内閣支持率・不支持率最新の動向

NHK、共同通信、JNNの世論調査が発表されています。各社の結果を個別に見て先月のものと比較すると、内閣支持率の増減は全ての調査で誤差の範囲内にとどまっており、横ばいと見るのが妥当だと言えます。

JNNの世論調査を例に挙げてみましょう。

JNN世論調査(5月12~13日実施)
 内閣支持率 40.6%(0.6ポイント増)
 不支持率  57.7%(0.7ポイント減)

JNNでは内閣支持率が0.6ポイント増となっていますが、世論調査には誤差があるため、これをもって内閣支持率が増加したと見ることはできません。今回のJNNの内閣支持率、不支持率には、ともに2.8ポイントの想定誤差があります。前回調査も同様の誤差があるため、増減はさらに大きな誤差を持つことになってしまうのです。

NHKの世論調査は横ばいとなっていますね。このように各社の世論調査に食い違いがあるのも誤差に起因するところが大きいです。

NHK世論調査(5月11~13日実施)
  内閣支持率 38%(増減なし)
  不支持率  44%(1ポイント減)

それから共同通信ですが、内閣支持率は2.9ポイント、不支持率には3.0ポイントの想定誤差があるので、これもまた誤差の範囲内の増減になります。

共同通信世論調査(5月12~13日実施)
 内閣支持率 38.9%(1.9ポイント増)
  不支持率  50.3%(2.3ポイント減)

このように、各社の世論調査を個別に前回調査と比較してみることにはあまり意味があるわけではありません。多くの場合では増減が誤差の範囲内にとどまってしまうため、こうした結果の数字だけ読み上げて、支持率が上がった、下がったと言うのは誤解を招くことになりがちです。直近の支持率を十分な精度でとらえるためには、各社の世論調査を補正し、平均する必要があります。

今回の3社の調査を補正して加重平均を計算してみると、内閣支持率は37.7%、不支持率は48.5%で、想定誤差はともに1.6ポイントとなりました。共同通信は前回調査の日程がずれていますが、グラフをじっくりと読み込むのなら、NHKやJNNの世論調査が実施された5週間前と比べれば内閣支持率が全くの横ばいにあることがわかるでしょう。

しかしここで関心があるのは特定の会社の前回調査ではありません。各社の偏りを補正しているため、先週や先々週の他社の結果を横断的にもちいて直近の動向を知ることができます(先週はゴールデンウィークで調査はなかったですが)。

そこでグラフに〇で囲んで示した最新のJNN・NHK・共同の結果を3週間前の産経・読売・毎日・報道ステーションの結果と比較してみれば、当時と比べた内閣支持率が微増傾向にあることが読み取れます。

こうしたグラフの細かい点を比較するのは大変なので、まとめてトレンドを示すために加重移動平均の計算をしました。結果は次の通りです。

直近の内閣支持率は平均37.9%で増加傾向、不支持率は平均48.2%で減少傾向と見られます。想定誤差のぎりぎりの範囲なので確実とは言えませんが、内閣支持率は増加傾向が有力だと見ておくのが妥当ではないかと考えます。

最終的に内閣支持率は増加傾向が有力だという判定になりましたが、そこに至るプロセスは各社の世論調査を個別に評価して増減を見る方法と全く異なっていることに留意してもらえればと思います。

今回の内閣支持率はたまたま増減が食い違いませんでしたが、自民党支持率は食い違っていますよ。NHKでは0.5ポイント増、JNNでは1.3ポイント減、共同通信では0.3ポイント増となっています。なぜ食い違うのですか。それはまさに誤差のためなのです。

このように、各社の世論調査を個別に見ていては誤ります。そして少なからぬ言論人がそのような見方をしていることに危機感を覚えます。多くの人たちが自民党の支持率が上がった、下がったと議論しています。これは全くの無駄で、ほとんどの場合、それは単に誤差を見ているのに過ぎないのです。


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