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「旅は道連れ」誰と旅に行く?

今回は、カドゥの日常を少し紹介したいと思って、彼が主人公のマンガを描きました。
楽しんでくださいね。

※マンガは左上からお読みください(左綴じ)
※テキストが読みにくい場合は、画像をクリックすると大きくなります

プロヴァンス鉄道と本の旅(フランス)

「旅は道連れ」と言いますが、私もカドゥのように誰を連れて行くか毎回悩みます。行き先が決まったらすぐに、「道連れ」を探し始めます。
異国で読む本は、うまくハマると最高の一冊になる。
ガイドブックや旅先の歴史の本も良いのですが、小説を選ぶのも楽しい。

今回はカドゥはアニー(アーネスト・ヘミングウェイ)を選びましたが、思わずダン・ブラウンも連れて行ってしまう。この気持ち、わかる人もいるのではないでしょうか。

ヘミングウェイの「エデンの園」は南仏のカマルグ地方の小さな町からお話が始まります。読んだことがある人は、表紙のカドゥのバックの中に入っているお酒が何かわかるかもしれませんね。
そして、ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」において、ストーリーの鍵を握る歴史上の人物、マグダラのマリア。
マリアがパレスチナからの舟でたどり着いたと言われているのが、やはり南仏のカマルグ。

私は、旅の行き先が舞台になった小説を持っていくことも多く、日本で読むよりも現地で読むほうが、香りや色が感じられて好きなんです。

とは言っても、分厚い本だとためらいます。ダン・ブラウンなんて、たいてい上中下巻ありますからね。カドゥじゃなくても悩むでしょう。
今はkindleを使うようになり、少しは楽になりましたが、過去にはたくさんの本を持っていき、宿に少しずつ寄付したり、本を交換をしたりしながら旅をしたものでした。


ドイツの古城に泊まった時のことです。
海外旅行客が来ないようなマイナーな城で、古城ホテルというより、日本でいう武家屋敷のような宿。
昼間はとても素敵だったのですが、夜になると雰囲気が一変。

廊下は薄暗く、歩くとギシギシと軋み、古い糸繰り台や塗装のはがれかけた大きな木箱があちこちにあって、まるでお化け屋敷のよう。
城の中を歩いていて、狭い小部屋に降り立った時に突然明かりが付き、そこに現れたのが小さな教会。ぎょっとしてしまい、腰が抜けそうになりました。

その城で読んだ篠田節子さんの小説が忘れられません。
明るい昼間に読んだら大して怖くない小説だったと思いますが、その古城で読んだ時には怖くて怖くて怖くて。
窓を叩く風の音にいちいちビクビクしながら読みました。

次にセツコさんを連れて行くならエーゲ海あたりにします。
古城には連れて行かないぞ!

英語翻訳:富田梨恵
ネイティブチェック:Shōn Sensei

サポート頂けましたら、際限なく降りかかってくる紙代と画材代に充てたいと思います。