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コロナテック①遠隔患者モニタリングに取り組むスタートアップまとめ

はじめに

こんにちは、Marketing TeamのMireiです。

今日からコロナテックシリーズの連載を始めます!こちらの連載では、10本の記事で50社のこちらには新型コロナウイルスの感染拡大に伴い注目されているスタートアップを紹介していきます。

Plug and Playのシリコンバレー本社は、先日 "COVID-19 and the Race in Startup Technology" (新型コロナウイルスとスタートアップの技術競争)という記事を公開しました。こちらには新型コロナウイルスの感染拡大に伴い注目されている医療業界のスタートアップがまとめられています。今回はこちらの記事から、遠隔患者モニタリングに取り組むスタートアップ3社の紹介を翻訳してお届けしていきたいと思います。

"コロナウイルステック"のスタートアップは50社以上!

米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速に拡大しているため、当局は症例の接触者を追跡し、感染した可能性のある人を隔離しなければならないという大変な問題に直面しています。世界中で検疫が増加し、医療提供者や政府は新型コロナウイルスをモニタリングするための革新的なソリューションを求めています。幸いなことに、既に世界中のスタートアップや研究者が、このウイルス蔓延との戦いに役立つ技術開発に挑戦しています。

診断、モニタリング、および分子開発における既存のソリューションは、このウイルス蔓延と戦うための強力なツールとして注目されています。 これらの技術は、感染源の特定、感染の防止、診断における物理的濃厚接触の可能性の削減、さらにはワクチンの開発に役立っています。

Plug and Playは何年もの間、スタートアップが革新的なソリューションを世の中に提供する場を見てきました。そこで今回、私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大に対抗するために新たなソリューション開発を行うスタートアップをまとめました。今回私たちが注目したスタートアップの業界は、遠隔患者モニタリング、病原体の検出、分子診断の活用、ワクチン、人工呼吸器、呼吸器保護装置の使用などのポイント・オブ・ケア診断のソリューションから、集団発生を管理する方法、臨床AIチャットボット/症状チェッカーを活用する方法まで、多岐に渡ります。このようなコロナウイルスに関連するコロナウイルステックのスタートアップの総数は50社以上。今回はその中でも遠隔患者モニタリングに取り組むスタートアップ3社をご紹介します。

遠隔患者モニタリングとは?

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遠隔患者モニタリングでは、ユーザーの所有するデバイスを通じて心拍数、体重、血圧、酸素濃度などの医療健康データとバイタルサインを収集します。このデータは医師に送信され、医師は患者を遠隔でモニタリングし、必要に応じて治療を促すことができます。多くの場合、遠隔患者モニタリングはアプリや医療用ウェアラブルの形で提供されているため、医師や医療機関は、従来のように診療所の中だけでなく、診療所の外でも患者をモニタリング、問診することができるようになります。そして、遠隔医療の最大の特徴は、医療デバイスを介しても介さなくてもできる点にあります。新型コロナウイルスは、感染の疑いのある患者と医師が診断時に接触をすることで、医師までもが感染してしまう恐れのあるため、このように遠隔で患者の健康状態を把握できる技術が今、世界中で注目を集めています。

それでは遠隔患者モニタリングのスタートアップ3社を見ていきましょう!まずはイスラエルのスタートアップ!


1社目はイスラエルでビデオアプリを開発しているBinah.ai

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Binah.aiビデオ形式のアプリなので、ウェアラブル端末が無くても心拍数、心拍変動、精神的ストレス、酸素飽和度、呼吸数などを測定・モニタリングできます。Binah.aiのアプリは遠隔医療、遠隔患者モニタリング、初期治療、予防医学、介護施設、生命保険などの幅広い分野で活用されています。Binah.aiは、信号処理やマシンビジョン、機械学習、ディープラーニングなどのAI技術を含むユニークな技術を組み合わせることで、これらの革新的な機能を開発しています。Binah.aiは、カメラのついているありとあらゆるデバイスを、ヘルスケアガジェットへと変えていきます

Binah.aiの技術は、AIと機械学習の力を活用することで、健康状態を正確でリアルタイムに測定することを可能にしました。体調不良を感じている患者は、地元の病院に行き、他の患者や医療スタッフと接触するのではなく、感染の可能性がある間、自宅から病院へメールをし、ビデオを通して医師との診断予約をすることができます。これは、密接な接触を避けることが必要な新型コロナウイルス のようなウイルスの大流行時代に特に適していると言えます。

2社目はイスラエルで光学センサーを開発しているContinUse Biometrics

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イスラエルのテルアビブを拠点とするContinUse Biometricsは、健康モニタリングの新たな方法を構築しています。CU-BX®は、多くの環境下で高精度の生理学的測定が可能な非接触センシングプラットフォームを開発してきました。広範な臨床データに基づいたCU-BX®独自の光学ベースのセンサーは、心拍数、呼吸数、心拍変動、呼吸パターンなどの主要な生体パラメータを医療レベルの精度で監視できます。 独自のセンサーは、電子機器や車両などに埋め込まれており、範囲内にいる人物のバイタルをシームレスに把握します。Cu-Bx™は日常生活に大きな影響を与えず健康状態を測定できるのに加えて、患者の測定参加に関する積極度のばらつきといった問題も無くなります。収集された生理学的データは追跡され、デジタルヘルスクラウドにストリーミングされ、機械学習モデルとAI技術が特筆すべき出来事や傾向を特定し、より良い健康、安全、ウェルビーイングを可能にする実用的な策を提供します。センサーは物理的な接触や特別なデバイスなどを必要としないため、CU-BX®のセンシングソリューションは非常に衛生的であり、ウイルスの感染拡大予防を徹底することができます。

新しいウイルスが発生した場合、医療提供者、施設、組織が迅速かつ効率的に状況を管理するための最適なツールを活用することが最も重要です。新型コロナウイルス の場合、感染者の近くにいることで、自らも感染してしまう可能性が格段に高まります。だからこそ、このような非接触での測定手段は、ウイルスの拡散を確実に制御することを可能にするかもしれません。

HIPPA(医療情報の電子化とプライバシー保護に関する米国の法律)およびGDPR(欧州委員会が定めたデータ保護に関する規則)に準拠したこのヘルスクラウドは、すべての記録を保存し、意味のある分析を行い、将来的には新たな予防策の開発をサポートします。


3社目はシンガポールで遠隔バイタルプラットフォームを開発しているHealthBeats

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HealthBeatsは、ヘルスケアを家庭でも利用できるように設計された、世界的に運用されているリモートバイタルモニタリングプラットフォームです。HealthBeatsは、ユーザーに医療機器を提供し、定期的に自己モニタリングを行い、その結果をリアルタイムで医療従事者に送信して、先を見越したケアマネジメントを行うことを可能にします。HealthBeatsは、規制当局にも既に認可されている医療機器です。

現在、HealthBeatsは、この独自のプラットフォームをより多くの人々が利用できるようにし、新型コロナウイルス のさらなる拡大において生じる問題を解決する方法を模索しています。HealthBeatsの望みは、新型コロナウイルス による感染症の大流行への対応のスピードを高めるために、データ収集を合理化し、時間のかかっている複数のプロセスを自動化することです。隔離命令を受けている人や自宅待機が必要な人は、HealthBeatsで、体温や血中酸素/心拍数などのバイタルサインの自動トラッキングをすぐに導入することができ、1日2回の体温の追跡や血中酸素/心拍数の追跡を行うことができます。

今、発熱や咳などの初期症状がある患者のほとんどが医療機関を受診していますが、ほとんどの場合、新型コロナウイルスの患者はまず、インフルエンザだと診断され、インフルエンザの薬を服用し、回復せず、別の診療所で再度受診することで、多くの人と接触し、さらなる患者を増やしたり、別の感染症への感染を招いてしまっています。HealthBeatsの提供する遠隔モニタリング技術により、体温の上昇、または血中酸素濃度の低下がある患者は、規定されたセンターに直接助けを求めるよう助言することができるようになります。

さいごに

今回は、遠隔患者モニタリングに取り組むイスラエルとシンガポールのスタートアップに関する記事の翻訳をお届けしました。いかがでしたか?

今日ご紹介できたのは、合計50社存在するコロナテックスタートアップの内3社のみ。まだまだカオスマップは空白が目立ちますね!

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Plug and Play Japan Magazineではこれから残り47社のコロナテックスタートアップを紹介する記事を掲載しています。ぜひフォローして次の記事をお待ちください!

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