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アルハイゼンの伝説任務は闇のお宅訪問と光のお宅訪問の二部構成にて完璧となる

 アルハイゼンの伝説任務の後半が蛇足、という意見をそこそこ見かける。ので反論したいと考えた。それだけのnoteである。
 Ver4.5までに読めるあらゆるストーリーとキャラクターについて語っている。ネタバレに厳しい方は読まないことをお勧めする。

 長文を読みたくない人のために最初にまとめるぞ!

アルハイゼンの伝説任務のポイントまとめ。

 アルハイゼンのモチーフは鏡であり、全てのものは実像アルハイゼンと対応する虚像として彼と対になっている

 登場人物達は全員アルハイゼンの虚像/オルタ/if的存在であり、モブがなんか問題起こしたりモブの話を長々している話ではなく、彼らを通じてアルハイゼンの説明をしている

 スメールのテーマは知恵以外に家族、つまり社会である

 傲慢な王と個を捨てた働き蜂の悪しき社会ハイブマインド(蜂の巣)と、個と個を尊重しながらも互いの努力で同居生活をするアルハイゼン邸(鳥の巣)も対比

 アルハイゼン邸で見るべきはエキセントリックな謎の男カーヴェではなく、個人主義のはずのアルハイゼンが彼と生活することを選び彼を許容し続けている歳月の痕跡

 アルハイゼンの守るべき日常の象徴カーヴェと、彼が生きる最小の社会・二人の家をハイブマインドへのカウンターとして、そして友好の証として旅人に見せてくれているのが後半

 多分一番いいのは魔神任務→アルハイゼンキャラスト→アルハイゼン伝説任務→カーヴェキャラスト→アルハイゼン伝説任務二回目→盛典と慧業(旅人ルート)→カーヴェデートイベント→アルハイゼンキャラスト二回目→アルハイゼン伝説任務三回目→盛典と慧業二回目(アルハイゼンルート)。一回しかプレイ出来ないのに

何故前半だけでいいと言われがちなのか理由一覧

 そもそも論で、原神の伝説任務(キャラクターの掘り下げ)が従来のソシャゲの形式と違うので混乱を生みやすい

 アルハイゼンの伝説任務を読み解くためのキーワードは彼のキャラストにあるので、好感度を上げきる前にプレイする確率の高い伝説任務に不利

 キャラストはアルハイゼンの主観や視座で描かれており、いくつか叙述トリックのようになっているので読み込んでも不明な点が多い

 アルハイゼンより2ver後に実装されたカーヴェのキャラスト及びデートイベント、ver3.6テーマイベント『盛典と慧業』までやって初めて判明するアルハイゼン真実「単純にめちゃくちゃカーヴェを心配していて、例外中の例外として自分から色々やってあげているだけ」がわかっていないと後半がおもしろ男二人の胡乱劇場になる

 上記の理由からNPCシラージとイリヤースがアルハイゼンオルタであることや、ハイブマインドとアルハイゼン邸が対比構造になっているとわかりにくい


 以降は上に書いてあることを長々と説明していくだけだ。ここで「なるほどな~」と帰ってもらって構わない。

 後半部分、つまりシラージの巣をぶっ潰した以降、アルハイゼン宅へ赴きカーヴェと出会う云々の下りが丸々蛇足ではないか?
 話としては『優秀なアルハイゼンさんが思い上がったアホの野望を食い止めました、めでたしめでたし』じゃあないのか?と言いたいのだろう。

 だが前半はあくまでアルハイゼンオルタの顛末と彼ら烏合の虚像に対してのアルハイゼンの対応だ。
 彼自身の選択や彼が自発的に築き、保持と発展のため努力する日常を見せてくれる後半こそアルハイゼンを知ることができる掘り下げパートである。

 自分はアルハイゼンの伝説任務をまとめると以下の通りに考えている。

『祖母と鏡のいない傲慢な秀才止まりだったアルハイゼンifのシラージと、皆に自分を受け入れてもらいたい上に友も救えなかったアルハイゼンifのイリヤース。
 彼らは王と歯車となり、支配と搾取で稼働する悪しき社会ハイブマインドを形成した。
 一方一個人のままスメールという国で生きるアルハイゼンが自ら築いた「家」という最小の社会はどういう形なのか?彼自身は何を選択したのか?』

ここからは何故前半だけでいいと言われがちなのか理由一覧1~5に沿ってアルハイゼンの伝説任務を取り巻く問題と概要を述べ、その後に伝説任務の流れと所感を記す。

二万字越えだぞ気をつけろ。



1 そもそも論で、原神の伝説任務(キャラクターの掘り下げ)が従来のソシャゲの形式と違うので混乱を生みやすい

 原神でよく見る文句と言えば。
「モブの話ばかり」
「キャラストに書いてある話をしてくれない」
だろうか。これはアルハイゼンに限らず、原神の伝説任務にありがちな不満だ。
 これに関しては三つほど答えがある。
「モブを通じてそのキャラの話をしているから」
「ソシャゲ特有の、画面に該当キャラの2D立ち絵だけが映り、そのキャラが生い立ちとそれに付随する感情を全部セリフとして言ってくれる形式に慣れた人が多いから」
「キャラストに書いてある話をするかどうかはキャラの性格と旅人の関係による」

 このキャラクターストーリーの話を伝説任務でしてくれない、というのは原神の美点であり欠点だ。
 いわゆる『キャラの優しさを描くには本人に語らせるのではなく、人助けしている場面をみせること』という作劇論を実行してくれているのだ。

 しかしキャラのストーリーを(持っていないキャラはHoyowikiでも)読む人と、興味があるキャラすら読まない人がいる。
 伝説任務でも生い立ちや心情の説明をしないままだと、大いなる誤解を抱いたり前提知識が欠けたまま評価する人が発生するのは半ば当然だ。

 直近でいうと料理イベ最終日のSNS上で、魔人任務は最新まで進んでいてもアンバーの祖父の存在は初めて知ったプレイヤーを多数見かけた。
 彼女は最初に仲間になる配布キャラである一方、彼女が旅人にがっつりと祖父の話をしていないのも確かである。

 全てのキャラが過去の話をするのも違和感があるので、原神が『セリフにして全部キャラに言わせる』方式じゃないことがとても自然でよいと思っている。自分はね。
 でも寂しい、わかりにくい、自分から読みに行かないといけないのが面倒、という話も共感はできる。

 最近だとリオセスリは伝説任務の最後に自分と里親の話をして、任務で出会うモブたちと自分の過去がリンクしている、とはっきり示してくれている。
 どんなにぼんやりしたオタクでも流石に伝説任務での悪役とリオセスリの義親、追い詰められるカップルと過去の彼の境遇が近しいと理解できただろう。

 ごめん嘘ついた。わかってない人も結構いた。ちょっと自分は人間に対して希望を持ちすぎているので……。
 なんなら今プレイ可能なコンテンツを全てクリアしていても、リネたちを気にかけていた理由とリオセスリの過去が結びついていない人もいる。

 リオセスリの過去・伝説任務・壁炉の家関連は「全ての選択肢を潰して思考と人生を支配する悪逆」の話である。リネたち三人がエージェントの立場である限り召使は立派な悪だ。そこが魅力なキャラなんだけど。
「召使今のところただの良い人じゃない?」って人!行くあての無い孤児の言う「やります」が本当に自由意志だと思っているのか?
 思ってそう。そりゃリオセスリもキレる。
 セリフで説明してもわからない人はわからない。その辺を真面目に考えるのはクリエイターの方々に任せよう。

 だからやっぱり最後は……キャラクターの性格なんじゃないかな……!?
リオセスリは打算があったとしても話してくれるキャラだから話してくれた、アルハイゼンは話してくれないキャラだから話してくれない。

 アルハイゼンが旅人にしみじみと「俺は両親を早くに亡くし祖母に育てられた。彼女は気難しい気質の俺を暖かく受け入れてくれて、教令院の見学に行った際につまらないからとすぐに帰ってきた俺を叱りもしなかった」とか言ったら、まぁ……キャラ崩壊とまでは言わないけど違和感がある。

 アルハイゼンって……そこまで旅人に心を開いてないし……。

 アルハイゼンが自分のことを話してくれないのはアルハイゼンだから。そして相手が旅人だから。それだけだ。

2 アルハイゼンの伝説任務を読み解くためのキーワードは彼のキャラストにあるので、好感度を上げきる前にプレイする確率の高い伝説任務に不利

 シラージとイリヤースやその他烏合の衆の皆さんがアルハイゼンif、アルハイゼンオルタ(別側面)ということにピンとこない理由を記す。

 アルハイゼンのモチーフはである。これは彼の元ネタである偉大な学者イブン・アル=ハイサムから来ていると考えて間違いないだろう。
 彼の元素爆発、キャラクターストーリー、そして彼自身が鏡と呼ぶ男カーヴェの存在から、アルハイゼンを考える上で様々な意味での鏡を念頭に置いて損することはない。
 伝説任務においてもそうだ。シラージ、イリヤース、イリヤースの共同研究仲間達、そしてハイブの構成員。これら全てアルハイゼンと対応した一面、つまり虚像(実像アルハイゼンから発散された光によって浮かび上がった像)達である。

 自分はアルハイゼンのテーマは『個と社会』だと考える。彼は一見孤高の天才だ。人付き合いを嫌い、無駄を嫌い、マイペースな一匹狼だ。
 しかし彼は利用される者や踏みにじられる弱者を放置する冷血漢ではない。
 むしろそういった悲劇が起こらないことを願う善良さを持つ。自分でも言ってたくらい。
 『鏡』と『個と社会』は任務タイトル隼の章「烏合の虚像」からも読み取れる。

 ……だが、これらを考察するには、まずアルハイゼンの人となりを知らねばならない。魔人任務内で彼の情報は皆無だ。
 家族構成も過去も真の目的も思考も何もかも不明なまま、優秀だが性格と口と態度と手癖と足癖が悪くコミュニケーションをする気がないという本人の気質しかわからない。

 必要なキーワードだけで言えば祖母、カーヴェ、両親、鏡、才能、富、謙虚、日常。魔神任務で出てくるのは日常くらいのものだろうか。
 そもそも今までのアルハイゼンの人生には祖母とカーヴェと両親しかいなかったくらいその三者、とくに前二者の比重が高い。
 が、それを任務開始前も攻略中も終了後も説明はされないままである。

 よくアルハイゼンを語る時にカーヴェ抜きで話せ!と要求する人がいるが、無理明らかに対で設定に組み込まれているからだ。
 そしてスメール実装時からすでに掲示板やNPCのセリフにアルハイゼンとカーヴェの不可思議な関係性は散見されている。Ver.3.0からの仕込みだ。
 いきなり生えてきた関係性ではなく、キャラ設計に関わっているものなのだから抜かさない方が自然だと思われるがどうだろうか。アルハイゼンみたいな文章だな。

 逆にコレイを語るときアンバーやモンドの皆やティナリやセノを無視すると凄くいびつな説明しかできないはずだ。
 そしてアルハイゼンの人生はコレイでいう上の人物らを全てカーヴェ一人でまかなっているからこんなことになっている。
 だからアルハイゼンに怒ってくれないか?

 ところで他人を一方的に俺の鏡だと思っているの怖くない?

3 キャラストはアルハイゼンの主観や視座で描かれており、いくつか叙述トリックのようになっているので読み込んでも不明な点が多い

 アルハイゼン個人のキャラストを読んでも不明なままの点は多い。
 共同研究の破綻、カーヴェとの決裂、同居までのプロセス。
 これらはカーヴェ側に詳しく書かれている上に、アルハイゼン側だけ読むと誤読しやすく書かれている

 アルハイゼンのキャラスト及び伝説任務での共同研究については『カーヴェと仲たがいして完遂せず』程度の情報量しかない。

 だが彼の実装より2バージョン後に来たカーヴェのキャラストで初めて
『共同研究には他に多くのメンバーがいて』
『リーダーはアルハイゼンで』
『多くのメンバーは二人の天才についていけず、またリーダーのアルハイゼンの一方的で排他的なスタンスにより人数は減り続け』
『カーヴェはついていけないメンバーやいなくなった人数分の仕事をしまくり疲弊していて』
『そんな彼の己の省みなさにキレたアルハイゼンがカーヴェの過去に不用意に触れる形で傷つけた』
と明かされたのだ。

 またアルハイゼンと彼の伝説任務実装時に出ている情報だけ見ると、アルハイゼンの家に破産したカーヴェが転がり込んできて、アルハイゼンは迷惑していてとっとと出ていってもらいたがっているように見える。

 だが実際はアルハイゼンが自分の意志(と覚悟)でカーヴェを家に連れ帰り共同生活が始まっている
 何故覚悟を括弧で囲んだかというと文字として書かれてはいないからである。だが他人の面倒を見るからには覚悟があってしかるべきだし、アルハイゼンは衝動的、無計画に行動を起こす人間ではないと散々描写されてきたこともあり、腹を括って持ち帰ったのだろうと推察できよう。

 家賃や家事の負担はカーヴェが申し出たが、アルハイゼンにとってはそのどちらも特段必要ないと記載されている。
 カーヴェが罪悪感で潰れないように受け入れているだけで、本当に金も家事労働もいらないらしい。

 また、家の所有者(家主)と居候であることは動かないはずの二人の関係だが、アルハイゼンがルームメイトと同居人以外の言葉でカーヴェとの関係を表現したことはない。
 むしろカーヴェ自身が自分は居候でしかないと考えている。

 二人の認識と互いがこう考えているのだろうなという認識、そして二人がこう認識しているのだろうなというプレイヤーの認識がそれぞれずれているので面倒である。

4 アルハイゼンより2ver後に実装されたカーヴェのキャラスト及びデートイベント、ver3.6テーマイベント『盛典と慧業』までやって初めて判明するアルハイゼン真実「単純にめちゃくちゃカーヴェを心配していて、例外中の例外として自分から色々やってあげているだけ」がわかっていないと後半がおもしろ男二人の胡乱劇場になる


 ver3.6テーマイベント『盛典と慧業』では更にアルハイゼンが単純にめちゃくちゃカーヴェを心配していると判明する。

 表題のイベントは登場人物が多く、二十年ほど前に起こった複数の事件といくつかの家族、そして死人ばかりが当事者であることから物語を把握するのが難しいイベントであった。
 だがアルハイゼンにのみ視点を絞ると恐ろしく単純な「カーヴェのために一人で裏で色々頑張っていた」話である。

 アルハイゼンが好きで取った行動とはいえ、家族の愛を知り自らを正しく愛する愛の男アルハイゼンの献身をプレイヤーが見落としていることを歯がゆく感じているため、長尺を使って説明させてもらおう。

『四年に一度の学院祭は、二十年前にカーヴェの父が出場の後家族から離れ砂漠で謎の死を迎えた件と何らかの関連性がある。
 大会支援者サーチェンと彼の研究成果と優勝の際贈られる冠その全てに怪しい点があり、アルハイゼンはそれら全てを一人で内密に調べていた。

 学院祭には興味が無さそうなくせに特別評論員などの仕事を増やした理由を旅人に聞かれるが、押し付けられたと言ったり研究に興味があると言ったりと発言がぶれていた。
 働く傍ら暗躍するサーチェンの息子をボコって情報を聞き出したり砂漠まで足しげく通ったりしていたが、多くは語らない。

 カーヴェが砂漠で死にかけたことを知ると、あのアルハイゼンが動揺して逆に黙るシーンを描写されるほどだったが、心配は一切伝わらなかった模様。カーヴェ選手渾身のスルー
 集めた関連資料や互いだけが読める言語で書いたメモに目を通すように言ったが、何故かカーヴェは旅人が促すまで読んでもくれない。カーヴェ選手痛恨のスルー

 最後には何も知らないままであるはずのカーヴェが最強で最優で最高な答えを出してサーチェンを完封したために、テンションが上がってスタンディングオベーション。カーヴェ選手から冷静にお叱りを受ける
 苦労その他一切をカーヴェに伝えることなく学院祭は終了。一部の情報は旅人と共有したがその程度で、最後まで彼の献身は日の目を見ない』


 これが多くの旅人が普通にプレイした場合、つまりドリーからのサブクエをこなし、カーヴェの父が砂漠で死んだ件の目撃情報を直接カーヴェに伝えたルートだ。
 カーヴェは大きなショックを受けるが、旅人の手前いつもの彼のように気丈に振る舞おうとしてもの悲しい終わりを迎える。

 しかしここで旅人からカーヴェに何も告げないという選択肢にすると、旅人の代わりにアルハイゼンがカーヴェに真実を告げるルートが始まる。

ソシャゲで。
マルチシナリオを。
するならせめて先に言え。

スタレ君は偉いね、予告して……。
いや予告しなくていいから後から別ルートをプレイできるようにしろ。本当に。

『カーヴェはアルハイゼンがサーチェンの調査をしていたと察し研究に興味があったのかと問う。だがアルハイゼンは興味なんてものは置いておくとして、とぶん投げる。
 第三者として遠くから見るしか出来ない旅人俺、自分は適当にあしらわれていたと察する。
 そしてサーチェンとカーヴェの父の繋がりを教えるだけではなくカーヴェの心に寄り添い、慰めの言葉を送る。あのアルハイゼンが。

 父の死とそれによる家庭崩壊と受けた傷はそう簡単に治るものではないが、カーヴェはやっとアルハイゼンに嫌われているわけではないと知り(遅くない!?!?)、また心配されていることも理解する(やっと!?!?!?)
 かけているのは迷惑ではなく心配だと気づいたのだ。

カーヴェの「(自己犠牲などの)自分の考えを変えるつもりはない、僕を説得しようとするな」
アルハイゼンは「構わない、正しいか間違いか、それはもう話の核心じゃなくなっているからな」と返す。
 今伝えたい言葉、ずっと言いたかった言葉、かつての自分では思いつかずにいた言葉を、決裂と同居と日常を揺るがす大事件を経た今のアルハイゼンだからこそ伝えることができて、二人はまた同じ家に帰る生活に戻った』

 ……という話になる。できれば通しで見て欲しいイベントだ。
 ちなみにアルハイゼン以外ではナヒーダと放浪者が公的に調査しており、互いに「調べとるなぁ……」と感知しつつとくに協力しないままだった。
 放浪者とアルハイゼンが他人と協力するはずがないのでそれはそう。

 サーチェンの息子はアルハイゼンと、アルハイゼンと入れ違いにやってきた放浪者と、放浪者と入れ違いにやってきた旅人の全てにボコられた(順番不明瞭)。

 私情なので一人で調査は妥当だが旅人にくらい言ってくれても……はい、カーヴェの過去やトラウマにまつわるパーソナルな部分を他人が開陳したり共有するのはおかしい?おっしゃる通りです。

 アルハイゼンは魔人任務、伝説任務、あと一回どこかで、ともかく彼に礼を言うとわざわざ「いらない」と感謝を断られる会話が何故か天丼されていた。
 彼の個性的な物の考え方を表現するシーンだと捉えていたが、この盛典と慧業のアルハイゼンルートに進むと理由がわかる。

 カーヴェが(キャラストやデートイベントでの彼の言い分を信じれば)学生の頃のように感謝の言葉を告げると、アルハイゼンはあからさまに動揺する。
 そして感謝が足りないと駄々をこねはじめ、あと三回は言えと要求した。

 そう、全てはこのシーンのための仕込みだったんだ!!!
 ΩΩΩ<な、なんだってー!?

 アルハイゼンは大多数の人間からのお礼は本当にいらないがカーヴェからは欲しいという下準備だった様子。

 ともかく二人の丁寧なやりとりや関係性、アルハイゼンは他人に心を尽くすことができるという情報のあるなしで、後半の二人に対するプレイヤーの心のもっていき方がだいぶ違うのだ。
 少なくともアルハイゼンにとってカーヴェは嫌いな居候ではない、という事実はかなり見方が変わる。

 ぶっちゃけて言うと伝説任務だけで全然嫌ってないし居候とも言わないな、と察せられるのだが、やりとりの機微や空気感がわからないオタクって結構いるんだ、と感想を見て回る際に何度も思ったので書いた。

 自分は原神のイベントその他の感想を読みまくっているのだが、誰の伝説任務の感想でも、「何も伝わっとらんやんけー!!!!」って驚くことが多々ある。

 なんと!アビスとファデュイの区別がついていないままフォンテーヌにいった人も結構います!
 ダインの話ちゃんと聞いてあげて!!!!!

5 上記の理由からNPCシラージとイリヤースがアルハイゼンオルタであることや、ハイブマインドとアルハイゼン邸が対比構造になっているとわかりにくい

 長々と失礼しました。ここからも長々だらだら書いていく。
 ここからはアルハイゼンオルタ概念及び伝説任務前半、ハイブマインド破壊までの詳しい説明をする。

 まずはシラージ。彼は祖母と鏡に出会えなかったアルハイゼンのifである。
 彼は傲慢であり、自分を天才だと自称しながらもアルハイゼンに嫉妬し劣等感から更に視野が狭くなり攻撃的になっている。
 優れた者が下々の愚者を支配することが正しい組織/社会の在り方で、自分はその支配者に相応しいと考える典型的な悪役で、アルハイゼンが反転した要素で構成されている。

 アルハイゼンは祖母の教えがある。謙虚であれ、しかし賢さは才能でありそれを持っているあなたは特別なのだと教えられ、傲慢に染まらないが卑屈にもならない精神性を確立した。
 そして同じ天才のカーヴェと出会う。自分には欠けた視点がある、彼がいればそれを補い合い完璧に近づけると自覚し、一人で世界は完成しない、多角的な視野と様々な意見を持ち議論する対等な他者が必要だと認めた。
 祖母の教えを身をもって体感したからこそ今のアルハイゼンという人物になったのだ。

 そんな彼がハイブマインドにもシラージ自身にも興味を持たないのは当然だろう。
 真に優れた独裁者の支配であれば穴だらけの民主主義より素晴らしい世界になる!なんて中学生の妄想を彼は信じたりしない。
 真に優れた独裁者、は独裁者になった時点で矛盾が生じ破綻する命題だ。
 まぁそれをやろうとしたのがシラージなんですが……。

 たった一人でもシラージと同等の権限を持つ誰かがいたならば、共感のもたらす伝染する不和に初期段階で気づけただろうに。
 見ればわかる矛盾と綻びを前にしても驕り昂ぶり人を侮る愚かな姿を見て、アルハイゼンは祖母の教えの正しさを強く感じたことだろう。

 次にイリヤース。彼は平凡な男だ。シラージほどの能力もなく、いうなれば本当にモブキャラのような奴である。
 彼とアルハイゼンは、共に家族との関係が良好で、周囲と上手く馴染めない自分を暖かく受け入れてもらえている。
 そして唯一いる友人が心優しくお人よしであることが類似している。

 だがイリヤースはアルハイゼンと違い、自分に自信が無く孤独に耐えきれず、周囲に受け入れてもらいたい上に、たった一人の友人を助けられなかった

 イリヤースは最終的に自分という個を捨ててでも皆と一体化することを選び、物言わぬ烏合の虚像になることを選んだ。
 彼はシラージの命令(刷り込み/洗脳)でアルハイゼンを利用しようとしたが、消しきれなかった個人の感情と植え付けられた共感覚を逆に利用される形となった。

 アルハイゼンは家族を愛し家族に愛された自覚があり、強烈な個がある。
 自らの思考や思想を放棄した歯車、奴隷、働き蜂……そういったものに成り下がることでしか社会に居場所を作れないと諦めたイリヤースや、その他の烏合の衆とは違う。
 他者の評価に依存し、自らの形を変えてでも他者に受け入れてもらおうなどとは思わなかった。

 しかしイリヤースは剽窃の告発までした男だ。その後のクソ学生たちからの誹謗中傷には耐えかねていたが、それでも十分強くて正しい人間だ。
 アルハイゼンも彼を利用しながらも、彼を心配する家族をきちんと気にかけ、告発を讃え、その後の彼への仕打ちには憤りを覚えている。

 そんな彼が本格的に折れてしまったのは友人の死だ。
 恐らくここがイリヤースが虚像になった、つまり彼自身の人生の主役から転落した本当のターニングポイントなのだと考える。

 イリヤースは唯一の友人が共同研究の中で便利屋として使い潰されることに異議を唱えつつも、友人の「大丈夫」という言葉を信じて強く出ることができなかった。
 周囲の人間を注意することも指導教員その他に相談することも友人を止めることもできず、結果が友人の飛び降り自殺だった……。

 このショッキングな過去も、しっかりとアルハイゼンとの対比になっている。
 だが『アルハイゼンも共同研究で他人の分までいいように利用され疲弊されていたカーヴェを助けようとして、結果彼は自殺はしなかったが友情は決裂してしまった』という彼との境遇がリンクしていると同時に絶対的な違いを指す箇所が、本人のキャラストを読むだけではわからないのだ。

 共同研究の破綻と自殺の下りを聞いたアルハイゼンは一体何を思っていたのか、などの感想も早くても2ver後に実装されたカーヴェのキャラストを読まないと出てこないものなのである。これは凄まじいネックである。

 後から考えてみればあの時のアルハイゼン……と考えて欲しくはあるものの、そこまではっきりと関連性を示す必要のない箇所だったとも言えるが、正直勿体ないと感じる。
 実装当時はそういった背景等が読み取れないことも影響して「ただのモブの無関係な過去を長々話された」という印象が強くなってしまっているからだ。

 その他のモブ達も、教令院が激動の中にある今は頑張ってもどうせ無駄だからと課題をまともにしない生徒がいた。
 偉大な研究(笑)の一員になれるだけでいいと言いながらも不公平感を一度気づかされたら耐えられなくなる構成員がいた。
 自分達が誤った方法を選んだせいで破綻したことを、正しい選択をした他人のせいにする学者がいた。

 彼ら彼女らもアルハイゼンが「そうならなかった」側面である。烏合の衆の愚かさと顛末を見る度に、アルハイゼンはそうならなかった、それを選ばなかった。
 祖母やカーヴェからそれを学びとった人生だった。そういった選択を積み重ねて今の彼があるのだと示されているストーリーなのだ。

 ここまでが前半、アルハイゼンとアルハイゼンの虚像達を対峙させ、その差、個としての彼を明白にしていったパートである。
そして後半、アルハイゼン邸に突入する。

共同で作り上げる安全な巣・アルハイゼン邸

 アルハイゼンの家に入った旅人とパイモンはとくに説明なく謎の同居人カーヴェと引き合わされる。

 謎の同居人に意識を持っていかれてはいけない。これはアルハイゼンの伝説任務だ。
 だから地上の安全な巣の中で暴れまわる星を無視して、アルハイゼンに注目すべきである。

 カーヴェは自身のことを懸命に隠そうとしている。が、嘘は下手だしなんなら自分から口を滑らせてしまう。だがアルハイゼンは一度も彼の状況を勝手に話したことはない。

 カーヴェはアルハイゼンの心配をしながらも素直にそれを表現することができていない。
 というか家から出ていって危険な目に遭った、というのはカーヴェのトラウマスイッチが入りそうなものだが、アルハイゼンは彼をおちょくることでその辺りのダメージが入る(自覚する)イベントをスキップしている
 貴様、このゲームをやりこんでいるな。

 カーヴェはインテリアを決めたり家主の買い物にケチをつけている。だがアルハイゼンは絵の角度を「いじくり続けること」には嫌味を言っているが
絵の有無には文句をつけず会話を続ける。つまり口出しを許している。なんならわざと買っている節もある。
 壺会話を見るにインテリアに興味無いし、そもそも彼は無駄が嫌いだからだ。

 カーヴェは家賃についてわけのわからんことを言って期限を先延ばしにしようとしていたが、前述した通りアルハイゼンは家賃なんて必要ない。稼ぎがいいから困ってもいない。
 呆れて釘を刺す半分、カーヴェがうぐぐ……とか言うから楽しいが半分で家賃を持ち出していじっている。俺は人を笑う趣味なんてない、とか自己申告している男が。

 傍から見ると居候が失礼にも暴れ回っているように見えるのに、家主のアルハイゼンはカーヴェの無茶苦茶を妙に前向きに受け入れている。


 重要なのは、アルハイゼンがカーヴェの自由な振る舞いを”許容している”点だ。


 多少自分語りをさせてもらうが、自分も同性の友人とルームシェアをしている。血の繋がった家族ではないし無論そういう関係ではない。
 だからこそアルハイゼンが他者を許容し、共に生活していることに対する説得力と納得、そして二人の努力がよくわかる。

 他人と一緒に暮らすことって物凄く大変!!!!!!!!!!!

 家族と暮らすことも大変だというのに、物事に対する前提条件が違う他人と暮らす時は一つ一つ障害を乗り越えていくしかない。
 ティッシュ一つ選ぶ時にも価値観が出るし、たかがティッシュへの価値観が最終的に仲たがいに繋がることだってある。

 誰かと共に暮らすことは互いに努力しなければならないのだ。片側だけの我慢と忍耐に依存した生活は絶対に破綻する。
 自分が寛容になるか、向こうに寛容になってもらうか。互いに意見を出し合い真ん中を目指すか、ある程度どちらか寄りにするか。

 一事が万事調整しないと結局は立場の弱い方の我慢や搾取に繋がるのは誰もが察するところだろう。
 いや、家族に対しても我慢させる側、諦めさせる側、搾取する側はピンとこないかも。
 ピンとこないなら集団生活の中で他人に頑張ってもらう・気を遣ってもらうことが当たり前になっている人でござるなぁそなたは(意地悪な侍)。

 ともかく、ルームシェアが成立しているというだけでそこで暮らす二人が互いに努力しあい許容しあい生活をしている、というのが立証されているのだ。

 家の中の物を見てみてほしい。ちなみにその時見れずともカーヴェのデートイベントで好き放題家に入れるので今からでも間に合う。

 基本的に原神世界に置いてあるオブジェクトは同じ物でセットで一式が普通だ。三つセットの物は常に三つセットで置かれている。
 だがアルハイゼン邸では三つセットのはずのカップが二つだけになっているなど、なかなかに特別なオブジェクトの置き方がされている。
 楽器も二つずつあり、書斎には後から配置したような簡易な、言ってしまえば必要なく周囲から浮いた脈絡のない作業机が存在し、家中にカーヴェが好むフルーツが置かれている。

 つまり、アルハイゼンはカーヴェが家を侵食することを許しているのだ。絵だけの話ではない。家を形成することを認めている

 例えば片付け。アルハイゼンは注意してきたカーヴェ本人にはおちょくった返しをしているが、後でしっかりと本の片付けに関して考えていると『ナヒーダのスキルで』確認できる。
 ナヒーダがいないとアルハイゼンは同居人の話をしっかりと聞いていて、かつ真面目に検討している、とわからないままだ。ここもネックだね。

 買い物。カーヴェは次は僕を連れていけ、という。居候を隠したいのに。
 アルハイゼンは連れて行ったら酒を奢らなくてはならなくなる、と返す。じゃあ奢らなきゃいいだろ。
 当然だろ!とドヤ顔のカーヴェに、それ以上は言わない。いつものことなのだ。
 つまりいつも結局一緒に買い物に行ったら一緒に酒を飲んでいるのだ。

 あれはカーヴェが無茶苦茶を言ってるシーンではなく、その無茶苦茶を許容することがアルハイゼンにとっての日常である、というシーンだ。
 会話に入れず、部屋に入れず、遠くからその会話を聞くしかないプレイヤー達は「なんてやつだ」と思うかもしれないが、他でもないアルハイゼンさん本人が許容しているなら俺らの意見とか無価値で無意味ですからね。

 普段のカーヴェは定職に就き弱きを助け子供を導く大人であり、嘘は苦手で必要以上に他者に気遣いをする実直な苦労人だ。良く言えば。
 おまけに首席で卒業し星と称されるほどの実績を持ち社会的にも成功した経歴の持ち主だ。旅人とのファーストインプレッションがおかしいだけなのだ。
 二人を知った後の旅人なら「カーヴェがここまで自由に振る舞えるようになってよかったね」と二人それぞれに肩ぽんして労いたくなる。でも俺らは入れないからね……。

 食事。アルハイゼンは夕飯の時間だから帰れ、と言って旅人とパイモンを帰らせる。普通の流れだとこのまま四人で一緒に食事だろうが!
「君達も食事をするといい」と言いながら我々を追い出しにかかり、カメラは少し離れた位置にあるカーヴェを映して伝説任務は幕を閉じる。


 伝説任務以外でも、アルハイゼンはカーヴェをとことん許容している。

 騒音。アルハイゼンは関係ない会話や鬱陶しいコミュニケーションが発生しないように普段はヘッドホンで遮音したり音楽を聴いていたりする。
 だがゲーム中でカーヴェが話している時に会話を切り上げさせたりヘッドホンで遮音することはない。適当にあしらうことも無い。常にカーヴェとの対話を選択している。
 それどころか本を閉じたりカーヴェと旅人が話していると結構遠くの方から乱入して来たりする。仕事中に。
 平成ライダーみたいな挙動だ。

 またカーヴェが家の中で模型を叩きまわしている(?)時等は遮音して寝ていると本人からの情報もある。
 つまり、夜中の同居人の騒音を自分が我慢しているのだ。
 カーヴェが騒いでいる時にヘッドホンで遮音するのは二次創作だけである。むしろ公式では自ら聞きにやってくるのだ。気をつけよう。

 スメールシティ及びオルモス港にある掲示板のカーヴェの書き込みもアルハイゼンは全レスだ。第三者との会話にも割り込んでカーヴェに話しかけている。
 唯一の例外がセノの悪口に対して異議を唱えている時だ。
 こいつ、TPOを弁えている。こういうところにアルハイゼンさんのしっかりとした社会性が光る。

 他の全てのカーヴェの痕跡に出現する男はここだけ出てこない、という不在の存在により彼の人間性を描いているシーンだと思うのでお気に入りだ。
 知らない誰かが『他者から見える場所を選んで書いた』悪口に毅然と反論するカーヴェもカッコいいし。

 忘れ物。本国のお誕生日Webイベントにて、アルハイゼンはカーヴェが忘れた鍵を届けていることが判明した。昼間に落ちあって渡すこともあれば、
夕飯前に合流してそのまま外食して一緒に帰ることもある模様。
 つまりアルハイゼンの中に、鍵を忘れたカーヴェを締めだしたまま放置するという選択肢はない
 そういう罰を与える趣味はないし、カーヴェの性格上「そこまで迷惑をかけてしまっていたんだな、これ以上はダメだな」で二度と帰ってこなくなる可能性もあるしね。でもごく普通にそんな情報をお出しされるとこっちも驚く。

 自分も同居人が鍵を忘れたら色々工面する。その時々で互いの状況は変わるものだから、いくつかやりとりをする時もあれば事前に取り決めたこともある。
 その積み重ねが生活であり、二人で作り上げて暮らしていく小さな社会の形である。

 上記のWebイベでも誕生日イラストでもイベントでも二人が食事を共にするのは日常として描かれている。
 Ver2.3の通称雪山イベではアルベド大先生が「ともに何度も食事をすることにはきっと特別な意味があるんだろう」と格言を授けてくださった。

『盛典と慧業』では更に一歩踏み込んだ二人の食事と生活についての言及シーン「どうせ(食事を)包んで持って帰ってきてくれる」と「持って帰ってあげよう」があるが、それもナヒーダのスキルがないと全文は読めないどうかと思うぞ原神君

まとめ

 伝説任務前半では教令院、共同研究、血の繋がった家族、ハイブマインドでの人間関係とその顛末を見てきた。
 ハイブマインド=蜂の巣では蜂の社会性をなぞらえた悪しき王国で、結局そこに行った全ての人々は何も得られず、何者にもなれなかった。

 そして後半ではアルハイゼンとカーヴェの間では対等な個同士が互いに意見を出し合いすり合わせ、自然に共同生活を送っている様子を見せてくれる。
 アルハイゼンは情の無い孤高の機械ではない。彼らしさを放棄することはなく、時にぶつかりながらも他者を思いやり生きる一人の人間だ、という当然の答えを旅人にも共有してくれたという話なのである。

 個を保ったまま他者と生きていると衝突は避けられないが、必要なことだ。
 だが『正しいか間違いかは話の核心ではない』のだ。互いに落としどころを見つけるための対話をし続けること、自分を諦めず他人を尊重する、それこそが大切なのだと示してくれていると感じる。

 しかしアルハイゼンのキャラスト全部を読めないまま、かつカーヴェ側の視点が一切不明な時にこの任務をやると一見『破産して無理やり後輩の家に居候している無責任な酒クズが我が物顔で我儘を言っている』という勘違いが発生するようになっている。
 これも後半部分いらなくね?という考えを加速しているだろう。

 だが彼の伝説任務は一貫して”アルハイゼン”を説明し続けてくれている。決してモブの無駄話から始まり謎の同居人のお披露目で終わる話ではない。
 アルハイゼンの選択しなかった道、そして選択した今を両方見せてくれるアルハイゼン特盛セットなのだ

 一応友として認めた旅人とパイモンに、ハイブマインドとは違う共存する社会と、それを形成する自分達を見せてくれているのだと思われる。

 アルハイゼンの守りたい日常にカーヴェは含まれており、彼にとってカーヴェは侵略者ではなく自ら迎え入れた鏡である。
 二人は旅人が来る前から共に生活をしていて、その年月の積み重ねで今の家がある。

 アルハイゼンは今の生活に満足している、と最初から言っている。
 カーヴェにも皮肉を言いながらも隙あらば共に酒を飲み、なんだかんだ奢りツケも払う。家賃もいらないし、家事をしろと強要もしていない。
 していないとチクチク言葉で刺すこともあるが、してもらいたいからじゃなくて調子に乗ってるからor本人が気にする前にいじって申し訳なさを怒りに変換しておくか……っぽいのも味だ。

 アルハイゼンにとってのカーヴェは自分で選んだ共に生きる相手だろう。
だからこそ、伝説任務を終えた旅人は「じゃあ夕飯食べに帰るね」と言って帰る他ない。

 自分の半身である鏡を見せてくれてありがとうね、と言葉にするほど踏み込まないのが旅人の美点だと思うので。

 草神救出という巨大プロジェクトのために集まった戦友が、食事を契機に「じゃあまたね」と互いの日常に帰っていく
 そういう美しい終わりを与えてくれるのがアルハイゼン邸でのあれこれだ。
『余韻が好きな伝説任務』でも五本の指に入っている。

 少しでもアルハイゼンの伝説任務の印象を変えられたなら幸いである。また、何もかも個人の意見なので納得できなかったらまるっと忘れてくれてもかまわない。


★おまけ1:スメールという国とアルハイゼン


 ここからは少しスメールという国の話をする。
 冒頭のまとめでも触れたが、スメールのテーマは知恵以外だと家族、つまり社会と考えている。家族とは最小にて最初の社会だからだ。

 動物も家族とのじゃれ合いで社会性を獲得していくように、人は家族と接することで社会とは何か、社会にとって自分とは何かを学んでいく。友人や学校といった形で自分の所属や社会が広がっていくことが個人の成長と同列に起こっていく。
 そして大人になると直接的な繋がりはなくとも自分はもっと大きな社会を形成する一員だと気づき、行動し、選択するものだろう。

 コミュニケーションは技術だ。そして技術は知恵があれば磨ける。アルハイゼンがあんな性格で悠々生活しているのは頭を使っているからであり、アルハイゼンの力は思考力にあると思う。
 他の国ではなく、三神を崇め異なる文化が融合しながら共存していたスメールが知恵と社会を担っているのが原神の妙だと感じる。

 アルハイゼンはスメールのテーマを体現する『社会に所属し、他者を尊重して生きる社会性を持ちながらどこまでも個を貫く』象徴的なキャラクターというわけだ。

 そして学術家庭という概念が説明されたことで、スメールの家族とは『一緒に生きることを選んだ相手』なのではないかと思ったのだ。
 セノとティナリとコレイもそうだし、ディシアの父も仲間やディシアと出会った時にそう誓っただろうし、砂漠出身の三十人団の結束の固さもイザークとおじいちゃんもそうだし、アルハイゼンとカーヴェもそうなのだろう。

 あと放浪者がスメールでプレイアブルキャラになったのも『それでも他者と生きていくと選択した』からなんじゃないかな。

 放浪者とナヒーダが打算や計略からでも協力しあうことを選んだ結果、今も一緒にいるあの関係がすごく好きだ。
 放浪者は生まれ落ちた時から母と息子、創造主と製造物、神と人形という他者評価を軸に存在していたため、他者を失う度に自分を見失っていた。
 役割を与えてくれる他者を見つける度にその評価に相応しい振る舞いをしていき、スカラマシュ時代はあんな感じだったわけだ。

 コレイやかつての名もなき孤児のセノやカーヴェもそうなのであろう。
 温かな居場所と、そこで一緒にいてくれる誰かが彼らを彼ら自身として生きることの背を押しているのだ。

 無論スメールは完全無欠の良い国家ではない。格差は今もあり続けているが、ナヒーダがトップとなったことで良い方向へと変わって行っている。
 それはとても希望の溢れる話である。

 血の繋がりが無い限り、性愛で結ばれた男と女の二人でしか新しく家族を作れないだなんて不自由過ぎる。
 圧倒的に規制の多い中国から、誰であれ自分で選んだ相手と一緒に生きていくならばそれは家族と呼んでいいのではないか、という感覚を社会システムで認めるゲームが出てきたことに感心している。

 ちなみにフォンテーヌの正義は生存権と密接な関係にあることはフォカロルスの弁からもわかるとおりである。
 だからフォンテーヌのテーマは正義と選択権なのだと考えている。
 全ての命の『どんな自分でどこで生きるか選ぶ権利を認めて守る正義』を掲げた神の導く国。
 だからフォンテーヌの伝説任務のほとんどが『自分は誰で、どこでどう生きるのか?』を問うものなのだと思っている。

 これからはより多くの人がその権利と意志と正義について考えるようになり、科学の良き力や孤児たちが正しく守られるようにと願う。
 この辺りの『フォンテーヌは今すぐ孤児院再建しろ。水仙関連抜きの』みたいなのは一度どこかで語りたい。

 ところでスメールの三神のエッセンスがそれぞれナヒーダ、アルハイゼン、カーヴェにあるという考察が一時期流行った。自分はロマンチックやね程度に感じていたが、今だと少し思う所がある。

 社会を形成するにあたって大事なものを考えると、知恵・思考力・思いやりと言えるんじゃないか?と。草神・砂神・花神の三神とナヒーダ・アルハイゼン・カーヴェがそれぞれその三角形の頂点の印象があり、わりとアリなのかもな~と思い始めたのだ。

 他のキャラは頂点にならない(誰だってそのキャラらしいバランスでコミュニケーションをとっている)。
 生まれてから五百年幽閉されていて知識だけで人付き合いをカバーしようとするあまり浮いていたり不可思議な例え話を多用するナヒーダ、再三語ったアルハイゼンに行き過ぎた思いやりを持つカーヴェが異質であり、異質なのが丁度三人揃っている。

 三神時代の情報は限られている。だが砂神と花神のイメージも合理的で他者への配慮が足りないどこか繊細な神と、情に厚く他者を思いやり時には忠告し最期まで寄り添う神ではないだろうか。
 無論そこにはその時代の神らしい思考や事情も多分に含まれてはいるが。
 だから三人がスメールを代表する象徴的な部分がある、というのはわかるかも、と思った小話。

★おまけ2:カーヴェについてあれこれ


 アルハイゼンとカーヴェは社会というテーマの時も対比となっている。
 アルハイゼンは『私』として社会と接するが、カーヴェは『公』として社会と接する。一見逆だけど。
 何故ならインフラを作る・整備する側の人間だからだ。

 カーヴェはプレイアブルキャラには初めての政府等の公的機関に所属しているわけでもないのにインフラ整備をしているキャラだ。
 旅人がテイワットを訪れる前から彼は会社に勤め、オルモス港の灯台、橋、リフトの整備や修理を行っており、独立してからもその後の街と人を気にかけている。
 彼の芸術性は実用性を損なうものではなく、常に使用者の状況や環境を意識してデザインされている。

 そしてデートイベントでは新たにアアル村の依頼人と共に砂漠に図書館を建設したり、ドリーに資金援助を頼み大規模なアアル村の発展プロジェクトを手掛けるかもね、という場面で終わっている。

 ナヒーダという公人、教令院という政府機関では一つの決定に煩雑な手続きが必要になる。初動が遅れる上に明確な優先順位をつけるほかない。
 何より教令院主導では、権力者達を「説得」し「納得」させなければ物事が動かない。
 廊下に手すりを付けようという時に、「自分にはいらないから」と何故か反対する人々のせいで手すり一つ作れないのは、現実を生きる我々が一番知っている。

 つまり砂漠に差別意識がある雨林出身の特権階級の学者達をどうにかしないといけない。
 頑張れナヒーダ。あぁナヒーダ、それでも君主制を選ばない知恵の王は我らの誇り。

 いや王制ならぬ神制が悪いと言うより、鍾離が人の時代だからと退いたように、テイワットではすでに人間の世界になりつつあるという大きな流れがあり、ナヒーダはそれを尊重したのだろう。
 いち早く人間を信じ、時折ただの吟遊詩人として悩める個人を導くだけに留めたウェンティの判断が光る。
 聞いているのか雷電!!!!!統治するなら統治しろ!!!!!象徴するなら象徴しろ!!!!!

 ともかく一歩遅れがちな公助、砂漠では飽きるほど繰り返されてきた共助と自助ではなく、カーヴェやドリーといった自由に動かせる金と人を使った互助こそが大切になってくる。

 そもそもカーヴェとドリーは雨林/シティ側に生まれたにも関わらず、教令院からの福祉を受けきれなかった者同士である。
 ドリーの家族は学者ではなかったため、高額医療への補助金もろくに出ず姉は帰らぬ人となった。(医療や福祉は学者が優先されている)
 カーヴェの母ファラナクは恐らく鬱等の精神疾患を抱えたため、支援はされなかったものと推測される。

 狂った学者はアビディアの森にポイーで、が基本的な対応であることと、追い詰められたモブ学生や学者が犯罪行為や自死を選択しまくる現状を鑑みるに、スメールには精神医療が存在しない、または軽んじられろくに発展していないと思われる

 そのためカーヴェは若干五歳で父を殺したという自責の念と、精神疾患で苦しむ母のケアをする羽目になったのかもしれない。

 これはカーヴェから幼少時に受けた公的支援や支援者の話が一切出ていないことからの推測ではある。
 本人の性質的に世話になったことは強く意識して忘れられない(罪悪感という負の記憶として残っているはず)だし、現在彼が精を出す人助けなどに公的機関を推奨しないこと、「子供の頃僕もこういったシステムに世話になった」という発言が無いという理由からだ。

 彼は盗人をボコしたら即マハマトラに突き出す程度には公的機関を信用している。セノが友人なのもあるが。
 それでも彼らが人々の心に寄り添ってはくれない、と感じているのなら、その理由は母のような人を助けるシステムが教令院には無いと知っているからではないだろうか。

 カーヴェが砂漠の人々や依頼人、コレイやレイラなどの若者、子供たちや動物など、立場や力が弱い者ばかりを気にかけているのも、誰かが意識的に気にかけないとすぐに『いないものとされる、無かったことにされる』と身をもって知っているからでは?と思ったのだ。

 なおそんな弱者が暴力や犯罪を行ったら説得など生ぬるいことをせずに即座に応戦するシーンがデートイベントで見られる。
 二次創作だと「彼らにも事情があるんだ」とか言って見逃しているようだが、本物は違うので誤解なきよう。

 助けてあげた相手が集団で家を取り囲んだ時も全員倒して通報して「ほんと最悪だったよ!」と愚痴っている。当時はメラックもいないだろうに、どうやったのかは不明だが。
 我々は彼が落ち込んだり傷ついたりする繊細な場面を多く見ているためにアルハイゼンの言う「カーヴェはひ弱」を信じてしまうが、基本的に普通になんか強い生き物である。
だいたいアルハイゼンから見たら大体の生き物は脆弱だろ。

 そもそも、カーヴェは広瀬康一+岸辺露伴だ。そこにポコの姉ちゃんの気高さとプロシュート兄貴の最後まで他人の輝きを信じる”執念”を一つまみ、みたいな男だ

 お人よしの善人のためピンチに陥ると弱気になりめそめそするが突然キレだしてパワーアップして復活したり、誇りと信念とプロ意識を持ち都合のいい提案に飛びついた方が楽なのに矜持から断ってみせたりする苛烈で鮮烈な男だ。
 凄い、両方ゲーム内でやってる。

 回復も出来るし、一人で四部全部やる、みたいな企画をしてんのか?
 億泰みたいなリアクションもできるし。なんでだろうな、カーヴェって首席で卒業した天才なのに。
 ひかえ目に言ってもミケランジェロの彫刻のように美しいしな……(一応言っておくけどジョジョのセリフです)。
 なんなら朋子も近いよ。ってか結構朋子だよ。

 ポコの姉ちゃんはあれです。アルカサルザライパレスの時絶対に「明日って今だ!!!!」って自分で気づいてベットしたから、ポコじゃなくて姉ちゃんの方だな、って。
 プロシュートは託したペッシがあんなんになっちゃったのも込みで上手くいかない部分もそれらしくて、信頼や希望じゃなくてあれは他人に抱くべきじゃない執念だったのかも、カーヴェもそういうの抱いてるように見えるかも、みたいな。

 借金についても、ドリーが単独債権者であること、破産したのに支払いが続行されていること、政府機関と同等の扱いを受ける教令院から破産を隠そうとしている=破産システムは教令院を通していない疑惑があること、ごく普通に途切れず仕事が舞い込んできていること、アルハイゼンが返済については皮肉や嫌味をあまり言わないことからして、現代日本人の我々が思っているよりも扱いが軽いんじゃないだろうか。
 カーヴェの人生や気持ちが大変なことになっているだけで社会的に見たら大事じゃないのかも。

 モラを日本円に換算するといくらか、という説はいくつかあるが、自分は減衰方式だと考えている。
 十万モラくらいまではドルと同等の1500万、百万モラになるとちょっと下がって一億円、もしかしたらもっと下がって五千万円みたいな。
 こう考えるとモナが「奢りますよ!」といった二万モラも三万円のボーナスでホテルランチしようとしたらガチ食いされた、ドリーの「たかが食事に三万モラ……」も三人とはいえ一食で五万近く飛んでいくと思うと無駄な出費だ……感がよくわかる。

 セノが払ったカード代百万モラも、一個人がカードに払うことに驚いているだけで、その後の返済ロードマップを聞くに数十万モラをほいほい返済に充てているっぽいので、月数百万の返済を滞りなく続けている感覚に近いのではないだろうか。

つまりカーヴェは仕事一件につき数百万~数千万稼いでいる可能性が高い

 ドリーは最初こそこいつヤバすぎ!?と考えていたが今では借金がある限り、金の卵を産む極楽鳥を優先的に金儲けに巻き込める権利のように捉えている節がある。
 奢ろうとしたり、仕事を斡旋したり、自分に借金をしている人間にするにしてはやけに借りを作ろうとする言動が多い。
 借金はわりとすぐに返せそうだし、金銭での借金はそこまで大きな借りにはならないと彼女自身が感じているからではないだろうか。

 ともかく、我々はスメールの法律も破産や借金のシステムも何も知らない。その上で債権者であるドリーとアルハイゼンが呑気しているので、そこまで問題ではないのかも、くらいの気軽さで見ているくらいが丁度いいと思われる。
 少なくとも現代日本の感覚は相応しくない。せめて開発元である中国のシステムか、モデルである中東~アジアを参考にするべきだ。それも現代のものでは不適格だろう

 あとカーヴェに関して気になることと言えば、シラージを知らないことを傲慢だと言われていることかな。
 皆さん卒業してから五年以上社会生活を送った後に二個下の後輩の同級生の、学部もサークルも年齢も違い、在学中も卒業後もパッとしなかった親交の無い人間を知っているのか?
 自分は無理です……。
 それとも天才なんだから同じ学校に通っていた全ての人間を把握しているはず!ってことなのだろうか。
 無理というか、無駄じゃね?

 シラージが頭角を現した、ということになっているのはつい最近であるし、その方法も洗脳や脅迫やサクラによるものであり、その効力は教令院の一部のみ(しかも大半がアホ)であった。
 そしてカーヴェは教令院には近づかないようにしている。

 アルハイゼンがあの場でシラージを知っているか聞いたのは、様々な著名人に声をかけていたシラージがカーヴェに接触していなかったか確かめるものであり、根本的に知らないことが当然の関係だからだ。元から知っている可能性があれば別の聞き方になるだろう。
 アルハイゼン自身知らなくて当然、同級生だから覚えていた程度の男だと断言している。

 もしかして傲慢呼ばわりはシラージが牢屋の中からしているのかもしれない。皆も扇動されないよう気をつけよう。

ここまで読んでくれてありがとう


 自分はオールキャラほのぼのが好きだ。
 全年齢でカップリングのない二次創作をよく読ませていただいているのだが、スメール実装初期はカーヴェが居候の分際で最悪なクズでアルハイゼンがキレて家から蹴りだしたりぶん殴ったりする、というギャグが多かったのだ。顔も出ないうちから。性格もわからないうちからである。

 二次創作でありがちな”こいつは軽んじたり殴ったりしていいという風潮のキャラ”がアホ言って殴られてすっきり!でオチる、みたいな。タルタリヤや一斗がやられがちなやつ。
 俺あれ嫌い。

「カーヴェのことはまだわからないが、あのアルハイゼンがそこまで嫌っている迷惑な相手を住まわせるわけないだろ!」と避けていたが何故か流行っていたため肩身の狭い思いをした。
 だがアルハイゼンの実装と共にそういった二次創作は減少の一途を辿り、盛典と慧業でほぼ消失した。アルハイゼンが愛の男だったために。

 今そんな感じで二人を描いてるとエアプでしかないのだが、やっぱり時々見かけはする。

 ヒモが蹴りだされるネタを描きたいがために二人を利用していると思えて好きじゃない。というただの愚痴である!!!!

 そもそもカーヴェはヒモではない。高給取りだし酒が好きでもない。苦痛から逃れるために飲酒を選択しているだけでむしろ旅人に飲酒はやめとけとアドバイスするくらい。
 飲むのは自分で買ったセール品の安酒で、しかも弱いのですぐ酔い、そんなに量を飲めない。そして買った酒はアルハイゼンが勝手に持っていくこともある。

 ……アルハイゼンって他人の部屋に勝手に入る上に勝手に買った物持っていくんだ。我が家でそれやったら『終わり』だが……?
 自分がしてもルームメイトにされても『終わり』しかないのだが、二人はそれがアリのようだ。信じられん。

 アルハイゼンの旨みってやっぱり、『あんな奴なのに、同居人がカギを忘れたらわざわざ持って行ってやるくらいの情は隠しもしない所』にあると感じているので、二人が不仲だとか勝手に転がり込んできたとかとっとと出ていって欲しいとか誤解していたり、その方がネタに出来るからそういうことにする人を見たりすると単純に悲しい

 いないのがベスト、はどうも家を出ていけるほどに人生を立て直せたならそれが良いというただの事実のようだし、とはいえ本気でイラっとするのも本心だろうが、それこそがリアルな人間模様じゃないか。

 皆も『実は特定個人に対しての人間味に溢れ、意外と社会性があるくせに通常時はあんな感じのド失礼な出力をしているおもしろ男アルハイゼン』を楽しもう!


 そうそう、オールキャラほのぼのが好きだけどアルベドとスクロースとかゴローと心海とかヌヴィレットとフリーナとかも好きなので、公式が我々プレイヤーを縛り付けて女女と男男を直接口に流し込んでくる原神において男女を描いてくださる皆様、本当にありがとうございます。

「凝光って俺のこと好きだよな~」と言おうものならどこからともなく出現したHoyo……の人間に窓の無い小部屋に連れて行かれ、やたらと澄んだ目で「凝光様と北斗船長は素晴らしいパートナーです」と繰り返すようになるのが原神じゃないですか。

 自分も原神をやり始めてからは明らかに女と女、男と男の関係性を考える時間が増えた自覚はあるが、男女も魅力的だよね。
 だから皆さん、ディルックとディオナの関係についても


げぇっ!騎士団!?

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