どうなる?赤坂ドリブンズ

6/30にMリーグのドラフトが差し迫る中、6/28に公開された赤坂ドリブンズの監督とライターとの対談の記事が波紋を呼んでいる。確かに言いたいことは何となく伝わったが、ちょっと物議になりそうなことが何か所かあったため、pickupしていく。全文は下記のURLを参照していただければ。

疑問1:越山監督は営業ではなく、技術職の監督?

まず全文を読んで思ったことがこれ。明らかに文系の人がいうような受け答えには見えない。その特徴が3つあり、

  • 1つの質問に対して、受け答えの文章が長く、蛇足のコメントも目立つ

  • ところどころ理屈的、余計な発言が目立つ

  • 簡単に自分の非を認めていない(自尊心が強い)

自分も研究職をやっており、現在エンジニアの身だからわかるのだが、理系人間はあれもこれも伝えたい欲が強くて、割とまとまりがないことが多い。
それをなくすために、パワポ使って簡潔にしてあとから肉付けするようなスタイルをとることが多い。さらにその成果に関しても誤りを認めたくないがゆえに、別の岐路を見つけて筋道が通るように意見を交わしたりもする。
記載されていた「ドリブンズはスポンサーを募集しない」というのも会社的にやらないと言い訳していたが、そうではなく、本人が交渉する自信がないからやらないのではないだろうか?
交渉術に割と長けていそうな園田賢も博報堂をやめてしまったし

疑問2: 本当に選手のことを見ていた?

これが引っかかったのが、「選手のメンタル」の話からである。
ドリブンズの方針としては「期待値以上の麻雀」ということだが、それが選手のメンタルと同義のベクトル上にある気がする。「期待値」というのが牌効率なのか、順位的なものから来ているのかははっきりとはわからないけど
期待値以上の麻雀が打てたからトップは当然みたいな考えだと、逆の場合に侵された場合に選手のメンタルに多大な影響が出るはず。「なんで期待値通りの麻雀ができたのにラスなんだ…?」そうなってしまったら並大抵の人だとメンタルを取り戻すのは難しい。その一例が村上の号泣だったり、園田賢の「なんなん」に繋がる。
「プロだから何があっても動じない」という考えには読んでいて、疑問符がついた。      「選手を見ているか」という疑問にはもう1つあり、自信過剰な選手(特に村上とたろう)を抑制できなかっただろうかということ。他のプロや視聴者が見て、明確におかしい手順であっても、「長年場を踏んだプロだから勝てないのは運気の流れが悪いから」で終わらせているような文に見える。それをチーム全員がやってしまったら、チームが強くなるわけがない。
「素人が一流プロに楯突くのは… 」というのも 一理あるが強くなるなら素人目線の意見もはっきり述べるべきだと。この疑問の理由はもう一つあるが、それは後ほど記載する。

疑問3:監督の男尊女卑の思考

ドリブンズで常々話題に上がっていたのが、やはり丸山奏子の扱いのことであろう。初年度のチームの優勝の後に女流プロのチーム加入が義務付けられ、加入したのが丸山(まるこ)。しかし彼女の枠はあくまで「育成」と銘打ったものだった。
そのためか試合数が制限され、4年間でわずか44試合だけで、今季契約満了となった。
ここで思ったのが、
Q.越山監督は「育成」の意味を履き違えていないか?
実はこれに似た事例があった。それは初年度のKONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮まり。彼女も初年度は最少の試合数にとどまっており、唯一規程試合数を下回った。(初年度は試合数の制限はないが、20試合をクリアしないと参考記録になる)はっきりとした理由はわからないが、初年度の高宮まりは素人目からみてもひどい打ち筋で、ただのビジュアル枠として使われているかのように見えた。そのオフの間にFocus Mやさまざまな大会を通して、フォームを固め、2年目以降は徐々に成長を見せ、自分なりの持論を展開できるようにまでなった。こうなってこそ「育成の成功」と言えるし、本人も自信になるからプラスの効果を作っている。話が逸れたが、物理的な数量を増やしたKONAMIに対して、ドリブンズの丸山の育成方針は他人の対局を見て、それに対して理論を展開するような育成方針に見えた。
それって本人にとって成長に繋がるのか?
例えばホームランバッターになるためにルーキーのプロ野球選手が、そのバッターのフォームを真似たらすぐHRを打てるか?と言われると、それは実戦を何度か踏まないと型は身につかないし、やってるうちにそれが合わないなんてこともある。
何より全く同じ型なんてロボットでもなければできるわけがない。
実戦を何度も通し、自分なりのスタイルを探し求める。それが育成選手の扱いであると思うし
それでダメなら2年そこらでチーム契約満了という手段をとれた訳で、不満が出ることはおそらくないはず。
男尊女卑の思考と育成の意味の履き違えから、
4年も無駄にして、お互い何も収穫を得ないまま終わったように見える

さらに気になったのは満了後に残したこの一文
「ポテンシャルを開花させて、天鳳位を取って戻ってきて欲しい」
いやいや、さすがに無責任な発言過ぎないか?第一にこのコメント残されて戻りたいという人はおそらくいない。最後のほうにお疲れ様というメッセージは残しているが、この一文は余計すぎて、
「女性に対してはドライなチームなんだ」という印象しか残らない。

しかし、女性加入が義務のMリーグでドラフトであるがゆえに、少なくとも1人は選ばないとならない。そこで監督はトライアウトで数名ピックアップした試験をしたが、ここで気になった点が1つある。

実戦対局を見ずに、筆記試験で評価する意味とは?

それが意味していることは、「丸山と同じ扱いをあなたはドリブンズで受ける勇気がありますか?」ってことに他ならない。まずもって仕事が忙しい以上は監督は放送対局見る余裕ないだろうし、ましてや女流の対局はその思考を仮定するから興味すらないのであろうか?

疑問4  「ヒール」の役割と語るのにはまだ時期が早過ぎない?

チーム全体の方針について語っていた時に出てきた言葉
「人気に関しては他の8チームで分け合ってくれていい、ドリブンズは「ヒール」じゃないけれど、他のチームのファンからも「ドリブンズには勝たせたくない」と常に気にかけてもらえる存在になれば、それはそれでいいエネルギーになる」

これも腑に落ちないところがあって、例えば人気のあるスポーツでこの言葉を発するのならわかるけど、Mリーグを含めた麻雀は設立当初よりは人気は上がったとは思うけど、まだまだ駆け出しの状態だと思う。そういう段階の時は競技会全体で団結して基礎を固めるべきだと。それなのに1チームだけ別のベクトルを向いていたら、今成り立っているものもきっかけ1つで崩壊する。その思考をずっと持つならドリブンズは除名して、新たに加入したBEASTJapanextを加えて8チームで新たに
地盤を固め直した方が良い。9チームになった以上は再度考え直して同じベクトルを向く時ではないだろうか?

どうなる?赤坂ドリブンズ?

まずは考え方を改めないと話にならない。
1つはチームの編成方針について
セガサミーフェニックスで企業の社員が監督を辞め、もともと選手だった近藤誠一が監督業をしたことで
「企業の社員だけが監督をしなくても良い」
ということがわかったし、ここはプロ(候補としてはその研アシスタントの最高位の鈴木聡一郎、思い切るなら園田賢選手兼監督)に監督を一任して越山さんはドリブンズを支える「縁の下」の役割を遂行してもらうとか。ここまで1人だけであれこれやっていたけど4年も同じサイクルを繰り返していてはさすがに限界ではないだろうか。
もう一つ考えを改めないとならない点は対女流プロに対する態度であろう。違うチームは女流プロをバンバン起用して結果を残しているだけに信頼できない女流プロは取らずに、起用して損にならない動きがやはり必要。理論とか期待値ではなく、やってみてどうか、それに尽きると思う。
村上、丸山と2名を切って、新生ドリブンズの名が6/30に刻まれることとなる。来季は「変革」のドリブンズを眼にしたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?