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祈ることしかできない

前回から年が明けて2021年になりました。

母の手術まで穏やかに過ごすことをこころがけ、時には励ましたり入院の準備や担当医の話を聞きに行ったり、そこそこ忙しくしていました。

母の手術も何とか無事に終わり手術室からICUに運ばれていく母に、よく頑張ったね、偉い偉い、と頭なでなでしました。
そうしたかったんだな。
あとから母にあの時はすごくうれしかったと言われました。

ところが術後の予後があまりよくなく、合併症を引き起こしてしまいました。
体中に血栓ができてしまい絶対安静、ベッドから一歩も動けない状態でした。
担当医からは、母の病気では術後の合併症はよくあることで、治らない確率が~%、このまま死亡する確率が~%と説明を受けました。
そしてきわめて重篤な状態であるということも。

聞いていると治る確率のほうが圧倒的に高いのですが、医者って悪いほうの確率で話すんですね。
医療過誤の面から行けば当たり前なんですけどね。
聞かされているこっちはドキドキするよね。
しかもたった一人でこの話を聞かされていて、分け合える人もいない。

でもこの時不思議とものすごく冷静でした。
悪いほうの説明をしていても、確率の面で行けば心配なさそうじゃない。
うん、そうだよ。
というかさ、母は大丈夫なんだって。
必ず危機から脱するはず。
だってまだまだ生きるもの。
という強い確信がありました。

でもだからといって何かできるわけでもなく。
コロナでお見舞いにも行けないし、母からは毎日あれもってこい、これ持ってこいと言われ、せっせと毎日差し入れに行っていたら、看護師さんから毎日来ないでくれと言われました(笑)
同じフロアに新生児がいるから仕方がない。

できることといえばせいぜい励ますことくらい。
あとは母の生命力を信じるだけ。

そしたらもう祈るしかないよね。

このころ連絡がぽつぽつ取れていた当時お付き合いしていた旦那さんともついに連絡が途絶えました。

何かあったな。

さすがに放っておけないんだけど、でも連絡取れないしどうもできない。
倒れてたらヤダな(彼はよくぶっ倒れるので)
警察と一緒に行って鍵開けちゃう??と考えていたら

来るな!!

と強いメッセージが降りてきました。
心臓にドスンと来ましたよ。
そうかそうきたか。
やっぱり何かあったのね。まぁ体は無事っぽい。

そしたらやっぱり祈るしかないよね。

私は母と旦那さんのために祈る日々でした。
そんなことくらいしかできないんだもの、しょーがない。

実はその前の年に事万八幡宮で引いたおみくじには、

病気だからと言って嘆くな。
必要な治療をすべて施したのちにひたすらに祈れ。

的なことが書かれていました。

私はただひたすらに祈るしことしかできませんでした。

つづく

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