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淘汰の時代 強い農園経営を!(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。最近は農業経営に対する意識は非常に高くなってきたなあ、、と感じることが多くなってきました。
しかし意識レベルの高い人が増えてきた半面、経営意識の低い人も一定数はおられて、今後、経営意識の高い人と低い人の間で、農園の業績面で大きく差がひらいていくと思われます。

厳しい言い方をすると、農業の経営環境は現時点でも厳しいですが、今後もこのような厳しい状況が続くと思われますので、経営意識の高い人が生き残り、経営意識の低い人は淘汰されていくことになると思います。

農業経営のポイントは以下の図のとおりとなります。

「売上を増やす」というのと「コストを減らす」という2軸をしっかりとやっていくということになりますが、「売上を増やす」の中で「収量を増やす」というのは、従来からほとんどすべての農業者が取り組んできたことだと思います。限られた農地をフル活用し、作型や肥料の与え方などを工夫し収量を増やすことに努めてきたと思いますので、さらに数量を増やすというのはなかなか「伸びしろ」が少なく至難の業だと思います。

「売上を増やす」のもう一つの軸である「販売単価をあげる」というのは販売先(流通経路)・販売方法を変えたり、ブランディングを行ったりとやることは多々あり、「伸びしろ」は大きいと思いますが、販売先(流通経路)・販売方法を変えるというのは“相手があってのこと”ですので、時間がかかります。地道にしっかりと販路構築をしていくほかありません。またブランディングを行うといってもそれこそ消費者や取引相手先にしっかりと浸透させていかなければならず、ブランディングをして消費者を囲い込むというのは非常に時間がかかるものと考えなければなりません。つまり、「売上を増やす」というのは時間がかかるので早く着手し、地道に時間をかけて行っていくことになります。

一方、「コストを減らす」というのは「人件費を減らす」「原価を下げる」という2つの軸がありますが、こちらは基本的に農園内部のマネジメントによって改善をしていけるものになります。ただし、特に「人件費を減らす」というのは着手の仕方を間違うと従業員の反発を招き、農園の人間関係がガタガタになりかねません。そりゃ給料を減らすとか言われると従業員からすればたまったモノじゃありませんよね。そこで考え方としては「同じ給料を支払うがよりたくさん仕事をしてもらえるようにする」ということです。つまり「生産性を上げる」ということですね。
しかも根性論で「給料は減らさないが手を倍のスピードで動かせ!」ではいけません。
従業員が無理せずにスピードアップできるような仕組みを作り上げることが経営者の役目です。
その一丁目一番地が5Sの実施です。5Sは製造業に勤務されている方ならだれでも知っているといってもいいぐらい認知されているもので、徹底的に生産の効率化を突き詰めていたトヨタの生産方式の考え方です。5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字の「S」をとった名前です。
5Sを徹底していくと、スペースのムダ、時間のムダ、ミスするムダや、移動のムダなど、業務における様々なムダがなくなり、どんどん効率化されていきます。

整理・整頓などは良く親や学校の先生から言われてきた言葉ですが、実は奥深い言葉なのでもう一度、しっかりと言葉の意味を理解して実践してもらえれば、、と思っています。ぜひチャレンジしてみてください。
 
 
このように考えると「売上を増やす」というのは地道な努力が必要で取引相手もいるので時間をかけながら実施していくものです。一方「コストを下げる」というのは農園の経営者である自分自身がしっかりとマネジメントを行うことですぐにでも実施していけるものです。
 
高コスト構造の農園では次の時代を勝ち残っていくことはできません。
低コストで運営できる農園の仕組みづくりこそが経営者として求められています。
頑張っていきましょう!


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