71. 歩きづらい道のつくりかた

今は目黒で働いているのだが、目黒はとにかく歩きづらい街だ。特に目黒川方面。

特に人が多いわけでもないのに、どうしてこんなに歩きづらいんだろうか。

これは約2年間の観察による気付きのまとめである。

なお、朝の電車の中で書いているので、写真のない手抜きなのはご容赦ください。

歩道内に障害物

目黒の歩道は、だいたいは人がすれ違うのには全く問題ない道幅になっている。にも関わらず、すれ違うのに失敗することが非常に多い。

原因のひとつが、やたらと歩道内に障害物が置いてあることだ。

お店の看板やら自転車やら、その他さまざまなものが道の左右から飛び出す感じで置いてある。

そうすると何が起きるかというと、人は無意識に全ての障害物を回避可能な真ん中を歩いてしまうのだ。

よって、全ての人は道の中心に集まり、やがて衝突する。

見通しが悪い

目黒(目黒川方面、権之助坂のあたり)の道はゆるやかにカーブしていることが多く、位置どりによっては先の道がまぁまぁ見えるが、位置どりによっては非常に見通しが悪いというつくりになっている。

こういう道のつくりが、また歩きにくさを助長している。

人は本能的に先が見える状況を好むものだ。

なので、特に何も考えず歩けば先の道が見えやすいポジションどりをすることになる。

つまり、皆がカーブの外側に大集合してしまうことになり、やがて衝突する。

先が見通せる可能性すらない直角カーブのほうがまだマシ。

人間は複数のことを同時に考えるのが苦手なので、あることに気をとられると他のことがおろそかになる。

なので、道もなるべく要素を排除してあるほうがイイ感じに歩ける。

目黒の道は非常に坂が多くて、坂を登るという行為に無意識をだいぶもっていかれてしまう

そして、向かい側からやってくる人間や背後から迫り来る人間への注意が散漫になり、やがて衝突する。

つまり

何が言いたいかというと、UXというのはスペックで考えるのではなく人の無意識への働きかけを理解してつくりこむのが非常に大事だ、ということでした。

おしまい。

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