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FUJI Xと出会ったレンズ

という題で。
Xマウント機は一周して二台目のX-T1、クラシッククロームをメインに据えポロポロと撮影活動をしています。解像度は16MPで最高感度も控えめですが、必要十分な画像サイズでファイルの取り回しもよいので十分と感じます。なによりボディ各所の”丸さ”、そしてダイヤルロックの仕様、小ささと軽さがによってフイルムカメラらしく、どの後継機種よりも好みなのです。つまり、X-T1"が"いい。ということです。

肝心のX-T1本体の写真が無いですって?それはね、サブカメラ枠で迎え入れたカメラが悉く「コレ使い方メイン機と一緒じゃない?」で手放してしまうためです。カメラを撮るカメラ、カメラを撮る以外に使おうと試行錯誤すれば役割が被るし、カメラを撮る専用にしたら別にいらないのでは…と感じてしまう悲しさ。携帯は最低限の機種なのでカメラがトイカメのようで、日常の記録には使えるもののブツ撮りには力不足です。


結局、オールドレンズ、中華系レンズを中心にレンズをとっかえひっかえしていますが、気に入って入れ替えを生き残ったレンズたちを紹介します。AFレンズは操作感や動作のモッサリ感がどうしても気に入らなかったり、大柄だったりで定着しませんでした。



標準 GeekSter 35S 35mm f1.1

まずは標準レンズ。
ほほえみの国、タイから来たレンズです。設計はタイ、製造はやはり中国のようです。ゼブラ柄で指掛かりがあしらわれたデザインは美しく、コンパクトなためいつでも付けていたくなります。
いままでTTArtisan等の中華系レンズは使っていましたが、こいつは一味違います。ピントリングのヌメっと動き、バチっと止まる感覚がとても良く、かつての日本製一眼レフ用マニュアルレンズと同等以上の感触です。絞りリングのクリック感もよいです。ネジ切りマウント時代のレンジフィアンダー用レンズをモデルにしているだけのことはあります。

この小ささで口径比1:1.1のため開放の描写は甘めですが、数段絞ればそれなりにカッチリ締まります。ほとんどのお出かけに同行してもらう、ちいさな相棒です。

Fujifilm X-E2, GeekSter 35S, Classic Chrome
Fujifilm X-E2, GeekSter 35S, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, GeekSter 35S, Classic Chrome



中望遠 YASHICA COLOR-YASHINON DX 45mm f1.7

つづいては中望遠。
こちらはオールドレンズ、ではありますが単体で流通したことはないものです。ヤシカエレクトロ35に搭載されていたヤシノンDX、をカラーフィルムに対応したコーテイングに変更したヤシカエレクトロGSに搭載されていたレンズです。適当なマウントアダプターを切り無限遠がほぼ丁度出るように削って接着した改造レンズです。

純白の筐体に色鮮やかな天気マークが映える、本体から取り外し単体にしても見た目に美しいレンズと感じます。XマウントはAPS判センサーなので、少し大袈裟に55-52ステップダウンリングを介してVoigtlander LH-90フジツボフードを装着しています。コンパクトかつ的確にハレ切りできて便利です。

スペックは45mm/f1.7、35mm判換算67.5mm相当とやや広めの中望遠で街撮りに使いやすい画角です。ボケの柔らかさ、逆光耐性の低さからすぐに出てくるフレアとゴースト、絞りに伴って変化する画質、いずれも美しく自然で最高な描写です。実は以前、初代ヤシノンDXのレンズで作ったこともありますが何故か手放し、忘れられず再制作したレンズでもあります。

Fujifilm X-Pro3, YASHINON-DX 45/1.7 Classic Neg.
Fujifilm X-Pro3, YASHINON-DX 45/1.7 Classic Neg.
Fujifilm X-T1, COLOR-YASHINON DX 45/1.7, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, COLOR-YASHINON DX 45/1.7, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, COLOR-YASHINON DX 45/1.7, Classic Chrome



広角 KamLan FS21mm f1.8

お次は広角です。苦手な画角なのであまり使えていませんが、必要なレンズです。
こちらは現在の手持ちの中で唯一、明確な不満点があるものの重用しているレンズです。と言っても大した問題ではなく、多くの方が無視できる内容かと。
こちらのレンズの出身は台湾です。私は台湾大好き人間なので、すぐ好(ハオ)とか言ってしまいがちです…。Kamlanというブランドは中華系と比べ価格比の性能、大きさ、ピントの質感いずれも良好で気に入っているブランドです。何しろ台湾ですからね。ぐへへ。

では不満点は何かというと、こちらのブランドのレンズ、いずれも絞りリングにクリックストップがないのです。中華系レンズやシネレンズによくある仕様なのですが、動画撮影中に絞りを動作する振動や音が悪影響だから、ということらしいです。理由としては理解できますし、コストカットでもあるらしいですが個人的には辛い点です。
クリックストップがあると、ファインダーに集中しながら、あるいは構える前に絞り値を正確に変えることができるのですが…。デザインも格好良く、絶妙なスペックのレンズを揃えてくれているので惜しいブランドです。フードは純正ではなくTTArtisanのラッパフードです。

描写は真面目系、解放からしっかり写るし最短撮影距離は0.12mなので万能選手です。なにより21mmという焦点距離が最高です。(旧Xシリーズのマウントアダプター設定、6種類のレンズをプリセット登録できると思いきや21,24,28,35mmの4枠が焦点距離固定なので…)いちいち焦点距離を変えるのは面倒だし、十字キーを連打しているうちにシャッターチャンスを逃してしまいそうです。

Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, KamLan FS21/1.8, Classic Chrome

望遠 Minolta NewMD 135mm f2

最後にご紹介するのは望遠レンズです。
ごく最近ジャンクで出会って、描写が気に入ったため作例はほとんどありませんが、もしかするとロッコール沼への扉をこじ開けてしまったレンズなのかもしれません。
情報が非常に少なく、間違ったことを言っているかもしれませんのでご注意ください。製造が非常に短期で、流通数が少ないらしく天邪鬼生物である自分にはもってこいです。デザインよし、スペックよし(オールド系レンズの標準以外でF2以下は珍しく感じました)で、デカい重いはとりあえず脇に置いて迎えることにしたレンズです。
レンズのカビは前後端の玉にのみ生えており、跡も残らず簡単に除去できたので幸運でした。描写は解放で画面全体にかかるゴースト、短命の原因はこれでしょう。絞り1~2クリックぶんでスッキリ落ち着き、クッキリ解像するピント面とおおきなボケが得られるとても好みの描写をしてくれました。ただ、重すぎて筋トレになりそうです。

Fujifilm X-T1, NewMD 135/2, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, NewMD 135/2, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, NewMD 135/2, Classic Chrome
Fujifilm X-T1, NewMD 135/2, Classic Chrome



ほかにも

ほかにも、記録写真用のNew Nikkor 50mm f1.4、望遠系2本(Nikkor-Q.C Auto 200mm f4、Reflex Nikkor.C 500mm f8)もありますが常用はしていないので紹介はしなくてもいいかなと。ニッコールらしく、古い世代でもしっかりかっちり写し取ってくれます。200mmなんて、見た目がたいへんレトロで美しい…動物公園にちょうど良い画角です。
ただ、レフレックスロッコールがシャープに写るという話も耳にしたので、もしかしたら望遠系はそのうち、そちらに入れ替わってるかもしれませんね…。

フィルムカメラ枠もさまざまな機種が争っていましたが、やはりというかトプコン35Lに落ち着きました。おおきく見易いファインダー、非常に滑らかな巻上げ、静かで確かなシャッターフィール。最高です。
贅沢に真鍮のストラップリングを奢ってみたり、木でグリップを掘ってみたり、愛着を増す活動にも励んでいます。こちらもXシリーズ同様に、持つ愉しさがある、よい"写真機"です。


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