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"子育てママ"は値引きシールなんじゃないか説

3年続けたフリーランスに一区切りをつけ、事務のアルバイトを始めて半年。

2歳になった息子は体調を崩すことがぐっと減り、私も組織で働くおもしろさを見出すことができるようになって、少しずつ「もっと働きたい」欲が出てきた。とはいえ今の勤め先ではこれ以上のニーズがないようなので転職活動を始めている。

で、これがなかなか難航中。何しろ金になるようなスキルがない。ライティングとかデザインとか、できることはあれどそれだけで雇ってもらえるほどの力量はない。あくまで普通よりちょっとできるレベル。所詮はしがない事務なのだ。

しかも保育園の送り迎えもあるからフレックスがいいとか17時半には職場を出たいとか、欲張りな条件もある。いくら「うちの子、元気です!」といったとて休みをとることはあるだろうし、同じ条件で子なしの人がいたら迷わず私を落とすだろう。そりゃそうだ。

子どもがいる、というと「うちは子どももいる社員も多くて〜」とか「代表も◯歳の子がいるんです!」なんて前向きな反応を見せてくれることもある。でも実際のところ子どもがいる=子育てをしているわけではない。特に男性で管理職や少人数のスタートアップなんて、ほぼ奥さんに任せきりだろう。

前述の通り自分のスキル不足も多いにあると思う。でも、子どもがいると伝えたら始めは正規雇用と聞いていたのにアルバイトや業務委託を提案されたり、その辺の飲食店バイトより安い賃金を伝えられたり、あれ、もしかして私って買い叩かれてる?と感じてしまうのだ。

私は経験したことがないけれど「ママだからビジネスに本気じゃない、主婦の片手間や趣味だと言われた」「一旦キャリアにブランクができたら、また学生バイトの時給で一からやり直さなきゃいけない」そんな話もよく聞く。

きっと日本において"ママ"って言わば値引きシールのようなものなのだ。キャリアにおいてもそうだし、美容やファッションにおいても。だからママに見えない!が褒め言葉として通じるのだろう。

もちろん中には男性や独身時代と同じようにキャリアを築く人もいる。でも見る限りかなり少数派で両親のサポートを受けているか、土日に託児所を使って平日残った仕事の残りを消化して何とかギリギリ回してる様子だ。

もし私に値引きシールが貼られてるとしたら、今は何割引きだろう。そもそも元値はいくらなんだ。賞味期限は切れてないだろうか。そもそも値引きシールを貼ったのは私自身じゃないの?

保育園の帰りにスーパーに寄り、息子と手を繋ぎながら精肉コーナーを眺めてぼんやり考えてみた。国産、海外産、味付き加工肉、コマ、しゃぶしゃぶ肉、色んな種類が所狭しと並んでいる。あぁ、私はどう見えているんだろうか。不安が募る。

悩んで悩んで、少量パックの焼肉用豚肉を買って帰ったけれど、冷蔵庫に昨日の残りのカレーを見つけてしまい豚肉は明日へ持ち越すことに。計画性がまるでないのもキャリアとの共通点だなぁ…。

一度蓋を開けてしまったら、時間はもう巻き戻せない。最後まで食べ切るしかない。できるだけ美味しく、この人生を、毎日を、豊かに生きていきたいもんですね。

それでは、また🐷

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