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【実施報告】教員のためのゲーム障害の予防と支援

8月から夏休みに入った学校も多いようですね。
学校再開後、「新しい生活様式」を踏まえ、制約がある中で学校生活を送らなければならず、子どもも先生も相当な負担があったのではないかと思います。
ただ今年の夏休みについて、文部科学省の調査によると、公立学校の95%は夏休みを短縮し、「16日間」が最多という結果でした。
例年より短い夏休み、限られた状況の中でも、のびのびとリフレッシュできるよう工夫していきたいものですね。

今回は8月1日(土)にMIRA-iが主催し、教員向けのオンラインセミナーを開催したので、当日の模様をお伝えします。

開催概要
[日時]2020年8月1日 (土)午前10時~11時30分
[会場]Zoom
[対象]教育関係者
[定員]20名
[受講料]2500円(税込)

15名の方に申し込みいただきました。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました!

セミナー当日の流れ

テーマは「教員のためのゲーム障害の予防と支援」

子どものゲーム障害を防ぐためのポイントや実際の対応方法について学ぶことを目的としました。

当日は以下の流れで進行しました。
・ゲーム障害について(定義、メカニズム、チェック方法など)
・家庭や教育現場での予防について
・依存状態にある本人と保護者への対応方法
・まとめ・質疑応答

講義では、ゲームの使用ルールの作り方や効果的に運用するポイント、ゲーム以外の活動を促すことの重要性、本人との関わり方などについて解説をしました。

質疑応答

現場で対応されている先生方からの質問とそれに対する回答を一部ご紹介します。

【質問】ゲーム障害で再発はあるのか?再発する場合の対処法について。

【回答】ゲームの使用を減らしたり、やめることができても、再び過剰に使用してしまうこと、つまり「再発」することはあります。
したがってカウンセリングの中で、再発ついて考える機会を作り、予防方法や対処策をあらかじめ考えておきます。
具体的には大きく3つの観点から検討します。
①ゲームをやりすぎてしまう状況を避けるための工夫
②ゲームをやりすぎてしまった時にさらにエスカレートしないため対処方法
③再発は起こりうることを受け止め、抱えずに早めにSOSを出すための工夫
【質問】出来たことのご褒美としてゲームを設定することは良いのか。

【回答】まず前提として頑張った量に見合ったご褒美を設定する必要があります。そのため、これが出来たらゲームし放題という設定はNGですし、依存の観点からも連続使用になる状況はリスクがあります。例えば、1日のゲーム時間の上限を決めた上で、1時間宿題をしたらゲーム1時間OKという形であれば、ゲームをご褒美として良い行動を促すことができるかもしれません。同時に、保護者が十分に褒めるなど肯定的な関わりもセットにすることが大切です。また、ご褒美がなくても良い行動が継続できるように、少しずつご褒美としてのゲームを減らせないか、他の活動やものに置き換えることができないかを探っていきます。

参加者の皆さまのご感想

当日参加された方からいただいた感想をご紹介します。

ゲームについて理解を深めるのは、生徒含め子供との距離を縮め話し合いの場を持つためには良い事だと感じた。(私もスマホゲームをやっているが、オンラインで複数名と関わるゲームには詳しくなかったことに気がついた。)
貴重な学びをありがとうございました。このようなコロナ禍で県外への移動が難しい中、オンラインでの受講は大変ありがたかったです。学校において、巡回相談が主な仕事の一つですが、近年ゲーム障害と思われる子どもたちが増えていることが心配です。授業はゲームに比べて刺激が少なくやる気が出ない、立ち歩き、教室から出てしまう、家に無断で帰ってしまうなどゲームから派生する問題にどのように対応するべきかヒントを学ぶことができました。
ゲーム依存の判断の難しさがよくわかりました。薬物などのように明確な害が分かりづらいので、わがままと捉えやすいところが、この病気の難しさだと再認識しました。現在担任している児童もおそらく夜中中やっていて、学校に来られないという事態になっていると思われるのですが、家庭での時間だけに支援を難しさを感じています。

最後に

セミナーに参加された先生方のお話から、やはり学校現場での対応に難しさを感じられていることを再認識しました。
今後のテーマについてアンケートをとったところ、「具体的にどのように回復していくか知りたい」という声が多かったので、今後は回復のステップについて具体的に解説したり、演習などを取り入れて相互に学びを深める会などを企画できればと考えています。

今後とも、現場での実践に役立つセミナーを企画していきたいと思います。

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