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8月16日以降の世界、旅の始まり

「どこへたどり着く わからないけれど
旅の始まりに 胸は震える」

宝塚歌劇の大好きな作品『カルーセル輪舞曲』プロローグのこの歌詞を、わたしは人生の色々な時の灯台にしてきました。

このフレーズを歌う月組のトップスター、珠城りょうさんが宝塚をご卒業されるその日も、わたしが心の中で縋っていたのはこの歌詞だったように思います。
どんな物事にも終わりがあるけれど、その先には新しい「旅の始まり」が待っている!強がりでも痩せ我慢でも、無理やりにでもそう思うことで、わたしは世界や人生を肯定する力を自分の中に培ってきたんだということに、改めて気づかされました。

何が書きたかったのかというと…わたしの敬愛する大好きなご贔屓様、珠城りょうさん(既に2回、珠城さんの名をフルネームで記していますが、未だにお名前を綴るだけで緊張します)が8月15日に宝塚をご卒業されました。
そこから約2週間の間、自分の気持ちの動きがあまりにジェットコースターだったので、その経過を書き残しておきたいな、という思いに駆られ、文章を書いている次第です。


大千秋楽の翌日と翌々日はお休みを取っていたので、観劇の感想や溢れる思い、忘れたくない全てをひたすらノートに書き綴り、全公演欠けることなく出演者全員で無事に完走出来たことを寿ぎ感謝すべく、公演にもゆかりのある楠公さんこと湊川神社に参拝しました。

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その二つは、公演が終わったら絶対にやりたかったことなので、望み通り…だったのですが、いざどちらも終えてしまうと何というか、ちょっと途方に暮れたみたいな気持ちになってしまって。
心はまだ公演の世界にいるので余韻を味わっていたい一方で、昨日までとすっかり変わってしまった「珠城さんがご卒業された後の世界」にうまく足がついていない感覚。

日付が16日に変わると同時に配信がスタートした珠城さんサヨナラショーの音源も、配信のタイミングが奇跡すぎる、有り難すぎます!と速攻で購入したけれど、すぐに聴いたら観劇(ビューイング)の記憶が上書きされてしまいそうだから、しばらく仕舞っておこう…という感じで。

発売日より早くゲットした『桜嵐記/Dream Chaser』のブルーレイも、これを見たらもうこの作品を劇場で見ることはないという事実に直面してしまう…!という思いが強くて、この時はもちろん、実は未だに再生出来ておりません(でも作品世界がとても恋しいので、8月中には見たいな…)。

この時期は台風などで曇りや雨の日が続き、朝起きても「はあ〜天気悪っ…珠城さん、お元気でしょうか…」と、遠目でたそがれモードみたいな感じの日々でした。
何を考えていても結びの言葉は「は〜〜珠城さんに会いたい…」に帰結する、さながら手塚ゾーン状態(今も大概そうです)。

ちなみにファミマスイーツに「月たまみるく」という、ネーミングが神がかった美味しいお菓子があるのですが、キャトルで珠城さんのポストカードをもう買えない鬱憤をなぜかこのお菓子を買うことで晴らそうとする心の傾向があり、珠城さん何も関係ないのに、数日間でこのお菓子を何度も買うという謎のジェネリック行為に勤しんでいました…。

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そんな風に一日千秋の思いを味わっていた最中、8月20日にとても嬉しいお知らせがありました。
11月に花組・月組100周年を記念して行われる公演「Greatest Moment」に、珠城さんが出演される!

公演概要に珠城さんのお姿を視界に入れたわたしは、自宅にいるのをいいことにぎゃっ!!!と叫び、飛び出た心臓を仕舞い込むかのように深呼吸しながら飲み物を用意し、音楽をかけ(ピガール狂騒曲の『ラ・ベル・エポック・ド・パリ』)、片手にぬいぐるみをホールドし、公開されたての概要をじっくりと見ました。
わたしの世界に…輝きが戻ってきた!!!!!
嬉しすぎる、最高、めっちゃ生きる、頑張って仕事する、え〜〜〜〜めちゃめちゃ嬉しい、珠城さんほんと綺麗、大好き、最高、歓喜の独り言をでかい声で言わずにはおれません(感情が昂りすぎて気持ちが全部声に出ちゃう現象!)、法螺貝があるなら爆音で吹き鳴らしたい!
爆発的な幸せ…自宅のいつものお部屋も何だかいい感じに見える…世界が違って見える!

公演日程を手帳にメモする手を震わせながら、頭の中ではぐるぐるとこの時期のお休み確保を算段し、チケット確保方法をあれこれ考え、こういう算段をするとき特有のアドレナリンがどばどば出ている感覚と再会。闘志が燃えるこの感じを、わたしは知っている!
昨日まで「下半期の休みの調整するのもやる気出ないわ〜…年内は月組さんの別箱のところが数日取れれば後はどこでもいいや…」などとダラダラしていたのが嘘のようです(月組さんの別箱は勿論めちゃめちゃ楽しみです!!!!!)。

多くの人がそうだったと思いますが、こういう作品が上演されるという発表の時点で、「歌劇」の石田先生のコメントを読むより早く、きっと珠城さんご出演されるだろうなあ!と妄想していました。
でもそれはあくまで推測の域を出ないわけで、それが現実ですよ!と告げられたときの大いなる喜びたるや!
(そして大楽の日の記者会見で珠城さんが仰っていた「OGの方々との出会いも楽しみに…」というようなお言葉が本当に額面通りだったことにも、すごくキュンとしてしまいました)

この日は大劇場で雪組さんを観劇する予定だったので、大劇場の改札内で早速公演のフライヤーを貰えました(チラシ取ってる人、めちゃめちゃ多かった…分かります!!!)。
珠城さんが出演者としてクレジットされ、印刷されたフライヤーを手に持っている…紙の重みが現実の手触りに思えて半泣きです。
畏れ多くてiPhoneの画面では拡大するのをためらわれた珠城さんのアー写を眺めて見惚れては仕舞い、眺めて見惚れては仕舞いを繰り返す怪しい人になっていましたが、嬉しいから仕方ありません。

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昨日までは「れいこさんのこともめちゃめちゃ大好きなのだけれど、このタイミングで景色の変わったキャトルに行くの、しんどいかもな…」と思っていましたが、ニュースが出てからは鼻歌まじりにノリノリで入店でした。


このスパークする喜びと愛、歌にするならばまさに、大好きだったアニメ、魔法陣グルグルの主題歌『晴れてハレルヤ』だっ!と、この日以降一日に何度もこの曲を聞いては「今のわたしの気持ちにこんなにしっくりくる曲があるなんて…!」としばしば涙ぐんでいます。(珠城さんも幼少の頃『魔法陣グルグル』のアニメをご覧になっていたと仰っていたので、それもあってかこの曲がぱんっと思い浮かびました)
あ〜〜体中の愛が歌い出してるっ!元々とても好きな曲でしたが、ますます大好きになりました。

嬉しさが高じて、まだチケットもないのに梅芸に着ていくと称してお洋服や化粧品をいくつも衝動買いするのも、お茶会の前みたいで幸せです。
ニュースとお写真1枚でそんなに?!とたじろぐ方もいらっしゃるかと思いますが、ご贔屓様とはかくも人生の光なのだ…と、自分でもこのテンションに半ば驚いているところです。


あとこれだけは書いておきたいのは「ご贔屓様の卒業直後に過去作を見るときってどんな気持ち?」ということについて。

珠城さんのご卒業が発表された後の観劇では、わたしはいつも「とにかく目の前の公演に集中する、卒業バイアスをかけたら公演じゃなくて自分の気持ちに中毒することになってしまうから、そういう見方は出来るだけしない」と誓っていました。
宝塚の公演はトップさんありきで作られるため、もちろんご卒業へのはなむけ的場面では、公演と現実の温かなリンクに涙すること数知れずではありましたが、そこで自分の感情に陶酔するのではなく「目の前の公演に集中」することが一観客としての誠実さであると信じ、そういう心構えでいたつもりです。

それは過去作を見るときも同じで、自分の感受性がどんどん珠城さんの尽きせぬ魅力を知ることにフォーカスしているから、ご卒業が近くなるといつも以上の感情量で見ている感覚もありましたが、ご卒業された後の今も「公演に集中する、好きな人の輝きを見つめることに全てをフォーカスする」という姿勢は変わらなくて。
だから作品を見ている時は、幸いあまりさみしさを感じず、ときめきや楽しさを引き続きフルスロットルで堪能し続けています。

正直、ご贔屓様の退団公演という劇薬全投入みたいな日々(?)の後で過去作を見たら、燃えつき症候群みたいにぼんやりしてしまうのでは、と少し心配していましたが、完全に杞憂でした。
そんな見方が手元に残ったのだから、わたしの作品への向き合い方はきっと大丈夫だった、真剣だし誠実だった、と思いたいです。


嬉しいニュースが出て1週間ほど経った今は、晴れてハレルヤを引き続き心のテーマソングに流しつつも、ああ〜今後も素敵なお知らせが沢山ありますように!願わくばこれからも、珠城さんに沢山お目にかかりたいです!と毎日そわそわワクワクしています。

こんなに色々な気持ちと、まだ見ぬ歓喜の予感、未来へのきらきらした輝きを見せて下さる大好きな珠城りょうさんに、心からの敬愛と感謝を込めて…!

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