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どの市町村で差がついているのか? 新潟県知事選の得票率と得票数を地図化

今回の新潟県知事選は前回よりも投票率が上昇し、各社で出口調査が食い違う接戦の末、自民・公明の支持する花角英世氏が当選を確実にしました。

図1.今回の選挙の得票数

まず、今回の選挙の得票数を確認しておきます。花角英世氏の得票率は49.6%で、半数までは到達していません。立憲・共産・社民・自由・国民が推薦した池田千賀子氏の得票率は46.2%で、両者の差は3.4ポイント。得票数にして37102票となっています。

この差はいったいどこで生じたのでしょうか。まず、両候補が得票率でリードする地域を地図化してみましょう。


図2.新潟県知事選(2018年)得票率のリード

さて、これは自治体ごとの各候補の強さを表した地図になっています。しかしこれは得票率で塗分けているため有権者数がわかりません。そこで票田を表示します。


図3.新潟の票田

新潟市が最大の票田で、それに長岡が続くことがわかりますね。そうそう、地図には市区町村の名前を表記していないので、Mapionの都道府県地図にリンクしておきます。参考にしてください。

次に票数で見た地図を示しましょう。今回の選挙の決め手になった地域はどこでしょうか。


図4.新潟県知事選(2018年)得票数のリード

花角氏と池田氏には37102票の差があるのですが、このうち17547票が新潟市内の差となっています。特に新潟市中央区で10017票の差がついていることが目を引きます。

また、12039票の差がが佐渡でついています。佐渡は花角氏の出身地ですし、前回選挙でも森氏がリードしていたので不思議はありません。

しかし新潟市は米山氏が重点的に得票した地域でした。ここで逆転が起きたことは重大です。

前回選挙を振り返ってみましょう。


図5.前回選挙の得票数

前回選挙と得票数を比較すると、池田氏の得票数は米山氏を約2万票下回る一方、花角氏は森氏の得票数を8万票ほど上回っていました。NHKの出口調査によると、前回選挙で米山氏に投票したと答えた人のうち、30%半ばが花角氏を支持したとのことです。


図6.新潟県知事選(2016年)得票率のリード


図7.新潟県知事選(2016年)得票数のリード

こうしてみると、前回と今回の選挙では、長岡と新潟の票の出方が逆になったような感じですね。また、池田氏の出身地にあたる柏崎でも、前回選挙で森氏がリードしていたのが逆転しています。


図8.野党候補 得票率の変化

上の地図は、池田氏の得票数から米山氏の得票数を引いた結果を表示したものです。つまり野党側の候補がどこで票を伸ばし、どこで後退したのかがわかるようになっています。図7までは暖色系を与党、寒色系を野党としてきましたが、ここでの配色は意味が異なるので注意してください。オレンジ色の市が柏崎で、さすが池田さんの出身地だけあります。また、新潟に次ぐ票田の長岡で伸びています。


図9.与党党候補 得票率の変化

図8と同様に、今度は花角氏の得票数から森氏の得票数を引きました。長岡は濃い青で票を減らしていますが、新潟市内の全域で伸びており、赤色となった西区、中央区、東区では突出しています。


図10.今回の選挙の投票率


図11.前回の選挙の投票率


図12.投票率の増減

今回の選挙の投票率(図10)から前回の投票率(図11)を引き、投票率の増減を求めました。投票率が低下したのは阿賀野市と長岡市の2つだけで、ほかの市区町村は上昇傾向です。

新潟市内でも前回より投票率が上昇していますが、図8と図9で与野党の候補の得票数の変化を見ると、与党側の票が伸びた分が投票率の上昇に対応していることがわかります。もっとも、このことをもって投票率が伸びないほうが野党にとってよかったのかというと、それは間違いだというか言っても意味がないことで、花角氏の選挙運動が票を集めて投票率を引き上げたのだとしたら、池田氏の側も票を積むことで投票率をさらに上げて対抗するということになるのでしょう。

さて、ひとまず大至急で図表を公開する目的は果たせたので、ひとまずはこの辺で終わらせてもらうことにします。検討にご活用ください。

★追記:各候補の得票率分布を表示しておきます。

図13.花角氏の得票率分布


図14.池田氏の得票率分布


図15.安中氏の得票率分布


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note: みらい選挙プロジェクト情勢分析ノート