新党大地の勢力分布を初公開・市区町村別に比例得票率を地図化(2017年衆院選精密地域分析Part8)★

新党大地の比例得票率を地図化し、過去の分布と比較します。一部の地域で立憲民主党への票の流出があったことが示唆されます。

新党大地の勢力分布

新党大地は北海道の地域政党です。衆院選でも北海道の比例ブロックでしか候補者を擁立していないため、この地域のみを検討していくことにします。

上の地図からは、新党大地は北海道の中でもかなりの地域特性があることが読み取れます。これはそれだけ北海道が広い(物理的に選挙運動が均質になりにくい)ということかもしれませんが、例えば大阪府全域で高い得票率をもつ日本維新の会とはだいぶ違う印象がありますよね。

こうした地域特性は46回衆院選でより鮮明にあらわれているので、まずはそちらを振り返ってみましょう。

46回衆院選(2012年)に見る新党大地の地盤

新党大地は47回衆院選(2014年)に臨んでいないため、前々回にあたる46回衆院選(2012年)をもとに地図を作りました。得票率が東西で大きく異なっていますね。その境界として北見山地から日高山脈を結ぶ線が読み取れます。最も得票率が高いのは足寄町で、ここは鈴木宗男氏や石川知裕氏の出生地にあたる自治体です。

さて、46回衆院選では比例代表で34万6848票を獲得し、北海道ブロックで石川知裕氏1名を当選させた新党大地ですが、48回衆院選では22万6552票となった結果、議席の獲得には至りませんでした。

北海道ブロックで最下位当選となった立憲民主党の3議席目がドント式の計算(除数3)で23万8010票ですから、新党大地の候補者だった鈴木宗男氏はわずかな差で落選したということになります。

もちろん、上の地図は得票率で塗分けているため、塗られた自治体には人口の多い市から少ない村までが混じりあっています。そうした人口を加味して見ていくのであれば、最大の票田である釧路や帯広、旭川で票の減少が大きいです。

「日高境界」の消失

上の地図は新党大地について、48回衆院選の得票率から46回衆院選の得票率を引いた結果を表示したものです。得票率が伸びた地域を黄色から赤の配色に、減った地域を水色から青の配色にしました。

図に書き込んだ北海道11区で大きな減少を見ることができます。そして、ここで大きな減少があった結果として、46回衆院選で見られた日高山脈の境界が48回衆院選では不明瞭となっています。下には日高境界を書き込んだ地図を示しました(冒頭に掲載した地図なので凡例は省略します)。


立憲民主党が新党大地の票を奪ったのか

それでは何が新党大地の日高境界を消し去ったのでしょうか?

各党の得票率を地図化して検討したところ、得票率の差の中に日高境界が潜んでいる政党を見つけることができました。それは立憲民主党で、46回衆院選の民主党との差の中に明瞭な日高境界があったのです。

上の地図は、48回衆院選の立憲民主党の得票率から46回衆院選の民主党の得票率を引き、得票率の伸びた地域を黄色から赤の配色で、減った地域を水色から青の配色で示しています。日高境界から東の地域で立憲民主党が伸びていることがわかりますね。

このことは、新党大地の票が立憲民主党に奪われたことを示唆するといえるでしょう。出口調査などのデータを合わせて検討することができればさらに明確なことが見えてくると思います。

いかがだったでしょうか。今回は少し独特なアプローチで記事にしてみました。地理情報による選挙分析の面白さを感じてもらえたら幸いです。

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番外編 :与党2553万票と野党4党2610万票の広がり
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