第2回 西郷隆盛、二度の自殺未遂と最期の自決

歴女デザイナーの小太刀御禄です。
しろくまを食べないと夏がきた気はしません。

みなさん、西郷隆盛と聞いてどんな人柄をイメージしますか?
明治維新の立役者として勇敢な姿。
どっしりと構えた、落ち着きのある姿。
とにかく前向きで、目標に向かって頑張れる姿。

どれもポジティブで、薩摩の太陽というべき存在です。
太陽というのは昇れば沈むもの。西郷は何度か自殺または自決をしています。
第1回で紹介した西南戦争。西郷は最後は城山にて自決、自らの生涯に幕をおろしているのですが、このほかにも自ら命に幕を下ろそうとしたことがありました。

西郷を見出した主君・島津斉彬を追って…

幕末の薩摩藩主・島津斉彬。
島津斉彬は教育から軍事、そして西洋文化の研究、薩摩の特産品作りなど幅広い施策を行った薩摩の名君。
薩摩の教育に力を入れ、身分にとらわれずに才能ある人物登用しました。そんな島津斉彬に才を見出されたのが下級武士であった西郷なのです。

数々の功績を残した島津斉彬ですが、彼が藩主についたのは43歳。
とても遅咲きの藩主。そして亡くなったのが享年50歳(満49歳)、藩政についたのは7年間と名君の政治はとても短かった。
そんな名君の死は多くの薩摩藩士を悲しみに包みました。
西郷もそのうちの1人であり、斉彬を失ったショックで、斉彬の墓前で殉死の切腹を決意します。
西郷にとっても恩義ある主君・斉彬はそれほどまでに大きな人物であったのでしょう。

しかしこれを京都の清水寺成就院の僧侶であった月照に止められます。

月照は西郷に「斉彬公の後を追って死んでも褒めてくれないこと」「きっと斉彬公に叱られること」「なぜ意思を継いでくれなかったのかと言われるだろう」と説得したのです。

西郷は月照の説得に応じ、斉彬の意思を継ぐことを決意し幕末を生きることとなります。
斉彬スピリッツは月照の説得により、西郷へと引き継がれました。

あの時説得してくれた月照と…

斉彬の意思を継ぎ、日本を変えるために奔走する西郷。
そんな中、江戸幕府の大老・行った弾圧である安政の大獄がスタートします。
安政の大獄は吉田松陰などが処刑されたことでも有名ですね。

尊王攘夷派であった月照も安政の大獄によって追われる身へ...
西郷は月照を助けようと藩政府の要人に掛け合ったり、薩摩で匿おうと奔走しますが実現が叶わず、最後は月照と錦江湾に入水自殺をはかります。

西郷の殉死を止めた月照との入水自殺。それは一度は西郷に生きることを決意させた人物と共にこの世を去るという悲しい選択。

安政の11月16日(現代の暦では12月20日)、月照と西郷は寒空の海へと身を投げます。
月照は享年45歳、西郷は享年30歳…になるはずが西郷だけ奇跡的に生き残ります。

太陽は沈めばまた昇る

月照は亡くなり、西郷だけ生き残ってしまった。
蘇生後の回復は1ヶ月かかったと言われ、西郷がどれだけ奇跡的な生還だったかがわかります。

しかし、自分のみ生き残ってしまったことに西郷自身がとても苦しみ、再度自殺を図ることを危惧した家族は、西郷の身の回りから刃物を一切置かなかったとも言われています。
当時の西郷の苦悩は家族も見てられない状態だったのでしょう。

その後の西郷は、自らを「土中の死骨」、つまり一度死んだ身と表現して「この世にまだやるべきことがあるから生かされたのだ」かと考えるようになります。

ポジティブ西郷、薩摩の太陽がもう一度昇った瞬間でした。

西郷にとって生きること

江戸時代の生死感と現代の生死感は違う部分も多いでしょう。しかし、西郷は一貫して人を愛し天命に従って生きることと死ぬことを選んでいるように見えます。

西郷隆盛の座右の銘は「敬天愛人」意味は「天を敬い、人を愛す」
西南戦争が始まる時、西郷は自分を慕って集まったものへ「わしの体は、オマエたちに差し上げもんそ」と言ったと言います。
自分を慕い、集まってくれたもののために戦い、尽くし、死ねるなら本望である。これが自分の天命であったという西郷の生き様そのままの言葉ではないでしょうか。

何度か自らの命に幕を落とそうとしながらも天命に従い、生き抜いた西郷。
薩摩の太陽は沈んだり登ったり、とても人間味あふれ、人を愛したのです。

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Miroc Kodachi

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