とにかく目の前の問題
スウェーデンについてから毎日なんだかんだ楽しい。散歩するだけで植生の違いに喜んだり、太陽が照ったら心が溶けるくらい嬉しかったり、カフェのメニューにペルシャ料理や南米のものが並んでいるのを見て、これぞスウェーデンなり、とニヤニヤしたりする。
ちょうど2週間経って今、思うことはいろいろある。
のだけど。
目の前の問題に全思考を持って行かれている。
今、わたしはホステルの一室でいそいそと夕飯のサラダを作っていた。
キッチン付きの部屋かというと実は違う。キッチンとバスルームは共用、部屋だけ個室のホステルだ。学生の頃から低予算の旅をしてきたために、社会人になっても「ドミトリーじゃなくて個室なんて贅沢!」と喜んでいるような旅行者なので今回もそうなのである。
なぜキッチンのないただの個室でサラダを作っているのかというと、キッチンが占領されているからだ。
端っこあけてもらって使えば良いじゃん、と思われるかもしれない。わたしもそうしたい。なぜそうしないか。おっかない客が占領しているのである。
昨日まではしごく快適だった。オフシーズンなので宿泊客は少なく、キッチンもバスルームもほとんど人とかぶることなく使用できていて、建物が古いため壁は薄いけれど、地震がない国なので地鳴りのような音がしてもまあやり過ごせばよかった。
しかし。昨日到着した青年たちのグループがトンデモナイ騒音メイカーなのだ。
そしてキッチンを夕方から夜中まで占領する。音楽を爆音でかけ、大声で話しかなり口論もしている。仲良いのか悪いのかなんなんだ。話し方からも歩き方もからも、とにかくおっかない。関わりたくない。
部屋を出たら出会ってしまうのでできるだけ我慢していたが、先ほどトイレに行きたくなったのでエイヤッと行ってみると、案の定、通りがかりにキャットコールである。
嗚呼。
正直、あんな大きな男たちの、しかもマナーのないグループに対して、アジア人の女一人は分が悪すぎる。彼らが悪い人でなかったとしても、ここは自衛に専念すべきではなかろうか?
そう考えた私はおもむろにBooking.comをひらいて宿替えを検討した。今度は壁の厚い、専用バスルームのある宿、少し値が張ってマナーある人しか泊まらなさそうな宿、、、スタッフが24時間常駐していることも重要だ、、、
3時間悩んだ。
、、、お金がない。
お金がない、これほど悩みようのないフレーズが他にあるだろうか。
とにかく少なくとも今夜はここに留まるのだし、彼らが明日チェックアウトするかもしれないし、なによりお金がないのだし、工夫してサバイブしなければ。
ということで腹を決め、彼らがタバコを吹かしに外へ出た隙にキッチンに入り、食材を部屋へ連れ込んでサラダを作っていたのである。
明日彼らがまだいたら、ホステルのスタッフに相談して何か手を打とう。
これも良い経験だ。
お金で解決できる問題でまだよかった。
今後はできるだけ客層の良い、つまり今まで選ばなかった値段の宿を選ぶことにする。つまり、予定より大幅に、稼がねばならない。
創作活動の糧にします!