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M-1予選が興味深い

今回は、お笑いのM-1グランプリ(以下M-1)予選の話。

M-1といえば、お笑いが興味ない人でも名前くらいは知っているくらい有名な賞レースである。年の瀬になれば、TVで決勝戦の様子を放送するが、そこに至るまでの過程を今まで良く知らなかった。

自分の中のお笑い熱が上がっている今、M-1の予選に注目してみた。


M-1 エントリー資格

出場資格は、結成15年以内で2人組ならプロアマ問わず誰でもOK。

そんな門戸の広い大会なんだ!?

例えば、私が誰か相方を見つけて、ネタさえ作れば出られるって事……いやいや、出来ないけど。いくら失業中で時間があるとはいえ、私に漫才のネタを作ったり、舞台の上で話す才能なんてある訳ないし(激あがり症だし)

そもそも、M-1グランプリなんて、プロの芸人さん達が売れる為にガチガチで挑む賞レースなんでしょ?と思っていたが、どうやら、そうでもないみたいで。

もちろん、そういう意気込みでチャレンジしているプロ芸人さんも多いが、アマチュアの方達は、お祭りとして楽しむ為に出場している方も見受けられる。確かに、事務所に所属していないアマチュアはお客さんの前で、何より審査員の前で自分のネタを観てもらう機会なんて、なかなかない。

ナイスアマチュア賞 感想

ナイスアマチュア賞を獲得した何組かのコンビの漫才ネタを観てみた。その中で2組の感想を語ろうと思う。

だったら菜

こちら、元歯科医の先生と元患者さんという異色コンビ。

M-1予選は、前記した通り門戸が広いので、様々な経歴の方が出場している。当然、絶対に優勝して売れてやる!という意気込みではなく、お笑い好きだから、ちょっと出てみようかというノリだと思う。

演技はぎこちなかったが、まるで親子のようなビジュアルの2人が漫才やっているってだけで、ウケポイントだ。漫才の舞台は話術だけではなく、まず見た感じの印象で興味を引くのも戦略の1つだとは思う。特に無名の場合は、お客さんは自分達に興味ゼロの状態から見始める訳だし、有名な芸人よりもかなりハンデがある。

途中で先生が「1人ウケた!」って喜んでいる姿が可愛かった。でも、先生の声は年の割には張りがあって聞きやすかったし、お姉さんの方は、優しい感じの癒し系な声だった。

先生はどうやら、現在でもセミナーをこなしているようで、だから声が通ったのかと納得。お姉さんの方はコメントに正体を書いている人もいたが、確定ではないので、あくまでも元患者さんという事で。

残念ながら1回戦で敗退したが、ナイスアマチュア賞をもらって、先生とお姉さんも良い思い出になったんじゃないかと思う。

めっちゃメゾソプラノ

こちらは、塾講師と現役のオペラ歌手のコンビ。

ボケのお兄さんは塾講師と言いつつ、実は事務所にも所属している芸人さんみたいなんだけど、仕事の割合が塾講師の方が多いのかもしれない。ツッコミのお姉さんは、現在も活躍中のプロのオペラ歌手である。このコンビも、優勝を狙ってやってきたという訳ではなさそうだ。芸人業もしているお兄さんはともかく、お姉さんがプロのオペラ歌手を廃業して芸人になるとも思えない。

漫才が始まったが、さすがボケのお兄さんは舞台慣れしているから声も出ている。そして、ツッコミのお姉さんも全く物怖じせず堂々とした佇まい。こちらも違う意味で舞台慣れしている。そして、何とツッコミがオペラ調。美声で「なんでやねん」をかましていた。お兄さんが「漫才が進化していく中でこんなツッコミがあってもいいかと」と観客に投げかけて、お姉さんの手を引き舞台からはけていった。

いや、あの声量は反則だ。お姉さんは、お笑いというカテゴリーではド素人のまま、無理に面白い事を言わずに舞台慣れしている故の堂々とした佇まいと、「オペラの美声」という他の業種の武器のみで笑いを取るとは、考えたなと。

M-1の審査基準が、“とにかくおもしろい漫才”なので。どんなネタでもお客さんの興味を引き付けて、笑わせればコンビの勝ち。

1回戦を見事に通過していたが、次のネタはどうするのだろうか。またオペラを絡めるのだろうが、もしかしたら今度は歌うお姉さんに逆にツッコミを入れるネタになるのかな?とか、勝手に想像するのも楽しい。

終わりに

今まで、M-1の予選に注目した事もなかったが、アマチュアでこんなにバラエティ豊かな人達が出場しているとは思わなかった。

最終的に残るのは、実力あるプロの芸人さんだとしても、大きな賞レースにチャレンジする事は、必ず人生の糧になるはず。

個性豊かなそれぞれのコンビが、どんな経緯で出場しているかを想像するのも楽しい。

1回戦が終わって、2回戦が始まるが引き続き注目していこうと思う。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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