観に行きたかったけど叶わなかった映画

「がんになる前に知っておくこと」という
ドキュメンタリー映画が上映されていた。


ちょうど韓国へ旅に出たり、その分の穴埋めで仕事をせっせと入れてしまったので観にいくことが叶わなかった。

厳密にいうと、もう「がん」になってしまったんだけどなってしまっていろいろ調べるうちに、イメージと現実の解離の甚しさはなかなかのもので、
「そういえば痩せたと思った」とか、
今にも死にそうな扱いを受けて「すぐ死なんで!」
とがん患者本人が火消しに回るという事態に陥った。

「○○を食べたら治る」とか逆に「○○を食べるから「がん」になった」とかも言われた。
呪いかよ。

私自身も不治の病のイメージを持っていたけれど、
がんにまつわる本を取り寄せて何冊か読んで、
「標準治療」を受ける!と考えを固めていった。

悲観している暇なかったんで、
「がんもどき」と言ってる先生や「標準治療」を悪者扱いしている非科学的な文献は遠ざけた。

親切心から「セカンドオピニオンを受けて」や「病院を紹介してあげる」とも言われたけれど「病院のツテならうちの実家医者だらけやからな」…とそっと思った。

病人はニコニコしながら善意にうなずかなければならない。たとえ善意という名の土足行動にも文句を言ってはいけないのだ。
何しろ「心配してもらってる」のだから…。

私たちは日常「がん」について遠ざけて知ろうとしない。がん=死に病 というイメージが根強い。


反対に、復職して見た目に普通でバリバリと動ける
「がんサバイバー(私)」の前で10歳以上若いくせに
「もう歳ですよ…身体ボロボロです。過労で」という自分のことしか考えてないカマちょの社員野郎と一緒に働いているがデリカシーないなぁ…と思う。

「心療内科紹介しましょうか?」と言ったが、
心配されたい病人もどきは本当の病気になってはいけないし治療して健康になったらいけないのだ…「病院に行ったら過労ですね」と言われたとうれしげに話しまくっていた。

悪いところがなかったら先生もそれしか言うことないやん。ストレス性か過労だよ。


毎日、あそこが痛い、ここが痛い、めまいがする、吐きそうだ…と片乳の前で言う。お前もちん○切ってもらえよ。

あらやだ、私ったら実はメンドクサイと思ってるのよ

あいつにはがん=死に病のイメージを植え付けてやりたいわ!


とも思うけど、他人に期待はしていない。
人生経験の深さで他者への配慮や思いやりは育つのだ。

自分自分自分の枠から出られず、
本人以外うんざりしているのに本人だけが気付いていないのだ。そっとしてやるのが大人。

大人って残酷だよな……


そんなわけで、観たかったなぁっていう良さそうな映画はいつも単館上映で上映期間も短い…。
どこかで観られる機会があればなぁ…と思う。
そして「がん」についてみんなが知る機会がもっと増えたらいいなぁ…と思う。


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