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ハートをオープンに①

私は自分の気持ちを素直に受け止めることも表現することもできないまま大人になってしまいました。
私のせいじゃないわ!と言いたいんだけど、いい歳の大人になったのでそうもいかないよね。

今さら自分自身にハートをオープンにする作業をしています。

☆☆

私は小さいころから我慢が得意でした。
これは家庭環境が大きく影響しています。

私の家族は両親と7歳上の姉の4人家族でしたが、両親は共働きだったので生後数か月で託児所に預けられ、幼稚園の送り迎えは託児所のじぃちゃん、ばぁたちゃんがやってくれました。
託児所までは母が原付で送迎してくれて、これはこれですごく楽しい時間でした。

物心ついた時に姉は思春期真っ盛り、両親もいろいろ忙しく、私はわがままを言って迷惑をかけてはいけない、言ったところで誰も聞いてくれないと思い込んでいました。
小さい子供ながらすでに空気を肌で感じていました。
わたしが小学生になると、思春期が佳境に入りいつもイライラしている姉に怒鳴られたり邪険にされたりして、姉が家にいるときは本当にびくびくしていました。
子供部屋も姉と共同だったので、部屋で友達と遊んでいても姉に出ていけ!と怒鳴られて追い出されるのが普通でした。
それに疑問とか持たなかったんだよね。
ここで「私が先に友達と遊んでるんだからおねーちゃんがどっか行きなよ!」と言えればよかったのですが、鉄拳が飛んでくるので怖くて言えませんでした。
あの頃の姉は私にとって恐怖の対象でしかなかったんですよね。
私がスポーツ少年団に入ってお互いに家にいることが少なくなったり、家を増築して姉と部屋がわかれたりして、そうしたこともだんだんなくなっていきました。

父は昭和のおやじごとく、時折ちゃぶ台をひっくり返していました。
そんなんなので姉と父の喧嘩は壮絶でした。

でも父は私に優しかったよ。
小さいころは一緒に遊んでくれたり、迷惑だろうに仕事場に連れて行ってくれたりしたし、看護師だった母が夜勤の時とか雷が鳴った時には一緒に寝てくれました。
理由もなく突然泣き出す私を何も言わずに泣き止むまで抱きしめてくれました。

私にとって家は姉も両親も立派な大人で、家の中の唯一子供であった私は何かのおまけでしかなく、ほしいものがあっても、何かこうしてほしい、と思うことがあっても誰も聞いてくれないのだから無駄、家族の輪の中に私が入る場所はないんだなって思ってました。
家の中の空気を敏感に感じて輪の中に入るために常に大人たちの顔色を窺ってきていました。
そして強烈な疎外感も感じていました。

そんな環境だったので、私は自分の本心を電光石火で自分からあっという間に隠し、我慢がとても上手になりました。

一年に一回くらい自分の要望を出すと、お前がそんな風に言うなんて珍しい、よっぽどなんだって思ってもらえて通ることが多かったです。
そんな時はいい子にしていた自分が誇らしかったな。
そうじゃないんだよって今なら思います。

あのね、もっと言ってよかったんだよ。
両親は待っていたかもしれないよ。
忙しいから言わないと伝わらなかったんだよ。
いい子じゃなくてよかったんだよ。

魔法少女ララベルのステッキと花の子ルンルンのまほうのかぎがほしいの!
おねーちゃんのお下がりの髪がバッサリ切れてるリカちゃん人形でいいなんて言ったけど、本当はこえだちゃんのきのおうちが欲しいの!
ベストテンだって欽ドコだって見たいの!(中学校に上がるまで9時就寝だった)
私だけひとりぼっちで家族団欒に混じれなくて寂しいの!

そう言ってよかったんだよ。

大人になった今ならわかります。
私の強烈な無価値観の根っこはここにあるんだなって。
そして家族を通してコミュニケーションするのを怠けちゃったんで、顔色を窺うのは得意なのに空気が読めない、いびつな大人になってしまいました。

☆☆

自分の気持ちを素直に受け止めることも表現することもできずいましたが、特に不便は感じていませんでしたし、それが自分自身のとってよくないことだとも思いませんでした。
私が我慢すると家族がうまく回っていくので私にとってはそうするのが当然で、大人になってもそこは全然変わらなかったな。

それがnoteを始める前の私でした。

でも自分自身に還る道を歩き始めちゃったので、どうしたって自分自身と向き合わざるを得ません。

子供のころにそのわがままが通らなくて傷つくことがあっても、それは訓練だったんだよね。
そうしたら家族の輪の中に入れたかもしれないし、疎外感も無価値観もこんなにひどくなかったかもしれません。
だから子供のうちにやっておけばよかったよね。
誰か教えてくれればよかったのに(笑)

自分で認めるのも受け止めるのもつらくてここまで来るのに数年かかっちゃったんだけど、玉ねぎの皮をむくようにちょっとずつ取り組んできて、ようやっと自分自身にハートをオープンにするとこまで辿りつきました。

他人へハートをオープンのはこれからね。
慌てずゆっくりやろうよ。

同じような気持ちのまま大人になった人へ。
親が健在で仲が悪くなければ、というか仲が悪くても縁切り状態でなければ、子供のころにしてもらいたかったことを今から言ってもいいと思う。
言ったところで何も変わらないかもしれないけどね。

私にはもう両親がいないので聞いてくれる人も受け止めてくれる人もいないからさ。
まぁ小さいころからそうだったから慣れてるけどね。

でも言いたいことがあったら今からでも遅くはないと思うんだ。
親にとったら子供はいくつになっても子供だからさ、甘えていいと思うよ。





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