封印されていた記憶
本当に昔々のことなのだが、今日久しぶりに思い出したことがありそのことを書いてみたくなった。
それは二十代の初めのある時期、ほんの数か月の期間だが、わたしがそれまでの自分とはまったく別の人になっていたときのことだ。
自分の名前とか幼い時からの記憶は、一所懸命思い出そうとすれば、思い出せなくもなかったけど、それらのすべては絵空事のようで現実感がなかった。
ただ、自分がどこか地球に似た別の星から来たことを全く忘れていたのに不意にすべてが蘇ってきてしまったというか、それほど今までの自分とは思考や感覚が異なることにある日突然気づいたのだ。
単純な言い方をすると、夢と現実がひっくり返って逆になってしまったということかもしれない。
でもそれでもそのとき、わたしはなにがしかの理性は持ち合わせていたらしく、わたしにとってリアリティのある方の記憶を周りの人に話しても、荒唐無稽な作り話にしか思えないだろうということは理解していた。
だからそのことを誰にも話さなかったのだけど、明らかに様子がおかしいことも事実だったようで、家族や友人や当時通っていた大学の先生からもずいぶん心配された。
しかし、その期間はさほど長くは続かなかった。というのも、その後数か月経ってわたしは不慮の事故で大怪我をし半年以上の療養生活を送る中で、死から生への帰還を余儀なくされたのだ。その過程であの数か月の不可思議な記憶は封印された。
今、本当に長い長い時間を経たけれど、封印を解きあのときのことを少しずつ思い出してみようかと思う。
#リアリティ #地球に似た別の星 #不可思議な記憶 #死から生への帰還
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