行政方針より現地のニーズ。寄付型NPOだからできること【第2回定例会:「PLAS」門田さん(中編)】

NPO未来ラボ」の第2回定例会は、ケニアとウガンダでエイズ孤児の支援に取り組む国際NGO「PLAS」の門田瑠衣子さんを招いて行われました。活動を継続・発展させていくため、資金調達において重要な寄付者・ファンの獲得について、またツイッターやVoicyなどSNSでの発信について、お話を聞きました。前編、中編、後編に分けて、お届けします。

社会を変えていくため、具体的な成果を上げる

今井:認定NPO法人D×P(ディーピー)では、今後3年間で、高卒の就職の仕組みを変えていきたいと思っています。端的に言いますけど、一人一社制というルールがあるんですよ。

悪い側面ばかりではないのですが、発達障害持ちの子とか、高校中退の子たちがいる中で、就職できる子はできる。ただ、マッチングが上手く言っていなかったり、課題なのは進路未決定者が四割か三割くらいいること。ハローワークの情報しかない中で職業選択の幅が狭く、紙一枚の企業情報でしか企業のことを見れない。みんな選べないという状況。行政といま話をしていて、高卒の就職の完全な自由化は反対ですが、民間企業のサービスをもっと使えるようにしたらいいと話しています。そこを変えていこうと思っています。

PLASでは、短期間とか中長期的に、何を今変えていくということを考えていますか?

門田:目標が状況によって変わってしまうところはあるんだけど、向こう三年くらいで500人の子どもたちが教育に継続的にアクセスできるように家庭の生計向上の事業とキャリアプランニングの事業をセットとして提供していくのが目標です。政策提言のところは、アフリカでやる難しさはやっぱりある。どんどん役人が変わっていくとか。

過去のプロジェクトでも、県庁とか行政と一緒にプランニングしていた事業も、役人が変わることでゼロからになることもあった。まずは政策というところよりも、事業実施をしっかりやっていくというところに今は軸足を置いています。

今井:あんまり現地の政府に対して期待していない、みたいな?

門田:あまり政府と一体関係になってしまうと、危ない部分があるんですね。不当に逮捕されたり拘束されたりとかもあるので、政治的な中立は徹底的に守っています。例えば、選挙中にいろんな政党のスピーチが各地の村でやっていて、そういう所をうろうろすると、ただ通っただけでも「あの日本人を見ろ!俺たちの政党を支持している!」というようなことを言われて、利用されちゃったりするんですよ。なるべくそういう時に村の中に入らないとか、気を使っています。

若人よ、続け!寄付型NPOだからできることとは**


今井:僕の感覚からいうと、寄付型のNPOだからこそできることっていっぱいあるんですよね。例えば、行政からお金をもらってないからこそ、行政と目標設定とは違う成果目標を立てて動ける。

D×Pの仕事でいうと、行政からの委託事業で仕事をもらうと、たとえば進学と就職というのが付いて回る。

でも最近は、別に就職させなくてもいいじゃんという思いもあったりするじゃないですか。うちの高校生たちもクラウドファンディングを進めたら「やってみる」と言って成功させることもいるし、起業したいっていう子もいる。

寄付型の場合は、自分たちで目標設定を決めて、寄付者さんに説明できればいい。その実績をもとに、行政に提言もできる。そういう意味で最近20代のNPOが出てこないのが怖い感覚としてある。ただ、病児保育問題に取り組むフローレンスの駒崎さんとか、どんどん情報発信して世界を変えていっているけど、その後が続いていない。門田さんも、そういう課題意識ってある?

門田:ありますね。国際NGOもまさに同じ状況。今、業界の中でリーダーシップをとっている人たちは、50代、60代。この人たちいなくなったらやばくない?スッカスカの業界になっちゃうという危機感はある。

今井:ソーシャルビジネス系で、株式会社を立ち上げてやるというのも全然あり。否定するつもりは一切ないんだけど、強調して一つ言えるのが、寄付型のNPOだからこそ小さい実績をもとに、国に対しての影響力を示していけると思っている。3000万、5000万、1億とか規模間の寄付型のNPOができると、日本の行政に対する発言力が上がると思う。そういう実践例を、もっと出していきたい。国際NGOもそういうのは言えるんじゃないかな。ソーシャルビジネスだからできることもあるし、寄付型だからこそできることってあるんですよね?

門田:例えばですけど、事業を作る時に国際NGOが税金を使うとなると、外交政策にのっとった事業しかできない。そこが寄付だと、現地からニーズを引き出して対応する事業ができる。もっとひどい状況でいうと、日本とは外交のない国では税金では活動できないですよね。

今井:いい意味でも悪い意味でも、そういうことが出てくる。寄付型だからこそ、行政の基準に沿わなくても事業をやれるというのは日本の国内のNPOと変わらないということですよね。


(後編「情報発信の心がけ」につづく)

文章・編集 はしみー

・・・・・・

NPO未来ラボ キャンプファイヤーページ

公式twitter

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートで、NPOの未来、私たちの未来を、素敵にしていきます

ありがとうございます!
9

NPO未来ラボ

#ソーシャルグッド 記事まとめ

社会課題の解決や社会的マイノリティのサポートなど、よりよい社会づくりに関連するnoteをまとめます。事業やサービスだけに関わらず、人が生きづらさを解消し、よりよく生きていくための環境づくりのヒントになるようなものも。また、NPOやソーシャルビジネスの運営や組織づくり、資金調...
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。