだろうか?
このネタは別に悪くなかったと思うけど、ヨネダ2000と同じく小道具が多いので舞台ネタ向きではない。
舞台コントで小道具を多く使う人って、バナナマンやイッセー尾形のような様式美をカッコいいと感じた事が無いって事なんだろうなーと…。



爛々

ずっとコントが続いた後で漫才を観ると地味な印象しか無いし、またネタ自体もつまらない女漫才師の典型みたいな内容なので、全く受け付けなかった。

いま、非正規が約3割と言われているご時世で、「居酒屋で働く非正規労働者の中年男性」を勝手に好きになった事に対して弄りまくる陰口ネタって、平場のネタ番組でやったら反感しか買わないと思う。
まあ、世界一恵まれているといって全く差し支えない日本人女性にとって世の景気なんてまるで関係無いのだろうけど。。

ツッコミの声がやたら大きくて、下品で頭が悪い連日心斎橋でクラブ通いしまくってイケメン御用達の肉便器として日々過ごしているヒッピー丸出しのヤリマンにしか思えなかった。
辛辣すぎる悪口でごめんなさい。


投票の結果は、7:0のストレートで天才ピアニストの勝利。そりゃそうだよね。



スパイク

ベタ過ぎてどこで笑えば良いのかまるで分からなかった。
自分は現在宝塚市在住でありながら、宝塚歌劇団を一度も観た事がないのでよくわからないけど、きっと、歌劇のヒロイン役の女性の演技もこんな感じなんだろうなーと。ぶっちゃけ、ネタの感想はそれくらいしか無い。

プリンセスからの八王子在住というオチは、悪くなかったとは思う。


投票の結果、今回も7:0で天才ピアニストのストレート勝ち。



フタリシズカかりこる

この芸人さんのネタは初めて観るけど、まず前髪ぱっつんの時点で「つまらないのか?」と身構えてしまう。
前髪ぱっつんの髪型芸人は、僕以外でも年代問わず方方から不評なのでお笑い芸人なら辞めた方が良いと思う。

で、肝心のネタの内容だけど、やろうとしている意図は分かるものの、細かい事を言えば、通話をスマホで受け取っているのにPCで声を変えても、実際には入力と出力がチグハグになっているので通話相手に想定しているようなボイスチェンジャーの声は伝わらない。
これは細かな指摘かもだけど、でも設定の根幹でもあるので目をつぶってスルーする事は難しかった。こういうところが気になるのは、僕自身が男性だからなのだろうか?
これなら、通話を受け取る機器はスマホではなく、最初からPCにしとけば全く違和感が無いのに、設定の齟齬が見える展開にしているのは無駄に損していると思う。

で、展開もベタで単純につまらなかった。ごめんなさい。


投票結果は、またしても7:0のストレート勝ちでBブロックからは天才ピアニストが勝ち上がり。
このブロックは対抗馬が弱すぎる。



続いてCブロック。



河邑ミク

「クラスのマドンナがテストでカンニングする」
って設定は単純に面白いし展開も上手い。女芸人ならこれくらいの事はやってほしいと思う。
ぶっちゃけ、女性なんて基本的にずっとカンニングだらけの人生やろとも思うし…。

今まで観てきたネタの中で断トツで一番面白かった。



エルフ

またおかしな店員の設定のコント。
ネタ見せの時に、作家の誰も指摘しないのだろうか?

ギャルなんて世間的には後ろ指指されて笑われている存在なんだから、もっとぶっ飛んだ展開に行ってほしかった。
でも、ギャルってプライド高いから、ネタをする時に妙なメッセージ性を入れてくるのは何となく分かる。本当にさむいよね。。

個人的にギャルと現代アートやっている作家ってメンタリティがかなり被っていると思う。



で、投票結果は7:0の満場一致でエルフの勝利。
いや、明らかに河邑ミクの方がずば抜けて面白かったやろ!審査員頭おかしいんか!!どうなってるねん。
完全に余談だけど、哲夫って普通に面白いから審査もまともに出来るかと思ったけど、彼のお笑いスカウター自体は全然ポンコツだったんだな。
他の審査員たちも売れっ子の集まりだけど、まさに「名選手名監督にあらず」を体現していますねー。
これは河邑ミクは可哀想。



紅しょうが

2連続でまたメッセージ性を込めたコントか。
単独ライブとか新喜劇でやるようなネタで、賞レースには全くふさわしくないでしょ。

最初から最後まで一切笑えませんでした。
もっと、修学旅行の枕投げと同じノリで、深夜に女二人でゴミ袋をもっと投げつけ合ったりとかしたら良いのに。



投票結果、7:0の全員一致で紅しょうがの勝ち。エルフと紅しょうがの違いにそんなに差が出るのも意味不明。審査の基準がよく分からんちんです…。



にぼしいわし

ボケの髪型がおかっぱでさむい。
前髪ぱっつんのおかっぱの髪型にしている芸人は出禁にして欲しい。

真空ジェシカの女版みたいなネタで、彼女たちもネタの設定からボケ方もツッコミも間違いなく参考にしていると思う。これも店側がおかしいネタだけど、そもそもの導入が「攻めた水族館」という前提がありきなので、客も最初から分かって来ているので違和感がない。
なので、こういうネタは個人的に好みです。

で、攻めた水族館→医療法人が母体という流れも面白かったし、その後の二匹のジンベイザメの名前が、「レントゲンとMRIの医療費で育ったので、それぞれ頭文字を取ってLとMと名付けています」というボケは素直に笑った。
「人間が病気になるほど、水族館の魚が元気になるシステム」って確かに攻めまくっていて面白い。

でも、その他はカツオのデモ行進とかちんあなごのラジオとか余計なボケが多い。
「大嘘は一つまで」
という鉄則を無視しているのは素人丸出しの作り方だなと思う。


投票結果は、7:0で紅しょうがの勝ち。
いやまたしてもおかしいなー。こんなにハッキリと差がつくのが納得行かない。
むしろ、にぼしいわしの方が圧倒的に面白かったでしょと思う。



最終決戦

Aブロック代表ヨネダ2000、Bブロックからは天才ピアニスト、Cブロックは紅しょうがという三組によって最終決戦です。



紅しょうが

ボケの太ってる方が右腕にバンダナ巻いているのが気になった。
ネタに関係ないんだから別に要らないだろとか思った。

で、ネタの内容もあるあるの応酬を大声で叫んでいるだけという印象で、女性の共感は得られてウケるかもだけど、テレビの賞レースでやるネタには相応しくない。音姫とか知らんし。男性の視聴者はお呼びではないのか。それなら男性審査員を入れているのはやはりおかしい。


天才ピアニスト

なんか、悪く無かったけどコボちゃんとかこち亀にありそうな内容のネタで、全体的な印象も地味だし展開もベタだから予想がついて読めた。


ヨネダ2000

大きなモヒカンの出オチのツカミも、その後のダンスも別に面白いと思えなかったので、全く心を掴まれなかった。
おかっぱの小さな方が一旦ハケて出てきた後のモヒカンが、元々のデブのモヒカンよりもショボくなってたらアカンやろと思った。
ヨネダ2000は無茶苦茶にネタを作っているだけで、いろはというかセオリーをまるで分かっていないと思う。
彼女たちにダメ出しする作家もいるんだろうけど、よっぽど我が強いのかな。。


結果は天才ピアニストの優勝。
まあこの三組のネタの中だと妥当というか納得でした。

でも、全体の中だと断トツで河邑ミクがぶっちぎりで面白かった。
彼女のネタは初めて観たけど良かったです。

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