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作りたいものを作るという行動とAI

1,模写をしても上達しない理由

 ある漫画専門学校の講師によると、模写をしてもあまり上達しない生徒-模写はできても自分の絵が描けない生徒には共通点があるという。それは、「『可愛い女の子を描きたい』と言っているのに可愛い女の子のイメージを持っていないような生徒」だそうだ。

 なお、「上達」とは、「ゴール(目標)と現在地(現実)のギャップを埋めること」と定義する。


 上達する生徒は、「可愛い女の子」に対して明確なイメージを持っていることが多いらしい。ゴールが明確というわけだ。

  例えば、「可愛い女の子」=「大きい赤いリボンをつけて、黒髪で、ほうきにまたがって、人差し指を口元にもっていって、恥ずかしそうにウインクをしている女の子」なんじゃあ!と思っている人は、そういうキャラクターが描けるようになる。

 他にも、「可愛い女の子」=「アイドルみたいな恰好をして、マイクを持って、自信満々で指をピンとさせてこっちにキラキラの瞳を向けてくる女の子」なんじゃあ!と思っている人は、そういうキャラクターが描けるようになる。

 描きたいものがハッキリとしている人は、初めはへたくそでも目標が明確だから、足りない部分を吸収したり、自分で試行錯誤して、上手くなる力がある。

 しかし、漠然と「可愛い女の子」が描きたいと思っているだけで、萌え漫画を乱読しているだけ、アニメを見まくっているだけ、漫然と模写をしまくっているだけで「可愛い女の子」に対する具体的な要素やイメージがその人の中にない場合は、いくら模写をしても自分でゼロから描くとなると絵が出てこない傾向にあるそうだ(そもそもゼロから描くという経験も圧倒的に少なくなっていく)。

2,Blender(3Dソフト)のチュートリアルマニア

 今日、初めてBlenderを触った。理由は、3Dで学習動画を作れないかなと思ったからだ。小学生の四則計算とか理科の動画とか。ただ、思ったよりも難しそうで断念しそうだ。可愛らしい机といすは作れた。

 インストール開始から、初めての画像をアウトプットするまでの時間は、意外なことにAI画像よりも早かったと思う。画像生成AIはエラーが出まくって一枚目がなかなかでなかった…。

 Blender(3Dソフト)にチュートリアルばかりやって、あまり上達が感じられない人がいると知った。本当の初心者の頃は、操作を覚える意味で大事かもしれないが、初心者でもいきなり作りたいものにチャレンジすることも大事らしい。

 チュートリアルをたくさんすると、すごく上手くなると思っていたがそうではないそうだ。コーヒーカップの作り方とか、さいころの作り方とか、そういう教本や動画(チュートリアル)を参考にして、難しいものも含めて数はこなすが上手くなった気がしないという現象があるそうで、模写を大量にしても上手くならないのと似た現象なのかなと思った。
 以下のyoutubeチャンネルでは、①まず自分で作ってそれからチュートリアルを見る、②自分が作りたいものをいきなり作る、という方法でこのスランプは脱出できるといっていた。
【衝撃の事実】blenderチュートリアルはこれをしないと全部無駄 (youtube.com)

 3,自分が作りたいものとAI

 画像生成AIなどが発達したとしても、「自分が作りたいもの」は自分で考える必要がある。体験などを通して明確にしていく必要がある。

「cute 1girl」と打てば、AIは可愛い女の子を提案して出してくれる。しかし、それで「作りたいものがある人」の欲求を満たせるかは不明だし、商品として使い物になるかは疑問が残る。

 対話的な面白さがあるのは生成AIの良いところだけど、「『自分が作りたいものがない』人間」や「対話の最中に触発されて『自分が作りたいものを明確にしていかない』人間」と話をしてもAIも面白くないんじゃないかと思う。今後は、AIが出てきたことによってクリエイターの創造力の差がさらに明確に出るように思う。

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