見出し画像

団結のドミナリア環境 グルールミッドレンジ調整録

はじめに


団ドミ好評発売中

団結のドミナリア発売から1週間ほど経つが皆さんいかがお過ごしだろうか。
スポイラーの段階からとあるカードに目をつけていた私は、この1週間グルールミッドレンジの調整を続けていた。
まだまだ調整中のデッキではあるが、その軌跡を備忘録としてここに残そうと思う。

ラノワールの壌土語り

私が目をつけていたカードは、ヘッダーで盛大にネタバレをしていた通りラノワールの壌土語りである。
5色マナを出す2マナのマナクリーチャーであるにも関わらず、タフネスが3と高くマナフラッドを受けられる能力まで付いている。
ユートピアの木のことを考えるとえらい大盤振る舞いである。
このカードから4マナ、5マナの上質なアタッカーに繋げる動きを目標としてスタンダードのデッキを構築していきたい。
目指すは森の女人像からポルクラノス、嵐の息吹のドラゴンを展開していた往年のグルールモンスターである。

古のハッピーセット

4マナの上質なアタッカー

ウルヴェンワルドの奇異/ウルヴェンワルドのビヒモス

全環境では緑単アグロのフィニッシャーを担っていたビースト。今回はグルールミッドレンジの中堅を担ってもらう。
4/4の可愛げのあるボディにトランプルと速攻を兼ね備えたハードパンチャーだ。
起動型能力も、ミシュラランドが無くなったグルールミッドレンジのマナフラッド受けとして期待している。
マナコストを要求する起動型能力もあるので実質令和のポルクラノスと言って差し支えないだろう。

結ばれた者、ハラナとアレイナ

自身に強化が乗らない(乗ったら強すぎる)が、+1/+1カウンターという形で永続的な強化をバラまけるのは魅力的。
速攻も与える為、1ターン生き残ってしまえば次ターンのアタックは盤面の計算を遥かに超えたダメージを叩き出す。
単体では仕事をしない、4マナだが3点火力で落ちる、と脆いところはあるが爆発力に期待したい。
強化をばら撒くその姿はさながら令和の歓楽の神、ゼナゴスと言える。

5マナの上質なアタッカー

作業場の戦長

除去をされてもトークンを残すことでアドバンテージ負けせず、ライフゲインでアグロにも強く、パワー5のトランプルで殴り力も十分な万能選手。
速攻が無いのが難点ではあるが、奇襲である程度それを補っている。
明らかにそうデザインされているが、彼は間違いなく令和のスラーグ牙だ。
グルールモンスターにはローテーションの都合でいなかったが、いたら採用してそうだしまあいいだろう。(適当)

移り気な放火魔/凶兆の血の騒擾者

作業場の戦長を攻めも守りもこなせる優等生とすると、移り気な放火魔は殴りに全振りしたヤクザと言えるだろう。
威迫、速攻、アタック時のダメージバラ撒きと見事にライフを奪うテキストしか書かれていない。
そのストロングさは変身しても変わらず、本体サイズと火力が上がることで更に激しくライフを削ってくれる。
彼は令和の嵐の息吹のドラゴンだ。
威迫なんてだいたい飛行みたいなもんだし、怪物化こそ無いもののダメージを飛ばす能力があるので6割くらいは嵐の息吹のドラゴンと言える。

プロトタイプ

そして完成したデッキがこちらである。

グルールミッドレンジ(プロトタイプ)

横一直線のマナカーブが美しすぎる。
ここからは上記で述べなかったカードを説明していこうと思う。

除去(尾の強打、炎の排出)

軽量でありながら火力の出るものをチョイスした。
尾の強打は吹雪の乱闘を思わせる性能だが、インスタントである点は明確に強化されたポイントと言えるだろう。緑系ミッドレンジであれば是非使ってみたい除去だ。
炎の排出はX火力ではあるが、改善クリーチャーをコントロールすることでコストパフォーマンスを劇的に上げることができる。プレイヤーに飛ばないのは残念だが、対アグロからミッドレンジまで幅広い除去として使えることを期待している。

鏡割りの寓話

禁止回避

言わずと知れた強カード。マナ加速、ルーティング、プチキキジキと全ての性能がデッキと噛み合っている……とあらゆるデッキが口にして採用しているように、本デッキでも採用するのは自然な流れだ。
キキジキで作業場の戦長を増やすと強いのだが勘違いしてはいけない。キキジキが誰かを増やしだしたら相方がなんであれ強いのだ。

クウィリーオンの獣呼び

とりあえず強そう、かつ改善シナジーの為に採用。
これの次に鏡割りの寓話を出すとめちゃくちゃモヤっとする。

無謀な嵐探し/嵐蓄積の斬鬼

単体でも3/3速攻として機能するが、後続に速攻と修正を与えたり裏面になればトランプルを付けたりと見た目以上に器用な運用が可能。
作業場の戦長に速攻を付与したりデカくなった獣呼びにトランプルを付与したりとオリカの制作に余念がない。

収穫祭の襲撃

本デッキの必殺技枠。
単純に枚数でアドバンテージが取れるだけでなく、無謀な嵐探しやハラナとアレイナのような他者を強化するクリーチャーを強化先と一緒に並べられる点も好印象。
5枚は多いようで少ないので祈りながら捲ろう。
アリーナでは祈る時間も与えられないのが辛いところ。

黙示録、シェオルドレッド

当然これは採用カードではない。
本デッキでラダーに潜ったところ、あまりにも突破できなさすぎて泣きそうになってしまった。
ある意味他の新規カードよりよっぽどデッキ構築に影響を与えるカードかもしれない。
・5点火力など無いので焼けない(炎の排出の改善ボーナスを安定して達成するには改善クリーチャーが足りない)
・接死があるので格闘するとアド損。
・放置してライフを削ろうとしてもライフゲインが強力すぎて間に合わない。
などなど多角的なアプローチでグルールミッドレンジを攻めてくる。

彼女の突破を頭に入れなければスタンダードを生き抜くことはできないと考え改良したバージョン2がこれだ。

バージョン2

炎恵みの稲妻

1マナ除去である尾の強打が黒系に弱い為全抜きし、代わりに採用した軽量除去がこれだ。
アグロ耐性となるだけでなく、しつこい負け犬を後腐れなく除去することができるのは嬉しい。

ラーダの扇動者

2マナパワー3が頼もしいだけで無く、効果を起動してパワー5にすればシェオルドレッドをブロック不能にすることもできる。
タフネスが1なのは気になるが、幸い棘平原の危険はスタン落ちしたところだ。

神の火炎

尾の強打が抜けたため軽量除去として採用。
今改めて見ると何を想定したのか謎の3点火力だが……
改善シナジーも多少残っている為ボーナスに期待。

ヤヴィマヤの偶像破壊者

お試し枠。火打ち蹄の猪を思い起こさせる性能。
軽いトランプル持ちの為ハラナとアレイナで強化する先として最適。
キッカーしても肝心のシェオルドレッドが抜けないが2マナクリーチャーにあまり求めすぎるのも酷というものだろう。

引き裂く炎

対シェオルドレッド最終兵器。
4マナのクリーチャーを3マナで倒しているのでテンポ的にはギリ及第点といったところ。
5点火力をだいたい確定除去と考えると、薄目で見れば英雄の破滅のように見えて許せないこともないかもしれない。

切り崩し

当然このカードもデッキ採用カードではない。
1マナで2マナのクリーチャーまでなら安定して処理できる除去として黒系デッキでは頻繁に採用しているが、本デッキでは嵐呼びやハラナとアレイナなど3マナ、4マナのクリーチャーまでもが対処されてしまい、恐ろしいほどのテンポを取られてしまう。
ハラナとアレイナを出した返しにこれで処理されつつ墓地の侵入者などを出されてしまうと目も当てられない。

完全に回避することは難しいが、「可能な限り切り崩しを回避する」というコンセプトで構築したデッキがこれだ。

バージョン3

宝石泥棒

コモン

一見リミテッド用のカードだが、待って欲しい。
3/3の為切り崩しが効かず、警戒を持つ為放浪皇に強い。宝物で1ターン早く作業場の戦長を出せる、等完璧に噛み合った1枚だ。
候補に荊橋の追跡者、ラノワールの緑後家蜘蛛などがいる。
どちらもアドバンテージの取れるカードだが、マナ加速ができるのは宝石泥棒だけだ。

レア

轟く雷獣

ハラナとアレイナに変わり、切り崩しで死なない4マナアタッカーとして採用。
単体でも4/4速攻として活用できるが、カウンターの置き場所を選ぶことで面での闘いができる点は強み。
一方で効果の誘発には攻撃が必要となり、ハラナとアレイナほどの爆発力も無い点が気になる。

ヴェールのリリアナ

手札捨て捨ておばさん

そしてこれである。
嵐追いを失うことで3ターン目の速攻クリーチャーがいなくなり、最速で着地したヴェールのリリアナにマウントを取られやすくなってしまった。
轟く雷獣はハラナとアレイナより良いかもしれないが、どちらにせよリリアナが定着した後では無力なのだ。

黒のハッピーセット

シェオルドレッド、切り崩し、ヴェールのリリアナ……
グルールミッドレンジで全てに対処することは難しい。
ある程度は特定のカードに弱くても仕方ないと割り切り、カードパワーやハマった時のインパクトを重視して再構築したバージョンがこれだ。

バージョン4


除去を減らし、黒単に強そうなタミヨウの保管を入れている。
6マナまで伸ばしたいことも考え土地も1枚増やしている。
カードのほとんどは解説したものなので改めての解説は省くが、黒単への相性とカードパワーのバランスを取りながら構築を考えている。
まだまだ発展途上のデッキなので、今後もラダーでアップデートを重ねていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?