見出し画像

働き方改革は時間短縮だけじゃだめだよね

今、時間外労働の問題とか激務とかいろいろいわれているのですが、ブラック企業じゃないところってどのくらいあるんでしょう?
要は多くの会社員がそこで必要以上の要求を求められてパンクにまで追い込まれる会社が多いから問題になる。人間関係やいじめに近いやり方、だれも助けないとか声をかけないとか・・・多分いろいろな要素があると思います。もちろんうちの業界もブラックですよ。ずっとタダ働きしてきたことを思うと、情けなくなることもしばしば。しかも世間的には楽な仕事ぐらいにしか思われない。先日厚労省の職員(それもキャリアの)が覚せい剤使用で逮捕されて公判がありましたが、なんと月の超過勤務が300時間越え。しかも超勤が減ったら「鬱」になって、仕事を続けるために使用した・・と。
恐らく寝ないで仕事ができる・・そういう身体になりたかったのか・・。
若手職員のアンケートも公表されましたが、「地獄だと思った。」という声が多くありました。

病院だってブラックの代表。でも命がかかってたらそんなこと言ってられない。だからドクターは激務になる。いまは、17時になったら帰れという命令が出る。そして残りたければ、自由意志だからね。と念押しされるそうです。新米医師が手術とか勉強したかったら、自由意志で手術に立ち会えということです。病院は勤務時間を解いているのでそれは超過勤務じゃない。
これじゃいい医師が育たないと嘆いていました。

さて、これで雇う側は、労働基準法にのっとって業務を減らして残業を改善したという報告ができるわけです。この構造・・・どこもいっしょじゃないですかね?
業務が終わらないのは自己責任。残るのも自己責任。これでは何のために仕事を一生懸命しているのかわからなくなります。
仕事に誇りを持っていれば、結果を出すまで頑張ります。そのために多くの人が遅くまで残らなければならないことたくさんありました。

あるときなど、とある建築工事の現場監督さんはその仕事全部を任されていました。工期も残ってないので年末年始の休みもなく、しかもこの工事を受け持って10キロやせたといいました。でも、やり遂げた。
この時の「やり遂げた感」は最高でした。同時に感謝しかありません。
まあ、これを称してブラック企業というのかもしれませんが。そりゃ職人さんをはじめ皆さん文句を言いましたよ。「ったく・・・年末年始も休めないのかよ!わかったよ。やればいいんでしょ。手当は弾むんだよね??」とかいいながら仕事に来ていました。職人さんたちと違って現場監督さんたちのご苦労は普通じゃありません。こういったストレスは誰かが代わりになることが出来ません。だから倒れてしまったりするんです。倒れる前に受け止めることが出来る環境は誰が作るのか。やっぱり仲間だったり、上司だったりじゃないでしょうか。

本当の業務改善とは、「勤務時間」ではなく「仕事の中身」を見直すことと、業務に合わせた人員配置、そして超過勤務に対する正当な報酬。これで働く人のモチベーションが変わると思うのですが。特に中間管理職の場合、超過勤務手当がないところも数多くあります。管理職手当に含まれているとか定額超過勤務手当制度とか・・・これ業務内容に見合ってないと思います。超過勤務手当は給与とは別予算を計上しなければなりません。社員数と給与を掛けて給与で計上する予算は固定費。さらに超過勤務予算の計上となるわけですが、当然削減傾向にあります。もともと予算がないから残っても支払われないという構造。ならば、業務改善なりを小手先ではなく大幅に変更できないかと思う。

「昭和」のサラリーマンは時代錯誤なのでしょう。働き方改革の大事なことは健全な精神で仕事ができることなんです。上司の在り方、いわゆる人間性の方が大事ではないかしら。

驚くほど野蛮な職場、いじめが横行する職場、自分だけが良ければいいという人ばかりの職場、これでは働く意欲なんて無くなります。

さらに、終身雇用は終焉を迎え、副業を解禁する会社が増加。まさに自己責任で生きるってところでしょうね。海外ではそれが普通だということも言われています。外国人と仕事をすると、自己主張をする文化、絶対に謝らない文化、協力を惜しまない文化、悪口は言うけど陰口を言わない文化・・・
まああらゆるところで違いを感じるわけですが、それはそれで面白いのですが、この精神は日本人にはないよなぁ・・・なんて言うことしばしばあります。そんな彼らと異文化共同体のように生きる会社を作れば,もう少し違った発展をするかもしれない。慣れるまで大変だけど・・・
でも気のいい人が多いので、それはそれで面白い。

日本では「できない」理由が先に来る。そして「できない」ということが大事。前例踏襲するほうがいいわけです。先ずやってみようよ。なんていうのはなかなか出てこない。たまにそういうことをうまく実施した企業は生き残っているけれど、それが上手くいかなかった企業はダメになりますね。

noteを見ていて、多くの方が問題意識を持ちクリエイティブに仕事をしている姿をみていて世の中変わってきているんだなって思います。そんな新しい風を応援できる社会になるといいなって思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?