トートタロットの物語(#Ⅱ The Priestess・女司祭長)

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私はギリシャ神話の女神アルテミス。エジプト神話ではイシスと呼ばれています。
処女神であり狩猟の女神でもあるので、潔癖でありながら勇敢な面を持っているのですよ。

「女司祭長」は人間界では「尼」や「巫女」をイメージして貰えるといいでしょう。「尼」は神に仕える者。「巫女」は神のメッセージを受け取り、伝える者。今風に言えば「占い師」ですね。

私はベールをかけて俗世間から少し離れた場所にいます。所謂一線を引き「一人静かな場所」を作っているのです。そこで神のメッセージを受けとり、本を読み、音楽を聴いて心を満たしています。心が満たされると俗世的な物欲には支配されなくなりますよ。だからベールの向こう側に食べ物や宝石を置いているのです。

寺院という隔離された場所で自給自足をしている私にとって一人で生きていくことは当たり前。俗世間では「自立」だとか。基本的に尼は神と結婚していることになっているので、婚姻届け的な「結婚」はしません。もし私が人間であるならば、スーツをピシッと着た独身のバリバリのキャリアウーマンですね。

私はカトリックの女子高育ち。なのでメイクやオシャレには無縁だし、興味を持ったことがないわ。今の素の自分で十分。だから飾ることなど必要ないと思っているの。勉強も読書も好きで小学校の頃からずっと生徒会長をしてきたのよ。一人の時間も大好きで特に寂しいと思ったこともないわ。石の女として描かれている位なのでお堅くて真面目であることは認める。でも、決して無感情・不感症ではないのよ。

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