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SXSW2014:ロボット料理長から昆虫食まで?!

SXSW2014には沢山の未来の種が転がっています!!
しかし、あまりにも広大でダイバーシティ溢れる畑なので、
宝となる種を発見するのは一苦労…。
ただただ圧倒されるだけですぐに10日間は過ぎてしまう厳しい大地には、
万全な準備で乗り込むが重要だなぁと毎年思い知らされます…。

その中で私達が発見した一つの宝は「食」でした。
3D Food Printingやビッグデータ、AI、そして試験管肉から昆虫食まで…。
「食」の価値感がテクノロジーを通じて変わりはじめている2014年の兆しをご紹介します。

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・予報01:食の可能性を広げるテクノロジー

Interactive Award の Technical Achievement部門(※)でもFinalistに残っていた、品質が良いコーヒーをバリスタ以上のクオリティで提供する未来のコーヒーハウスのカタチです。
単なる自動販売機ではなく、チョイ飲みスペースのついたエクステリアデザインや提供方法、画面やアプリのUIまでオシャレに仕上げ、バリスタの次の姿というブランド体験をユーザーにうまく与える工夫がされています。勿論腕だって超一流!クラウドに自分の好みの味のデータに紐づいた確実なものから、気分や気温を察した「ちょっと気の利いた」ものまでも、無駄無く迅速に提供可能です。
(※Technical Achievement部門:デジタル体験を再発見・再定義してくれるような作品が表彰されます)

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・予報02:3D Food Printing の大流行!

今年発売予定の自分の好きな形で砂糖菓子を出力できる3Dプリンター「Chef Jet」は大人気。
CESでも話題に上がっていたのに加えて、日本でも大手WEBメディアで話題になっていたので、周りの日本人からもちょこちょこブースに行った人の話しを聞きました。
私は食べていないのですが、動画の3分あたりで食べるところを見る限りはガムみたいな触感なのでしょうか?食べてみたいですね!

コンベンションセンター前のOreoブースでは、Twitterからのトレンドに応じたオレオクッキーをすぐに作る事ができる自動販売機がありましました!
この自動販売機、Rasberry-Piで動いており、WEBと繋がったフード3Dプリンティングを作ってしまうエンジニアリングもすごければ、自動販売機のUIも良くできており最高のUXでした。

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・予報03:料理長はワトソン君(←AI)!

BMの学習コンピューターのワトソン君と言えば、「チェスの世界チャンピオンに勝利した!」「クイズ王になった!」と記憶に新しいですが、SXSWでは創作料理長になってFoodTruckを出展し、ユーザーに料理を提供していました。「食」に関するビッグデータを解析し、新しい料理を創作してくれていたのです。AIの実用性と身近なモデルがすぐそこにありました。
果たして、このような研究が進んでいくと私達の生活・働き方はどうなっていくのでしょうか?
今やどんなプロも何をする前に検索をする時代ですが、とりあえず優秀なAIにアドバイスを仰ぐようになるのはすぐそこだと感じました。

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・予報04:3D FOODプリンターの後

IEEEとIntellectual ventures labのセッション「Future Foods: New Cuisine for a New Age」では、実用性に向けた培養肉の研究や、未来の3Dフードプリンティングについてを語られていました。

2050年には、牛肉はキャビアと同価値になっている。

この衝撃の事実は数値的にもう明示化されています。
一方でCultured(培養肉)のコストの下がり方は激的です…。果たして僕らは20年後、何を食べて生きているのでしょうか?その課題感から、様々な研究やプロトタイプが出てきています。

それが、先にも話した「3Dフードプリンター」の次の姿です。

事前にフリーズドライをして永久保存が効く状態で食糧を保存し、3Dプリンターがビッグデータを使って最適な調理方法で「料理」していく。まるで、レストランのドリンクバーの機械のようですね。
人類は半分近くの食糧をゴミとして無駄にしているので、確かに画期的なのかもしれません。

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・予報05:昆虫は未来のSUSHIである!

このオシャレなお菓子…実はコオロギ(Clicket)のパウダーで作られたものなんです。
Bitty FoodのFounderのMegan Millerが「おばぁちゃんはお寿司を食べれなかったけど私は大好き。昆虫は未来の寿司みたいなものよ?」と明るい顔で話していたのは、「Hacking Meat: Why Insects Are the Future of Food」というセッション。
Bitty Foodが提供するこのコオロギパウダーは1カップあたり70gのタンパク質を含んでおり、人間向けであれ家畜向けであれ、健康食としての可能性はかなり大きそうです。

また、実は農業は深刻な環境破壊の元になっている事はご存知でしょうか?
自然を畑として耕す事は、土壌の流出や砂漠化などの原因の一つになっています。
また、畜産のための餌を作る事もスペースを用意する事も大きな環境破壊に繋がっています。
昆虫であれば、省スペースで餌の問題も解決ができる!ということで構想されているのが、昆虫の牧場です。
昆虫牧場へのインフラを整えるオープンソースプロジェクトも発生。今後も食に関するスタートアップは多くなってくる模様です。

もちろん即座に「昆虫食べたいって人なんていないと思うけど?」という反論がありました。
「昆虫を食べよう!とは売り出すわけないでしょ?ヘルシーで健康的で先進的なお菓子だったらどうかしら?ブランディングが重要なの。」と言いいながら、用意したカワいいコオロギクッキーのプレゼントにオーディエンスが殺到したのは言うまでもありません。(僕もです)
一部のベジタリアンをはじめ、先進的な健康志向の人々に受け入れられる日も近そうな予感です。

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