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ニューヨークの新たな挑戦、混雑税プログラムで渋滞と環境問題に立ち向かう

ニューヨーク市は、2024年春に画期的な「混雑税プログラム」を導入する予定で、これにより世界ワーストレベルの渋滞が改善される可能性があります。

このプログラムは、マンハッタンのミッドタウンに入るドライバーに通行料を課し、オフピークは17ドルに対して、ラッシュアワーには23ドルを徴収する計画です。この取り組みの背後には、渋滞緩和、環境改善、公共交通機関の強化という3つの主要な目的があります。

渋滞緩和

ニューヨーク市は、交通渋滞の悪化に長らく悩まされてきました。特にマンハッタンのミッドタウンは、ビジネスエリアであるため、通勤ラッシュ時には交通が極端に混雑します。この混雑税プログラムは、通行料の課金によって車の利用を抑制し、渋滞の緩和を図るものです。

環境改善

混雑税プログラムの導入により、最大1,700万トンの温室効果ガス削減が見込まれています。これは、ニューヨーク市の総排出量の約5%に相当する大きな削減です。さらに、排出ガスの削減により人々の健康状態が向上することで、医療費が1億ドル節約されると試算されています。

公共交通機関の強化

メトロポリタン交通局(MTA)は、このプログラムによって年間10億ドルの収入が得られると見積もっており、この資金は公共交通機関の改善に充てられる予定です。バスや地下鉄のサービス向上により、市民にとってより便利で快適な交通手段が提供されることが期待されています。

一方で、タクシー運転手やライドシェア会社などからは、利用者が減ることを恐れて反対の声も上がっています。また、低所得者に対する負担も懸念されています。これに対し、市は障がい者を乗せた車両や緊急車両、低所得ドライバーに対して通行料免除または州税控除を提供するなどの対策を練っています。

ニューヨーク市の混雑税プログラムは、渋滞、環境、公共交通の改善という複合的な課題に対する先進的な取り組みです。成功すれば、他の大都市へのモデルケースとなる可能性もあります。反対意見との調整が必要な面もありますが、都市の持続可能な成長と市民の生活の質向上に向けた重要な一歩であることは間違いありません。このプログラムの進展は、今後の都市政策の方向性を示す貴重な事例となるでしょう。

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