チェコアイスダンス ムラゼク家について

2022-2023年フィギュアスケートのオンシーズンが終わった。
個人的には、とても楽しいシーズンだった。

いままで何年もフィギュアスケートを観戦してきたが、今年のシーズンはとにかく、素敵なアイスダンサーたちをみて、今後もアイスダンスがとても楽しみなった。
2022年、オクトラヴァ。ジュニアのグランプリシリーズ、アイスダンスの配信。

私は、時差と体力と時間の許す限り、無理のしない範囲でJr.グランプリシリーズを配信で、ただし、流し見るようにして見ている。
まじめに全員見るには時間がないのが理由だ。かといって大会に出るトップ層だけみるのはそれはそれで私の主義に反する。せっかく見れるのに。
それはさておき。

フィギュアスケートは日本では人気の、世界ではマイナーな部類に属するウインタースポーツだ。
ISUが試合に関してはYouTubeで公式配信してくれている。(ありがとうISU)
が、話題になりやすいシニアの大会は日本だと放送局が放送権を買うためにジオブロックされてしまう。ジュニア世界選手権もジオブロックされてしまう。
これは仕方ない。放送がある国にいるのだから。仕方ないので売り上げに貢献している。
ただ、ジオブロックかけるならせめてトップ3、いやできることなら、優勝選手くらいはせめて一定期間でいいから日本にいる誰でもネット配信でみれるくらいの気概を見せろといいたい。

応援してる選手がジュニアの、それも海外の所属選手だと、推しの滑りと優勝した姿をおすすめできない!つらい!!
だが、Jr.グランプリシリーズだけは、シニアと同日開催されるファイナルをのぞき、日本でもISU公式YouTubeでみることができる。

私はそこで数年ぶりに目を奪われるアイスダンスの演技を目にした。

それが、チェコのアイスダンス組。
Catařina Mŕazková
Daniel Mŕazek

たぶん、
カタリーナ ムラゼコヴァ
ダニエル ムラゼク
と呼ぶのだろうと思う。
友人とはひとまず、彼らを「ムラゼク家」「ムラゼク兄妹」とよんでいる。
そう、アイスダンスでたまによくある、兄と妹の組み合わせである。

滑り出す前は、ずいぶん長いスカートだな、と思った印象はあったが、他の選手と変わらず、ライストはつけたまま、視界のふちにとどめつつ、うたたねしてもいい体勢をとっていた。
日本は、すでに夜中だったのである。

アイスダンスにはジャンプの技がない。だから、女性の衣装のスカートが日本のテレビでよく見るシングルとくらべて長いことはよくある。膝丈くらいならよくあるのだ。
だが、滑り出す前にスケート靴にかかるくらい長いスカートなんてものはそうそう見ない。というか普通は踏んで転ぶ。と思う。
結果として、シーズンの終わり頃にはこのスカート丈は10センチほど短くなるのだが、それは余談である。
なんにせよ、チェコって最近聞かないよね、と思いつつライストを流していた私は、ツイズルが始まった時に息を呑んだ。
なんて綺麗なツイズルだろう!
日本では夜中だったこともあり、半分寝ぼけていた頭が一気に覚醒した。
そして気がついたのだ。
──めちゃくちゃスピードを出すスケーティングだ!

繰り返すが、日本のテレビ放送で見るフィギュアスケートはシングルが多い。
シングルにはジャンプがある。昨今はトップ層は三回転は当然のように飛び、男子も、女子の一部も四回転を挑戦している。
回転数の多いジャンプをするには、助走のスピードが求められる。
そのため、日本でフィギュアスケートをテレビ観戦する層は、早いスケーティングを無自覚に見慣れているのである。というのが私の持論だ。

対して、アイスダンスはシングルほどスピードは出さない。この競技は、二人のタイミングが合うことはもちろん、ステップなどのわずかなミスが命取りになるくらいにシビアな技術力が求められているのだ。
ちなみに、わたしはまだアイスダンスに関しては勉強中である。

でもわかる。見ればわかる。
このふたりは技術力が群を抜いていた。

あわてて経歴を調べて、昨シーズン(2022年開催)世界ジュニアに出られなかったの?と呆然とした。


アイスダンスの技術レベルがそんな急激にあがるタイミングってある??と混乱した。
あるんだな、としみじみと思ったのは世界ジュニアで別の組をみての話だけれど、それもまた余談である。

ともあれ、アイスダンスをひたすらチェコを応援するシーズンになっていた。
めちゃくちゃたのしかった。
ちなみにチェコ国旗買いました。
ムラゼク兄妹応援したいからNHK杯にアサインされますように。(2023-2024シーズンからシニア大会参戦予定)

そんな彼らのリズムダンス
めちゃくちゃかっこいいタンゴである。

そしてフリーダンスの「画面の男」
とにかくファーストポジションがとんでもないことは普段見ない方でもおわかりいただけるとおもう。

アイスダンスはいいぞ。
ムラゼク兄妹はいいぞ。
そんな気持ちがまだおさまらないです。
カルガリーいきたかった(2023年世界ジュニア会場

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