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ハウスを締め切るこの季節。温度・湿度管理をしっかりと! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。12月の中旬になって一気に寒くなってきましたね。施設栽培されている方はハウスを締め切る時間が長くなるので湿度が高くなるのが気になる時期です。

植物は蒸散をしています。蒸散では気孔から水蒸気を出しています。ドンドン水蒸気が出されるのですが、空気が含むことができる水分量よりも放出される水蒸気量の方が多いためハウス内の湿度は非常に高くなります。

また空気が含むことができる水分量は温度にも影響を受けます。空気が温かいとたくさんの水分量を含むことができますが、温度が低いと空気が含むことができる水分量は減少します。

ハウスを締め切った状態で夕方ハウス内温度が下がってくると空気が含むことができる水分が減少しますので、何もしなくても自然とハウス内は高湿度状態になります。概算でいうと温度が1℃下がると湿度は5%上昇します。
ですから、ハウス内の昼間の温度が25℃で、夜間温度が15℃だと、10℃下がっていますので湿度は50%上昇するというように考えていただければいいと思います。
ですから何もしなくても夜間湿度は高くなります。昼間も蒸散によりハウス内湿度が高い状態だと夜間のハウス内湿度は90%以上となっているハウスも多いと思います。

こうなるにハウスを締め切る時期になると栽培面ではいろいろ気になることが多くなります。
カビ病、葉の軟化、養水分の吸収が低下、植物の蒸散不足・・・などが発生し植物の生長が阻害されます。

対策としては、
1.換気窓、カーテンを開ける
2.ヒートポンプや除湿機の利用
3.透湿カーテン用いた外被材への結露

などが考えられます。

モニタリングシステムや環境制御システムを入れている施設栽培をされている方は、湿度状況をしっかりと確認し、上記3つの対策を実施してしっかりと湿度のコントロールをしてくださいね。

特に高湿度だけであればカビ病などはなかなか出ませんが、葉が直接濡れるとカビ病が出やすくなります。ですから葉や実が結露しないようにしないといけません。植物の葉や実は空気より温まりにくいので、葉や実が冷たい状態なのに空気が急速に暖かくなると、そこに温度差が生じ空気中の水蒸気が凝結し、葉や実の表面に結露が生じてしまいます。結露を生じさせないためにはハウス内の温度上昇をゆっくりにしてあげることが大事です。

ハウスを締め切るこの季節、温度管理、湿度管理をしっかりとしていきましょう。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL:t.ogawa19720117@gmail.com

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